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第三世代

灯編 俺の勝手

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幼い頃のあかりは、本当に<おてんば>な女の子だった。いや、むしろ<やんちゃ>と言った方がニュアンス的には近いかな。ほむらさいあらたりんと一緒になって、今のまどかひなたうららと同じように縦横無尽に走り回って暴れ回って、家をとにかく壊しまくった。

家の保全をエレクシアやイレーネに任せておかなけりゃ、つい怒鳴ってしまうだろうくらいにはな。

でも、それを許していたからこそこの世界で生き抜いていけるだけの身体能力も磨けたし、あちこちにぶつかったりして時には流血の事態にも陥ったりしたことで<痛み>を知り、力の使い方も学んでいってくれたんだ。

その上で、エレクシアやイレーネに高度な格闘術も教わったからな。さすがに優秀な軍人だったビアンカや久利生くりうには<格闘術>では敵わないものの、元々の身体能力とも合わせ、まあ、ただの地球人じゃ、達人クラスの格闘家相手でも十分にいい勝負をすると思う。

そして、優しい。自分や家族を守るためにるとなったら容赦はしないが、でも無益な殺生は好まないんだよ。その程度はわきまえてくれてる。

この頃に俺達の仲間に加わったじゅんに対しても、最初はひかりよりよっぽど親し気に振る舞ってくれていた。面倒を見てくれていた。じゅんが、当時はマンティアンであるじんやアクシーズであるようや、パルディアとよく似たふくしんさいりんという、パパニアンにとっては恐怖の対象でしかない存在が何人もいたここに居ついてくれたのも、たぶん、あかりが甲斐甲斐しく世話を焼いてくれたからだと思うんだ。

しかし、当のじゅんの方はと言えばひかりに夢中で、彼女に対して熱心な<求愛行動>も行っていたな。けれどあかりはそれについても気にすることなく、むしろじゅんひかりの間を取り持とうとするかのような振る舞いもとっていたな。

あと、ばんと出逢ったのもその頃か。

そんな中でも、命ってのは循環を続けてるから、じんがこの世を去り、はるかがこの世を去り、ちからがこの世を去り、ようがこの世を去り、ふくがこの世を去り、ひそかがこの世を去った。俺は、自分が愛したパートナーを見送ることができた。

そうやって愛する者を次々と喪っていく俺のことも、あかりは、ひかりやシモーヌと一緒に支えてくれた。彼女達がいてくれたから俺は正気を保っていられた。もちろんエレクシアの存在も大きかったが、それに加えて<実の我が子>であるひかりあかりの存在は大きかったと思う。

この世界に俺の勝手で送り出してしまったのに、そんなひかりあかりを放っておいて一人で落ち込んでるってのは、違うと思えたしな。

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