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第三世代

ビアンカ編 家族の姿

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朝の体操(と言うか、完全に軍隊式の訓練だったが)を終えた久利生くりう未来みらいがテーブルに着き、家族揃っての朝食が始まった。

なお、久利生くりうの朝食は、普通の人間(地球人)のそれなものの、あかりは彼の倍、ルコアもあかりと同じ程度、ビアンカはさらにあかりやルコアの倍の量である。

こればっかりは、肉体が必要とするカロリーを基にしたものだから、これがビクキアテグ村での<普通>なんだ。

で、未来みらいの場合は、量そのものは久利生くりうよりも少し多い程度だが、<食べ応え>を配慮してベーコンがとにかく分厚い。恐ろしく分厚い。未来みらい自身の前腕並みの分厚さがある。それを、フォークでぶっ刺して、ぞぶりと躊躇なく食らい付き、易々と噛みちぎるんだ。

彼の本質が<肉食の猛獣>だってことを実感する光景だな。

ちなみに、モニカやテレジアのカメラやマイクを通じて、俺達もこっちの集落で一緒に朝食にする。

一応、<別の家族>ではあるものの、同時に日常的に交流のある親戚みたいなものだからな。嫌ってわけでもないんなら、こうやって頻繁に顔を合わすのも悪くない気がする。

お互いの元気な姿が確認できるとホッとするんだ。

ただし、こちらの朝食のメニューは、フルーツと<鶏のささみ>のように加工した<トカゲ(に似た小動物)の肉>を乗せたサラダだが。

向こうに比べると、あ~まあ、何と言うか『ヘルシー』ではある。がっつりと肉食なしんえいは、自分で餌を獲りに行くので、基本的に俺達と一緒には食事をしない。

あちらで唯一、ほぼ完全な人間(地球人)と変わらない久利生くりうでも、今も軍人としての身体を維持するために毎日の訓練は欠かさず、ゆえに、ハイカロリーな食事を必要としているんだ。

そのストイックさも含めて、まったくもってたいしたものだよ。

一方で、ルコアの様子もしっかりと伺う。

いくら腰から下の部分を血液タンクのように使い生き延びたと言っても、かなりの量の血液を失った彼女は本能的にそれを取り戻そうとしてか、あれ以降、結構な食欲を見せるようになった。

元々、身体が大きい分、食べる量もそれなりに多かったものの、さらにたくさん食べるようになったということだ。それも、肉を好んで食べる。

彼女の身体機能的にはやはり、かなり肉食寄りのそれだということは分かっているから、もしかするとこれでもまだ遠慮しているのかもしれない。

だが、あかりに話し掛けられて笑顔を見せつつもりもりとベーコンを頬張る姿からは生命力が見て取れて、俺の表情も緩んでしまう。

そんなルコアを囲み、ビアンカが<母親>、久利生くりうが<父親>、あかりが<姉>、未来みらいが<弟>という<家族の姿>がそこにあったのだった。

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