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第三世代
蛮編 握撃
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ヒト蛇に見付かり標的とされたアサシン竜は、再び同じ昆虫をヒト蛇目掛けて弾き飛ばした。しかしこれはさすがにヒト蛇の方もすぐに察して、自身の掌で顔を庇ってみせる。
掌に直接化学物質が付いてしまったが、それについてはさほど気にしていないようだ。悪臭もダメージにはならないか。
するとアサシン竜は今度は、木の枝に飛びついてそのしなりと反動を活かし、空中高く舞い上がる。
「ガアアッ!!」
ヒト蛇が体を伸ばし手を伸ばすものの、わずかに届かずアサシン竜は背後の木に飛び移ることができた。
しかし、次の瞬間、
「ギャッッ!!」
悲鳴が上がる。木に飛びついたはずのアサシン竜の体が弾かれて宙を舞ったんだ。ヒト蛇の尻尾が空間を切り裂くように奔り、アサシン竜が木に飛びついたところに尻尾の一撃を食らわせたようだ。
よく見ると、アサシン竜の左腕が不自然に曲がっている。折れてしまったか。
それでも諦めることはないけどな。空中で残った右腕と両脚を巧みに使って姿勢を整え、飛ばされてきたアサシン竜を捕らえようと伸ばされたヒト蛇の手を逆に掴んで軌道を変え、足の爪で顔面を狙う。
ヒト蛇も咄嗟に頭を下げて額で受けた。
ガキンッ!!
アサシン竜の爪が当たると金属音が。額もあの鱗で覆われているのが分かる音だった。しかも透明で分かりにくいが爪が当たったと同時に皮膚が裂け、その下にあった鱗が露わに。
けれどアサシン竜としては、それは攻撃として狙ったわけじゃなかったようだ。もちろんそれでダメージを与えられれば僥倖だったものの、実際には足場にするために蹴っただけと思われる。その反動によってさらに宙を舞い、間合いをとる。
とは言えヒト蛇もそんなことで諦めたりはせず、アサシン竜を追うけどな。アサシン竜も、途中で枝を掴んでさらに軌道を変え、再び障害物を間に置くことで間合いを確保。
が、先ほどと同じことをするには、条件が大きく違っていた。左手が使えなくなっていたんだ。だから先ほどまでのトリッキーな動きは再現できず、ヒト蛇の手を躱したと思ったら、その陰からもう片方の手が伸ばされていて、アサシン竜の首を捉えてみせる。
それがまさに<決め手>となった。首を捉えたと同時にとてつもない握力で、ヒト蛇はアサシン竜の首を握り潰した。そう、『絞めた』んじゃない。文字通り『握り潰した』んだ。<握撃>とか言われる攻撃だ。
抵抗する暇さえ与えずにな。
「ブギュッッ……!」
アサシン竜が最後に発したそれは、<声>と言うよりは気道に残っていた空気が握り潰された際に漏れ出たことで音になっただけのものだったか。
掌に直接化学物質が付いてしまったが、それについてはさほど気にしていないようだ。悪臭もダメージにはならないか。
するとアサシン竜は今度は、木の枝に飛びついてそのしなりと反動を活かし、空中高く舞い上がる。
「ガアアッ!!」
ヒト蛇が体を伸ばし手を伸ばすものの、わずかに届かずアサシン竜は背後の木に飛び移ることができた。
しかし、次の瞬間、
「ギャッッ!!」
悲鳴が上がる。木に飛びついたはずのアサシン竜の体が弾かれて宙を舞ったんだ。ヒト蛇の尻尾が空間を切り裂くように奔り、アサシン竜が木に飛びついたところに尻尾の一撃を食らわせたようだ。
よく見ると、アサシン竜の左腕が不自然に曲がっている。折れてしまったか。
それでも諦めることはないけどな。空中で残った右腕と両脚を巧みに使って姿勢を整え、飛ばされてきたアサシン竜を捕らえようと伸ばされたヒト蛇の手を逆に掴んで軌道を変え、足の爪で顔面を狙う。
ヒト蛇も咄嗟に頭を下げて額で受けた。
ガキンッ!!
アサシン竜の爪が当たると金属音が。額もあの鱗で覆われているのが分かる音だった。しかも透明で分かりにくいが爪が当たったと同時に皮膚が裂け、その下にあった鱗が露わに。
けれどアサシン竜としては、それは攻撃として狙ったわけじゃなかったようだ。もちろんそれでダメージを与えられれば僥倖だったものの、実際には足場にするために蹴っただけと思われる。その反動によってさらに宙を舞い、間合いをとる。
とは言えヒト蛇もそんなことで諦めたりはせず、アサシン竜を追うけどな。アサシン竜も、途中で枝を掴んでさらに軌道を変え、再び障害物を間に置くことで間合いを確保。
が、先ほどと同じことをするには、条件が大きく違っていた。左手が使えなくなっていたんだ。だから先ほどまでのトリッキーな動きは再現できず、ヒト蛇の手を躱したと思ったら、その陰からもう片方の手が伸ばされていて、アサシン竜の首を捉えてみせる。
それがまさに<決め手>となった。首を捉えたと同時にとてつもない握力で、ヒト蛇はアサシン竜の首を握り潰した。そう、『絞めた』んじゃない。文字通り『握り潰した』んだ。<握撃>とか言われる攻撃だ。
抵抗する暇さえ与えずにな。
「ブギュッッ……!」
アサシン竜が最後に発したそれは、<声>と言うよりは気道に残っていた空気が握り潰された際に漏れ出たことで音になっただけのものだったか。
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