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第三世代
モニカとハートマン編 新しい能力
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『ドーベルマンMPM三十三号機が機能停止した原因と思しき映像が捉えられています』
エレクシアがそう告げながらタブレットに加工された映像が映し出される。
「うん……?」
しかし俺にはすぐにその映像の意味が分からなかった。単に夷嶽がカメラの方に頭を向けているのが分かっただけだ。
が、
「銃…か……?」
久利生がそんなことを口にした。
「はい……?」
それでも俺にはピンと来ない。<銃>? そんなものがどこに…?
と、超スローで再生される映像を何度も見返した俺にも、ようやくその意味が掴めた。映像の中に、白い何かがカメラに向かって飛んできてるのが認識できたんだ。
まるで<弾丸>のように迫るそれが。
「…って、銃? え? 夷嶽が銃を使ったと言うのか!?」
意味は分かっても、納得はできなかった。恐竜に良く似た鵺竜の一種がベースになっているであろう夷嶽が銃を使ったって?
いや待て、おかしいだろう!?
有り得ない。有り得ないが、久利生はあくまで冷静だった。
「我々が知る<銃>とは違うかもしれないが、それに近い、銃に近い機能と威力を有した<何か>なのは間違いないと思う」
「マジか……」
俺も、映像とドーベルマンMPM三十三号機が突然機能停止した事実を受け止めるならその可能性が高いと認めるしかなかった。
撃破するごとに新しい能力が付与されて強力になっていくと予測はしてたが、まさか<銃(らしきもの)>まで使うとか、無茶苦茶だ。
が、混乱する俺にシモーヌが言う。
「確かに、自身の体液などを高速で噴射し、威嚇に使う生き物はいる。これもそういうものの一種かもしれない」
と告げられて、ようやく俺も、
「そういうことか……」
腑に落ちた。そこに、さらにシモーヌが、
「毒を飛ばす蛇なんかもいるくらいだしね」
とも。
今回の夷嶽については<毒>などではなく明らかに何らかの個体を高速で飛ばしてるようだ。
エレクシアが補足する。
「映像から推測される飛翔体の速度は、秒速約三百メートル。拳銃の弾丸に比べれば速度は半分以下ですし音速にも到達していませんが、十分な重量と強度を持つ物体であれば、ドーベルマンMPMの制御系に損傷を与えられます」
その説明に、俺も改めて、
「油断ならない相手だってことだな……」
唸ってしまった。その上で、
「まさか、電磁加速質量砲を使ったからか…?」
という俺の呟きには、
「因果関係については現時点では推測さえ難しいですが、嶽の能力に加え、<狩猟用空気銃>を超える威力をもつ攻撃手段を有していることは事実でしょう。決して侮ることはできない脅威です」
淡々と応えてくれたのだった。
エレクシアがそう告げながらタブレットに加工された映像が映し出される。
「うん……?」
しかし俺にはすぐにその映像の意味が分からなかった。単に夷嶽がカメラの方に頭を向けているのが分かっただけだ。
が、
「銃…か……?」
久利生がそんなことを口にした。
「はい……?」
それでも俺にはピンと来ない。<銃>? そんなものがどこに…?
と、超スローで再生される映像を何度も見返した俺にも、ようやくその意味が掴めた。映像の中に、白い何かがカメラに向かって飛んできてるのが認識できたんだ。
まるで<弾丸>のように迫るそれが。
「…って、銃? え? 夷嶽が銃を使ったと言うのか!?」
意味は分かっても、納得はできなかった。恐竜に良く似た鵺竜の一種がベースになっているであろう夷嶽が銃を使ったって?
いや待て、おかしいだろう!?
有り得ない。有り得ないが、久利生はあくまで冷静だった。
「我々が知る<銃>とは違うかもしれないが、それに近い、銃に近い機能と威力を有した<何か>なのは間違いないと思う」
「マジか……」
俺も、映像とドーベルマンMPM三十三号機が突然機能停止した事実を受け止めるならその可能性が高いと認めるしかなかった。
撃破するごとに新しい能力が付与されて強力になっていくと予測はしてたが、まさか<銃(らしきもの)>まで使うとか、無茶苦茶だ。
が、混乱する俺にシモーヌが言う。
「確かに、自身の体液などを高速で噴射し、威嚇に使う生き物はいる。これもそういうものの一種かもしれない」
と告げられて、ようやく俺も、
「そういうことか……」
腑に落ちた。そこに、さらにシモーヌが、
「毒を飛ばす蛇なんかもいるくらいだしね」
とも。
今回の夷嶽については<毒>などではなく明らかに何らかの個体を高速で飛ばしてるようだ。
エレクシアが補足する。
「映像から推測される飛翔体の速度は、秒速約三百メートル。拳銃の弾丸に比べれば速度は半分以下ですし音速にも到達していませんが、十分な重量と強度を持つ物体であれば、ドーベルマンMPMの制御系に損傷を与えられます」
その説明に、俺も改めて、
「油断ならない相手だってことだな……」
唸ってしまった。その上で、
「まさか、電磁加速質量砲を使ったからか…?」
という俺の呟きには、
「因果関係については現時点では推測さえ難しいですが、嶽の能力に加え、<狩猟用空気銃>を超える威力をもつ攻撃手段を有していることは事実でしょう。決して侮ることはできない脅威です」
淡々と応えてくれたのだった。
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