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第三世代

ホビットMk-Ⅰ編 道は果てしなく遠い

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これまでにも、鉄や銅だけでなく様々な金属や物質についても発見はされている。おそらく二十世紀頃には日常的に普段の生活で見られる種類についてはおおむねな。

ただ、土壌に含まれていたりその辺に落ちている岩石に含まれていたり河の泥に含まれていたりという形の、非常に微量なものだったことで、精々一部の鉄をベースにした合金が作れる程度だった。それこそ、クロムモリブデン鋼とかステンレス鋼とかのレベルだ。

しかし、実用的なロボットを作るには、それではまったく話にならない。最低でもジュラルミン、本当なら<ウォーナイト>という、ジュラルミンの十倍の強さで重量は七割って言われてる、資源としての小惑星の利用を研究していた際に発見された金属が欲しいところだ。この<ウォーナイト>の発見によりロボットが飛躍的に性能を伸ばしたとも言われている。

余談だが、当時人気のあったアニメになぞらえて<ルナチタニウム>とか<ガンダリウム>とかとも呼ばれてたらしい。が、それについてはいろいろな<大人の事情>により正式名称としては採用されなかったんだとか。加えて、<巨大人型ロボット>の実現も期待されたし理論上は可能だとされたものの、こちらも、一部の好事家達主導で試作品までは作られつつも、『実用性は皆無』『あくまでロマンの塊』という結論に至り、話題にはなったが、イベントなどで実物が公開されたりしたが、本当の日常でお目にかかるようなことはついぞなかったとも。

そして現在ではさらに高性能な素材が実用化されていて、エレクシアのフレームにもそれが用いられているそうだ。これによりエネルギー効率もすさまじく向上し、エレクシアクラスのメイトギアが通常モードで動作する場合だと、人間が日常で活動するのと大差ないレベルのエネルギー消費で済むようになった。バッテリーの開発も進んだことも合わせて、『満充電なら一ヶ月は給電なしで動作できる』というのが基準になってる。

それに比べてドーベルマンMPMのエネルギー効率は、エレクシアと比較すると十パーセントにも満たない。で、ホビットMk-Ⅰに至っては、一パーセント強というありさまだ。

しかも、かなり好意的に解釈してそれという。

いやはや、道は果てしなく遠い。それでも、ジュラルミンやセラミックやカーボン繊維が安定的に作れるようになれば、状況は変わるかもしれない。<ロボットらしいロボット>然としたものであることには代わりなくても、日常的な運用には堪えるものになるんじゃないかな。

セラミック(正しくは高性能ないわゆる<ファインセラミックス>)についても、必要な原料が安定的に確保できるようになりさえすれば、作るのは難しくないそうだ。

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