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第三世代
ホビットMk-Ⅰ編 データの蓄積
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新暦〇〇三四年十二月十日
とにかく、俺がこんな風にあれこれ考えているのは、
『そういうこと考えもせず社会を維持するなんてことはできない』
からだ。実際にあれこれ考えて政策を決めているはずの政治家でさえ、
『その程度のことも考えてないのか!?』
って感じることも多いだろう? なら、考えずにやったらそれこそどうなるか、想像もつかないか?
俺はおっかなくて、
『ロクに考えもせずに適当にその時の気分で対処する』
なんてことはできないよ。そんなことをした時には、後になって、
『よく上手くいったな……!』
とゾッとする。そんなのはお断りなんだ。
アリアン2CVが発見できたことで、フローティングヘリを<アリアン>として運用できるようになった。これでますます社会基盤を整備していく目途が立ってきた。
そんな中で、ホビットMk-Ⅰの改良も進んでいる。
もう一台の試掘用ロボットもスカルン鉱床の方に運搬でき、試掘を開始すると、一気に様々な合金が作れるようになり、それぞれの部位に適した素材で部品が作れるようになっていった。
それによって、ホビットMk-Ⅰは、最初に作られた時とは、見た目こそ大きく違っていないとはいえ、部品の八割は新しいものに置き換わって実質ほぼ別物と化していた。
正直、<ホビットMk-Ⅱ>と称してもいいくらいだと思う。
が、性能的にはやっぱりまだまだ<玩具>レベルなんだよな。
コーネリアス号の中で、荷物を運んだり簡単な掃除をしたりという、本当に子供でもできるような作業がようやく無難にこなせるようになってきたという状態なんだ。
ここまでで約八ヶ月。
光の第二子の萌花も、ビアンカの第一子にして久利生にとっては第二子の黎明も、それぞれ順調に育ってる。
萌花の父親の順はデレデレで、血の繋がらない姉である和も、実の兄である陽も、陽にべったりの麗も、すごく萌花を可愛がってくれてる。
そして黎明の方も、ビアンカや久利生はもちろん、灯もルコアもそうだし、実の兄である未来も、すっかりビアンカに懐いて実質的に彼女の息子となり事実上の兄となった素戔嗚も、黎明にデレデレである。
萌花も黎明も、本当に望まれて生まれてきたし、皆に愛されている。
それだけじゃない。新に保護されたレトも、穏やかな日々を過ごせてる。
だからこそ、生まれてくる子供達がしっかりと愛される環境を担保するためにも、ホビットMk-Ⅰの改良は強く望まれている。今はそれこそ荷物を運んだり簡単な掃除をしたりという程度でも、いずれは親のサポートとして赤ん坊の世話が無理なくできるようになってもらわないといけない。
そのためにもデータの蓄積は必要なんだ。
とにかく、俺がこんな風にあれこれ考えているのは、
『そういうこと考えもせず社会を維持するなんてことはできない』
からだ。実際にあれこれ考えて政策を決めているはずの政治家でさえ、
『その程度のことも考えてないのか!?』
って感じることも多いだろう? なら、考えずにやったらそれこそどうなるか、想像もつかないか?
俺はおっかなくて、
『ロクに考えもせずに適当にその時の気分で対処する』
なんてことはできないよ。そんなことをした時には、後になって、
『よく上手くいったな……!』
とゾッとする。そんなのはお断りなんだ。
アリアン2CVが発見できたことで、フローティングヘリを<アリアン>として運用できるようになった。これでますます社会基盤を整備していく目途が立ってきた。
そんな中で、ホビットMk-Ⅰの改良も進んでいる。
もう一台の試掘用ロボットもスカルン鉱床の方に運搬でき、試掘を開始すると、一気に様々な合金が作れるようになり、それぞれの部位に適した素材で部品が作れるようになっていった。
それによって、ホビットMk-Ⅰは、最初に作られた時とは、見た目こそ大きく違っていないとはいえ、部品の八割は新しいものに置き換わって実質ほぼ別物と化していた。
正直、<ホビットMk-Ⅱ>と称してもいいくらいだと思う。
が、性能的にはやっぱりまだまだ<玩具>レベルなんだよな。
コーネリアス号の中で、荷物を運んだり簡単な掃除をしたりという、本当に子供でもできるような作業がようやく無難にこなせるようになってきたという状態なんだ。
ここまでで約八ヶ月。
光の第二子の萌花も、ビアンカの第一子にして久利生にとっては第二子の黎明も、それぞれ順調に育ってる。
萌花の父親の順はデレデレで、血の繋がらない姉である和も、実の兄である陽も、陽にべったりの麗も、すごく萌花を可愛がってくれてる。
そして黎明の方も、ビアンカや久利生はもちろん、灯もルコアもそうだし、実の兄である未来も、すっかりビアンカに懐いて実質的に彼女の息子となり事実上の兄となった素戔嗚も、黎明にデレデレである。
萌花も黎明も、本当に望まれて生まれてきたし、皆に愛されている。
それだけじゃない。新に保護されたレトも、穏やかな日々を過ごせてる。
だからこそ、生まれてくる子供達がしっかりと愛される環境を担保するためにも、ホビットMk-Ⅰの改良は強く望まれている。今はそれこそ荷物を運んだり簡単な掃除をしたりという程度でも、いずれは親のサポートとして赤ん坊の世話が無理なくできるようになってもらわないといけない。
そのためにもデータの蓄積は必要なんだ。
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