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第三世代
新編 自分の縄張り
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新暦〇〇三四年二月二日
そんな風に誉の群れにも動きが見られ、確実に世界は移ろっていく。老化抑制処置を受けている俺自身はまだ自分が歳を取っている実感はほとんどないんだがな。
それほど先でもない未来に、子供達との<別れ>が迫っているんだ。
密や刃や伏や鷹の時とはまた違うかもしれないにしても、決して愉快なことじゃないのは間違いない。
すると今度は、明のところでも動きが。と言うか、変化が。
晴が完全に巣立ったようなんだ。結構な時間、明と角の巣の近くに自分の巣を構えていた晴だったが、完全に明と角の縄張りから離れたところに新たな巣を見付けたようだ。
そこは、俺達の集落を回り込むように移動した場所だった。明の弟で晴にとっては叔父にあたる丈の縄張りとは正反対になる感じか。この辺りも、ドーベルマンDK-aによる哨戒を行っている範囲で、その所為もあってか他のマンティアンが近付かない空白地帯だった。そこに滑り込む形で縄張りを確保したわけだ。
環の子や、メイフェアや、イレーネとの戦いから、約一年。晴も立派に成長した。体はまだ少し小さいかもしれないが、もう十分、一人前のマンティアンとしての力も付けている。実は、他の若いマンティアンとも戦って、追い払ったりもしたんだ。今度は、父親である角に助けられることなく。
となればそれこそ、巣立たない方がおかしいよな。
幸い、今の縄張りは、パパニアンである誉達の縄張りとは離れているから襲うようなことはないだろう。
鋭と違って普通のマンティアンとしての感性を持って育った晴は、母親の明や叔父の丈、兄の鋭と違って、パパニアンも狙う。だから、縄張りが離れてくれたのはありがたい。
まあ、誉達の縄張りは元々、明や角、そして丈と彼のパートナーである游の縄張りと重なっているから、晴の入り込む余地はなかったけどな。
晴も、空白地帯に楽々収まれたのならよかっただろう。
ただ、彼の認識では、俺達の集落も<自分の縄張り>のうちかもしれない。つまり、晴が俺達を襲う可能性は、否定できない。
もっとも、そのためにドーベルマンDK-aを配しているわけで、その上に、エレクシアとイレーネがいるここを狙うような愚かな真似はしない。と思う。特にイレーネにはしっかりと力の差を思い知らされているしな。
だから、その点では何も心配していない。ただ心配があるとすれば、深や鋭が狩りに出た時に、晴と鉢合わせてしまう可能性だ。これについては、確実に守ってもらうため、ドーベルマンMPMを二機こちらにも派遣してもらって、それぞれ、深と鋭の護衛についてもらう。
あとついでなので、ヒト蜘蛛の<蛮>にも監視役としてドーベルマンMPMをつけることにした。
そんな風に誉の群れにも動きが見られ、確実に世界は移ろっていく。老化抑制処置を受けている俺自身はまだ自分が歳を取っている実感はほとんどないんだがな。
それほど先でもない未来に、子供達との<別れ>が迫っているんだ。
密や刃や伏や鷹の時とはまた違うかもしれないにしても、決して愉快なことじゃないのは間違いない。
すると今度は、明のところでも動きが。と言うか、変化が。
晴が完全に巣立ったようなんだ。結構な時間、明と角の巣の近くに自分の巣を構えていた晴だったが、完全に明と角の縄張りから離れたところに新たな巣を見付けたようだ。
そこは、俺達の集落を回り込むように移動した場所だった。明の弟で晴にとっては叔父にあたる丈の縄張りとは正反対になる感じか。この辺りも、ドーベルマンDK-aによる哨戒を行っている範囲で、その所為もあってか他のマンティアンが近付かない空白地帯だった。そこに滑り込む形で縄張りを確保したわけだ。
環の子や、メイフェアや、イレーネとの戦いから、約一年。晴も立派に成長した。体はまだ少し小さいかもしれないが、もう十分、一人前のマンティアンとしての力も付けている。実は、他の若いマンティアンとも戦って、追い払ったりもしたんだ。今度は、父親である角に助けられることなく。
となればそれこそ、巣立たない方がおかしいよな。
幸い、今の縄張りは、パパニアンである誉達の縄張りとは離れているから襲うようなことはないだろう。
鋭と違って普通のマンティアンとしての感性を持って育った晴は、母親の明や叔父の丈、兄の鋭と違って、パパニアンも狙う。だから、縄張りが離れてくれたのはありがたい。
まあ、誉達の縄張りは元々、明や角、そして丈と彼のパートナーである游の縄張りと重なっているから、晴の入り込む余地はなかったけどな。
晴も、空白地帯に楽々収まれたのならよかっただろう。
ただ、彼の認識では、俺達の集落も<自分の縄張り>のうちかもしれない。つまり、晴が俺達を襲う可能性は、否定できない。
もっとも、そのためにドーベルマンDK-aを配しているわけで、その上に、エレクシアとイレーネがいるここを狙うような愚かな真似はしない。と思う。特にイレーネにはしっかりと力の差を思い知らされているしな。
だから、その点では何も心配していない。ただ心配があるとすれば、深や鋭が狩りに出た時に、晴と鉢合わせてしまう可能性だ。これについては、確実に守ってもらうため、ドーベルマンMPMを二機こちらにも派遣してもらって、それぞれ、深と鋭の護衛についてもらう。
あとついでなので、ヒト蜘蛛の<蛮>にも監視役としてドーベルマンMPMをつけることにした。
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