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第三世代
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新暦〇〇三四年二月十一日
地球人は、ここ惑星朋群の獣人達よりも寿命が長い。老化抑制処置を受けてなくても、八十年くらいは生きられる。だからその分、時間的な余裕もある。
だが、麗には、地球人ほどの時間はないんだよ。だからこれ以上待つのは、な。
とは言え、妊娠が可能な期間中であればそれなりに相手は見付かるから、実はそこまで焦る必要もないのかもしれないが。
しかしそれさえ、地球人の感覚だからな。パパニアンのそれとは違う。いくら俺達の言葉をある程度は理解してて、普通のパパニアンでは理解できないことを理解してる可能性も高いとはいえ、新はあくまでパパニアンだ。
彼がそう決めたのなら後は全力でフォローするしかない。
それにな、ここじゃいつ命を落とすかも分からないわけで、そういう形で相手を亡くすことだって十分にある。そんな事態も想定すれば、な。
翌日は、出掛ける予定もなかったので、そのまま、ドローンやドーベルマンMPMが送ってくる様々なデータのチェックをしてた。その中に、ドーベルマンMPM四十二号機から送られてきたデータがあったんだが、蛮に襲われた時のものだった。
もっとも、四十二号機は完全に蛮の攻撃を凌ぎ切ってみせていて、改めて普通の生き物相手なら十分に最強格だってことが確認できた。むしろ、エレクシア達がオーバースペック過ぎなんだよ。
でもまあ、そのエレクシアでさえ、牙斬には左前腕を破壊されたわけだから、今後さらに強力なのが出てきたらもう<最強>ではなくなってしまう可能性は高い。
が、現状では、複数のドライツェンを従えた<部隊>として運用すれば、まだ何とかなるだろうとは思われてる。牙斬相手でも、エレクシアとハートマンとグレイのチームで何とかなったしな。
考えてみれば、人間だって個々の戦闘力なんて雑魚もいいところだが、部隊を作って戦術でもって強大な敵に立ち向かうってことはしてるわけで、そういう形でならいけるか。
ドーベルマンMPMも、単体では人間より圧倒的に強い。四十号機が晴と互角だったし、四十二号機も蛮と互角だった。さらに戦術を磨けば何とかなるんじゃないか? 久利生もそれを考えてくれてる。
牙斬の時にはデータが少なすぎた。嶽や夷嶽のデータでは<対牙斬用の戦術>を練るには条件が違いすぎたんだ。
そんなわけで、今後は一層、そっち方面の研究も必要になってくる。ただ、実際にはそうスムーズでもなかったけどな。
と、その前に、蛮が四十二号機を襲った際に、攻撃を完全に凌がれたんだが、蛮は自分の限界を超えて動いてしまってな。危うく死に掛けたらしい。
ただ、それはあくまで<人間そっくりの部分>の話で、ヒト蜘蛛としての本体の方は無事だったから、そちらが支えてくれて回復できたそうだ。
ルコアの腰から下が非常時の際の血液タンクの役目をしてるのと同じようなものかもしれない。
地球人は、ここ惑星朋群の獣人達よりも寿命が長い。老化抑制処置を受けてなくても、八十年くらいは生きられる。だからその分、時間的な余裕もある。
だが、麗には、地球人ほどの時間はないんだよ。だからこれ以上待つのは、な。
とは言え、妊娠が可能な期間中であればそれなりに相手は見付かるから、実はそこまで焦る必要もないのかもしれないが。
しかしそれさえ、地球人の感覚だからな。パパニアンのそれとは違う。いくら俺達の言葉をある程度は理解してて、普通のパパニアンでは理解できないことを理解してる可能性も高いとはいえ、新はあくまでパパニアンだ。
彼がそう決めたのなら後は全力でフォローするしかない。
それにな、ここじゃいつ命を落とすかも分からないわけで、そういう形で相手を亡くすことだって十分にある。そんな事態も想定すれば、な。
翌日は、出掛ける予定もなかったので、そのまま、ドローンやドーベルマンMPMが送ってくる様々なデータのチェックをしてた。その中に、ドーベルマンMPM四十二号機から送られてきたデータがあったんだが、蛮に襲われた時のものだった。
もっとも、四十二号機は完全に蛮の攻撃を凌ぎ切ってみせていて、改めて普通の生き物相手なら十分に最強格だってことが確認できた。むしろ、エレクシア達がオーバースペック過ぎなんだよ。
でもまあ、そのエレクシアでさえ、牙斬には左前腕を破壊されたわけだから、今後さらに強力なのが出てきたらもう<最強>ではなくなってしまう可能性は高い。
が、現状では、複数のドライツェンを従えた<部隊>として運用すれば、まだ何とかなるだろうとは思われてる。牙斬相手でも、エレクシアとハートマンとグレイのチームで何とかなったしな。
考えてみれば、人間だって個々の戦闘力なんて雑魚もいいところだが、部隊を作って戦術でもって強大な敵に立ち向かうってことはしてるわけで、そういう形でならいけるか。
ドーベルマンMPMも、単体では人間より圧倒的に強い。四十号機が晴と互角だったし、四十二号機も蛮と互角だった。さらに戦術を磨けば何とかなるんじゃないか? 久利生もそれを考えてくれてる。
牙斬の時にはデータが少なすぎた。嶽や夷嶽のデータでは<対牙斬用の戦術>を練るには条件が違いすぎたんだ。
そんなわけで、今後は一層、そっち方面の研究も必要になってくる。ただ、実際にはそうスムーズでもなかったけどな。
と、その前に、蛮が四十二号機を襲った際に、攻撃を完全に凌がれたんだが、蛮は自分の限界を超えて動いてしまってな。危うく死に掛けたらしい。
ただ、それはあくまで<人間そっくりの部分>の話で、ヒト蜘蛛としての本体の方は無事だったから、そちらが支えてくれて回復できたそうだ。
ルコアの腰から下が非常時の際の血液タンクの役目をしてるのと同じようなものかもしれない。
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