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第三世代

ビアンカ編 学習の機会

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しかも、学校に<イジメ>が蔓延していてもロクに対処もできないような学校も多かったと聞く。

おいおい、<人間関係>なんてまったく学べてないじゃないか。

<人間関係の築き方>

っていうのは、

『イジメなんてものに頼らずとも他者との関係を構築できる』

ようにするために学ぶものだろう? 

『ストレスの捌け口の作り方を学ぶ』

ためにあるわけじゃないはずだ。そんなことをしてて社会の安寧が保てるか。ストレスの押し付け合いの挙句、社会そのものに<鬱屈した気分>を醸成させ、犯罪の芽を育ててるだけじゃないか。

その事実に目を瞑り、

『学校は、人間関係についても学ぶ場だ!』

なんてのは、学校ってのものに<特別な価値>があるように見せかけるためにでっち上げられた典型的な<詭弁>の類だよな。<人間関係についても学ぶ場>と称したいのであれば、教師自身がまともな人間関係を築けるようになってからにしろって話だ。

まともな人間関係を築けるのなら、生徒の保護者とも良好な関係を築けるはずだろう? だったら、<モンスターペアレンツ>なんてのも生まれないんじゃないのか? まともな関係を築けてないじゃないか。教師自身が。

そして、モンスターペアレンツなんてものが生まれるということは、その保護者も、学校に通っている間に<まともな人間関係の築き方>を学んでいない。という何よりの証拠じゃないか。

『学校は、人間関係についても学ぶ場だ!』などと口にしながらその体たらく。

『イジメがあることが当たり前』などという思い込みが社会に生まれてしまってる時点で、まったく機能していないとしか思えない。

確かに、野生の動物の間にも<イジメ>はある。しかしそれは、

『それ以外に、群れの中に生じたストレスを解消するための体制も仕組みもリソースもない』

という事情があってのことだ。

『人間(地球人)は人間以外の動物とは違う存在だ』

などと大言壮語を吐くのなら、『人間以外の動物と同じ』じゃダメだろう?

<学習の機会>っていうのは、なにも、<学校に通わなければ得られないもの>というわけじゃない。

<義務教育>という概念ができた頃には、親世代がそもそも十分な教育を受けていなかったから、自力で子供に教育を施すことができずに、それを<学校>という機関で肩代わりするために生まれたものじゃないのか? なにしろ、親に任せておくと労働力として消費されてしまうことも多かったらしいし。

だとすれば、きちんと教育を与えられる手段があれば、別に学校に頼る必要もないじゃないか。

なので、アリスやドライツェンらが存在して、各家庭でも十分な教育を施せれば、惑星朋群ほうむには、<学校>というものが生まれない可能性もあるな。

何しろロボットだから、学習の内容や質を揃えるのも容易だし。

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