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第三世代
ビアンカ編 嫌われ者
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しかし、この素戔嗚のようにやけに諦め悪く身の程をわきまえないタイプというのも、一定の割合でいるみたいだな。俺の知る限りでも、轟や昴や、明の息子の晴、翔の息子の凌もこの感じだったか。未来も、牙斬に向かっていくあたり、その傾向はあるかもしれない。
まあ、よく生き延びたものだなと思う。と言うか、助け舟を出してなけりゃとっくに死んでてもおかしくないか。
素戔嗚も挑んだ相手がドーベルマンMPMじゃなかったら、もう殺されてる可能性がある。つくづく、<強さ>なんてものは相対的な話でしかないから、やっぱり、慎重で臆病な方が実は生き延びやすいんだろうなって感じるよ。
なんて俺の印象なんかお構いなしで、素戔嗚はさらに襲い掛かってくる。
それを、ドーベルマンMPMが投げ飛ばしたりビンタをくらわせて迎え撃つ。その様子を見てるだけでも力の差は歴然としてて、勝ち目なんかないと分かるのに、当の素戔嗚は諦めようとしない。
だから、手加減はしつつも本人が納得するまで相手をすることにした。
人間なら面倒臭くなってつい苛立ってしまいそうなそれも、ロボットであるドーベルマンMPMなら延々と淡々と相手することができる。
群れでの様子を見てても、このしつこさに付き合ってくれる成体はいないからな。他の幼体達も、成体にじゃれついたりするもののここまでしつこくはない。早々に力の差を思い知って諦める。そしてしばらくするとまた挑みかかる感じだ。それによって自身の成長を実感していくんだろう。
『前回は瞬間的に退けられたけど、今回は前より少し粘れた』
という感じで。
なのに素戔嗚の場合は、とにかく諦めが悪いんだ。こういう物わかりの悪い奴は、人間(地球人)の場合だと<悪童>などと呼ばれて疎まれる傾向にあるな。
その<諦めの悪さ><しつこさ><執念深さ><無鉄砲さ>と上手く付き合ってくれる相手に出逢えれば大成する場合もあるだろうが、大抵はただの<嫌われ者>として疎外される。
そういう意味でも、<出逢い>によって生き方も変わってしまう気はするよ。
さて、ドーベルマンMPMに出逢ったことは、素戔嗚にとって<吉>となるか、<凶>となるか。
などということを素戔嗚自身は考えてもいないだろうが、何度吹っ飛ばされても転がされても、彼は諦める様子がなかった。なかったが、さすがに電力さえ途切れなければスタミナ切れなど起こさないロボットと違って、生き物には限界がある。
十分以上全力で挑み続けた素戔嗚の動きは明らかに悪くなり、なのに本人に諦める様子もなく、突然、電池でも切れたかのように地面に倒れ伏したのだった。
まあ、よく生き延びたものだなと思う。と言うか、助け舟を出してなけりゃとっくに死んでてもおかしくないか。
素戔嗚も挑んだ相手がドーベルマンMPMじゃなかったら、もう殺されてる可能性がある。つくづく、<強さ>なんてものは相対的な話でしかないから、やっぱり、慎重で臆病な方が実は生き延びやすいんだろうなって感じるよ。
なんて俺の印象なんかお構いなしで、素戔嗚はさらに襲い掛かってくる。
それを、ドーベルマンMPMが投げ飛ばしたりビンタをくらわせて迎え撃つ。その様子を見てるだけでも力の差は歴然としてて、勝ち目なんかないと分かるのに、当の素戔嗚は諦めようとしない。
だから、手加減はしつつも本人が納得するまで相手をすることにした。
人間なら面倒臭くなってつい苛立ってしまいそうなそれも、ロボットであるドーベルマンMPMなら延々と淡々と相手することができる。
群れでの様子を見てても、このしつこさに付き合ってくれる成体はいないからな。他の幼体達も、成体にじゃれついたりするもののここまでしつこくはない。早々に力の差を思い知って諦める。そしてしばらくするとまた挑みかかる感じだ。それによって自身の成長を実感していくんだろう。
『前回は瞬間的に退けられたけど、今回は前より少し粘れた』
という感じで。
なのに素戔嗚の場合は、とにかく諦めが悪いんだ。こういう物わかりの悪い奴は、人間(地球人)の場合だと<悪童>などと呼ばれて疎まれる傾向にあるな。
その<諦めの悪さ><しつこさ><執念深さ><無鉄砲さ>と上手く付き合ってくれる相手に出逢えれば大成する場合もあるだろうが、大抵はただの<嫌われ者>として疎外される。
そういう意味でも、<出逢い>によって生き方も変わってしまう気はするよ。
さて、ドーベルマンMPMに出逢ったことは、素戔嗚にとって<吉>となるか、<凶>となるか。
などということを素戔嗚自身は考えてもいないだろうが、何度吹っ飛ばされても転がされても、彼は諦める様子がなかった。なかったが、さすがに電力さえ途切れなければスタミナ切れなど起こさないロボットと違って、生き物には限界がある。
十分以上全力で挑み続けた素戔嗚の動きは明らかに悪くなり、なのに本人に諦める様子もなく、突然、電池でも切れたかのように地面に倒れ伏したのだった。
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