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第三世代

モニカとハートマン編 里帰り

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新暦〇〇三四年一月十二日



さらに一ヶ月が過ぎ、取り敢えずここまでの様子でいろいろ安心できたのか、きたるは、未来みらいがルコアに近付くことも許してくれたようだ。

まあ、<仲間>である久利生くりうもビアンカもあかりもルコアのことを完全に受け入れてるのも感じただろうし、成り行きとしては当然か。

俺達としても一安心だ。これからもまだまだ手間はかかるとしても、着実に段階は進んでると思う。

と、あかりが、

「ルコアも加わったことだし、これからますます忙しくなると思う。だから、そうほいほい里帰りもできなくなりそうだから、今のうちに顔出しに行くよ」

そんなことを言い出した。

これまでは暇を見付けては予告なく突然帰ってきてたのに、未来みらいが生まれルコアが加わり、多少は年長者としての自覚が出てきたのかなと思ったが、

「ほら、ルコアに黙ってじゃ可哀想じゃん」

とのことだった。やれやれ……それでも、ルコアに気遣えるだけでも良しとするか。

「んじゃまあ、行ってくらぁ!」

あかりがそう声を上げると、ルコアが、

「気を付けてください」

と見送ってくれる。

「おう! 合点承知! 愛してるぜ、ルコア!」

相変わらず底抜けに明るい軽さでルコアに投げキッスを送ると、ルコアの顔が真っ赤になったように見えた。と言っても、何度も言うように元が透明だから、実際には顔色は変わらない。ただ、表情からそんな風に見えるだけだ。でも、彼女自身、悪い気はしてないのが伝わってくる。

そんなルコアが見守る中、いつものように見事な離陸を決めたあかりの<ミレニアムファルコン号>が、すうっと空高く舞い上がっていった。

「まったく。あかりったら……」

ルコアの横に立ったビアンカが苦笑いを浮かべて空を見上げる。でも、なんだか嬉しそうでもある。今はもう自分の娘のようなルコアをあかりが大切に思ってくれてるのが実感できるからだろう。

それらの様子を、俺も、モニカのカメラを通して見届ける。

ああ、いいな。すごくいい。見ている俺の気持ちまでホッとする。

だが、ホッとしてばかりはいられない。と言うのも、新たに現れた<白いルプシアン>の動向も気になるからだ。映像ではあるがあかりもそれを見た瞬間、

「たぶん、こいつ強い。油断できない相手だよ……」

とか言ったからな。その身のこなしを見ただけで、<野生の勘>に触れるものがあったのかもしれない。

だから俺も久利生くりうも、

あかりがそう言うのなら」

ってことで注視してるんだ。

とは言え、最初に発見してから二ヶ月以上経っても特に目立った動きはなく、距離はまだ十キロ以上離れてるから、注視するだけで具体的な対処は行ってない。

実はあかりが里帰りすることにしたのは、今のうちにしておかないと、しばらくこいつへの対応に追われることになるかもしれないと思ってのこともあったようだ。

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