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第三世代

蛮編 能力

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こうして三対一となり、かなりの優位を得たドーベルマンMPMは、ヒト蛇ラミアを翻弄する。

その中で、今度は、ヒト蛇ラミアの口目掛けて麻酔薬のアンプルが放たれた。皮膚は鱗で守られていても、さすがに口の中まではそこまでじゃないしな。

なのにヒト蛇ラミアは、本能的に危険を感じたのか手で口を庇い、アンプルはやはり弾かれて落ちた。やっぱりそんなことを許してくれるほど甘くないか。

アンプルは残り一つ。とは言え、これでは麻酔で眠らせることは望めそうもないな。となれば、エレクシアとアリアンが駆け付けるまで残り二時間半以上、この三体で粘るだけだ。

実は、ヒト蛇ラミアを殺すだけなら、おそらくロケット砲を使えばたぶん何とかなると思う。ここまでに得られたデータがそれを物語ってる。能力自体はみずちと大きく違わないんだ。しかし、だからと言って殺してしまっていいのかは、判断が難しい。

このヒト蛇ラミアをドーベルマンMPMが殺すことでさらに強力なのが生まれる可能性は今なお否定できてない。人間及び人間が生み出したもの以外が殺した場合にはその限りじゃないことは、最初に遭遇したのがきょうグンタイ竜グンタイだったことで十分に推測は立つ。じゃなきゃ、きょうグンタイ竜グンタイ程度じゃ済まなかっただろうしな。

が、ドーベルマンMPMの能力じゃあ、殺さずに無力化することはまず無理だ。だからエレクシアとアリアンの到着を待つしかない。

しかしその時、異常な電磁波が検出された。ドーベルマンMPMが捉えていた映像の中で、ヒト蛇ラミアが一瞬、青白く光った。光ったように見えた。

<電磁パルス攻撃>

だ。くそっ! こいつもそれを備えてたか……! 夷嶽いがく牙斬がざんとのそれでシールドはそれなりに施したが、やっぱり完全に影響をゼロにはできない。センサー類をはじめとした一部機能に障害が発生。大きくパフォーマンスが低下する。

明らかに動きが悪くなったドーベルマンMPM三機を、ヒト蛇ラミアは次々と捕らえ、破壊していった。一機は体を掴んで振り回し木の幹に叩きつけ粉砕。一機も続けて捕まえて高々と抱え上げると同時に、頭部を失った一機には自身の胴を巻き付けて締め上げ、圧壊させた。

最後の一機も何とか振り切ろうと抵抗するのを地面に叩きつける。

ドーベルマンMPMも、人間が倒れる時に咄嗟に身を庇って致命傷を受けないようにするのと同じことをできるようにはしてある。加えて、生身の人間よりは頑強ゆえ、簡単には壊れない。

だがそれも、地上五メートルの高さから地面に全力で叩きつけられても耐えられるというわけじゃないんだよな……

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