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第三世代

モニカとハートマン編 決断

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正直、ビアンカこそが実質的な<最終防衛ライン>だった。彼女を突破されると、後は、ビクキアテグ村そのもので戦うのと大差ない。

「エレクシア、後どれくらいかかる?」

俺の問い掛けに、

「まだ三十分は掛かります」

とのことだった。牙斬がざんの侵攻が速すぎる。

久利生くりう……!」

思わず呼んでしまったが、彼も、<足りない情報><少ない戦力>で、できうる限りのことはしてくれている。俺だってそれくらい分かる。

そして、牙斬がざんが、自分か未来みらいを狙っているであろうことを彼が承知しているのも。

自分が狙われているだけなら、彼は、自らを囮にすることさえ厭わなかっただろう。しかし、狙われているのが未来みらいかもしれないとなれば、迂闊なことはできない。何より、彼は<指揮官>だ。指揮官が安易に自らの命を捨てるようなマネをしていちゃ話にならない。

せめて、もっと十分な情報があれば……

などと、嘆いていても問題は解決しないか……

それに、久利生くりうはすでに村作りの中で、こういう事態に備えていたんだ。使わずに済めばそれに越したことはなくても、備えを怠ることは彼はしない。

さらに周囲のダミーの集落などから呼び寄せたドーベルマンMPMを配置し、自身も、ビアンカが手にしていたのと同じショットガンを携えて、牙斬がざんが向かってくる方向を見渡せる場所に立つ。

こちらも同じショットガンを装備したテレジアを従えて。

そんな彼を、未来みらいを抱いたきたるがじっと見詰めているのを、テレジアのカメラが捉えていた。

さらには、母親であるきたるに抱かれた未来みらいも、何かを察したのか、とても赤ん坊のそれとは思えない目力を秘めた視線を、父親である久利生くりうに向けている。彼が戦いに赴こうとしているのを感じ取ったんだろうか……?

その時、ゴーグルをつけた久利生くりうの視線の先で、カアッと太陽のような強い光が。それに数秒遅れて、

ゴオゴゴゴゴゴゴゴオオーンンッッッ!!

という、雷鳴のような地響きのような音が、タブレット越しに俺のところにも届いた。さらに、見る見るキノコ雲のような煙が立ち上る。

<サーモバリック爆弾>

だ。

エレクシアが到着する前に実質的な最終防衛ラインであるビアンカが突破されれば使うことを決断していたんだ。たとえ今回は牙斬がざんを死なせることになっても、この経験を基に、次の<怪物>には確実に対処することを誓って。

もちろん、ビアンカやハートマンやグレイもこれを承知しているから、巻き込まれないようにはしている。

が、直径数百メートルの広範囲を千度を超える爆炎で焼き焦がすそれに包まれれば、牙斬がざんがどれほどの怪物であっても耐えられないだろう。

……耐えられないはずなんだ……

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