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第三世代
灯編 あの頃
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思えば、灯がまだ赤ん坊だった頃に、コーネリアス号の乗員の一人であるクラレスの姿をしたヒト蛇が現れたんだったな。蛮が戦った<ビアンカの姿をしたヒト蛇>よりさらに大きかったから、現れてからそこそこ時間が経ってたんだろうというのが今なら分かる。
あの時はイレーネが合流してからもそれほど経ってなくて、彼女の右手右足の義手義足も、まるで絵本に出てくる海賊のそれのような簡素なもので、しかもイレーネのAIそのものの機能も今よりずっと損なわれた状態だったことで、結構、苦戦したんだった。
あと、ドーベルマンDK-a零号機も、できたばかりでヒト蛇と戦う羽目になって、いいところなく破壊されたってこともあったか。破壊された零号機は破片もほとんど残さず回収して再資源化して、後のドーベルマンDK-aの部品へと生まれ変わったけどな。そしてその時のデータも活かされてるから、まったく無駄にはなっていない。
その後にも、深が妊娠、交と環と連を生んだものの、連は死産だったことで、その場で深に食われてしまったなんてこともあった。野生ってものの現実を改めて目の当たりにした一件だった。野生動物にとっては、死産で生まれた子など、後産で排出される胎盤と同じで、妊娠出産で失ったエネルギーを補充するための恰好の<栄養源>でしかないんだ。
だから、庭に作った連の墓の下には、遺体はない。ただのモニュメントだ。それでも、連という実の孫がいた事実を、俺に思い出させてくれる。
が、そんなことがあったのに、もう今じゃ、すべての孫や曾孫や玄孫やそれ以降については把握しきれてないんだから、人間ってのは本当にいい加減だ。その事実も、俺に突き付けてくる。
でも、それでいい。俺がその程度の人間だという事実を思い知るからこそ、増長せずに済んでるというのもあるわけで。
さらに、深と番ったパルディアの<弦>が、パルディアの習性に従って姿を消したことで、深が交と環を連れて俺達のところに帰ってきて、居ついてしまった。
で、この頃にまた鷹が妊娠して彗を生んだり、ドーベルマンDK-a陸号機を<親>と誤認してしまったらしい駿と出逢ったり、明と角の間に鋭が生まれたり、鷹の娘である翔にも凌が生まれたり、誉と蒼の間には保と翠が生まれたり、焔と彩が完全に番ってしまったり。
そう言えばこの頃は、彩がよく灯と遊んでくれてたな。年が近い姉妹だったからだろうが。しかし、灯が見てる前で、焔といたしてたりしたのは、ちょっと困りものだったが。
まあでも、そういうのを身近で見てたことで、逆に慣れてしまったというのもあるかもしれない。
あの時はイレーネが合流してからもそれほど経ってなくて、彼女の右手右足の義手義足も、まるで絵本に出てくる海賊のそれのような簡素なもので、しかもイレーネのAIそのものの機能も今よりずっと損なわれた状態だったことで、結構、苦戦したんだった。
あと、ドーベルマンDK-a零号機も、できたばかりでヒト蛇と戦う羽目になって、いいところなく破壊されたってこともあったか。破壊された零号機は破片もほとんど残さず回収して再資源化して、後のドーベルマンDK-aの部品へと生まれ変わったけどな。そしてその時のデータも活かされてるから、まったく無駄にはなっていない。
その後にも、深が妊娠、交と環と連を生んだものの、連は死産だったことで、その場で深に食われてしまったなんてこともあった。野生ってものの現実を改めて目の当たりにした一件だった。野生動物にとっては、死産で生まれた子など、後産で排出される胎盤と同じで、妊娠出産で失ったエネルギーを補充するための恰好の<栄養源>でしかないんだ。
だから、庭に作った連の墓の下には、遺体はない。ただのモニュメントだ。それでも、連という実の孫がいた事実を、俺に思い出させてくれる。
が、そんなことがあったのに、もう今じゃ、すべての孫や曾孫や玄孫やそれ以降については把握しきれてないんだから、人間ってのは本当にいい加減だ。その事実も、俺に突き付けてくる。
でも、それでいい。俺がその程度の人間だという事実を思い知るからこそ、増長せずに済んでるというのもあるわけで。
さらに、深と番ったパルディアの<弦>が、パルディアの習性に従って姿を消したことで、深が交と環を連れて俺達のところに帰ってきて、居ついてしまった。
で、この頃にまた鷹が妊娠して彗を生んだり、ドーベルマンDK-a陸号機を<親>と誤認してしまったらしい駿と出逢ったり、明と角の間に鋭が生まれたり、鷹の娘である翔にも凌が生まれたり、誉と蒼の間には保と翠が生まれたり、焔と彩が完全に番ってしまったり。
そう言えばこの頃は、彩がよく灯と遊んでくれてたな。年が近い姉妹だったからだろうが。しかし、灯が見てる前で、焔といたしてたりしたのは、ちょっと困りものだったが。
まあでも、そういうのを身近で見てたことで、逆に慣れてしまったというのもあるかもしれない。
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