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第三世代

メイガス編 理解できない感覚

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池に浮いて体を休めたメイガスが目を覚ますと、まず、池の魚を捕えてバリバリと貪り始めた。

それを見ながら、俺は、

「調理までじゃないが、血抜きした生肉と、干し肉を試してみるか?」

と尋ねてみた。すると彼女も、

「そうだな。ちょっと試してみよう」

応えてくれたので、セシリアに、血抜きしただけで食材用に保存してあった生の猪竜シシ肉と、保存用の干し肉を持ってきてもらった。

メイガスはまず生肉を受け取ると、ぐあっと大きく口を開けて、豪快に喰らい付く。

バリバリと引きちぎりガシガシと噛み、そして飲み込む。その時の様子が、ローストした肉を食べた時と明らかに違っていた。

「うん! これはいい。これならイケる! でもまあ、生きた獲物にそのまま喰らい付くのに比べると、なんて言うか、『食べてる』っていう実感という意味で物足りない気はするかな」

とのことだった。

血抜きした生肉はきたるも普段の食事として食べているが、もしかしたら彼女も今のメイガスと同じように感じていたのかもしれないな。

人間(地球人)には残酷に思えても、彼女達からすれば食事は<生きることそのもの>だろう。そういう意味で<血抜きされた肉>というのは少々味気ないということかもな。

続いて干し肉を口に含むと、

「ああ、うん。この感じか。食べられなくはないけど、ま、<おやつ>だな」

「なるほど」

これはこれで興味深い情報だ。ひょっとしたら、今後、同じような事例があった時に役に立つかもしれない。

こういう些細な情報についても、エレクシアやセシリアは蓄えていってくれる。それがすごくありがたい。

そして、他に食べるものがなければ干し肉でも食べるものの、やはり今は、出産直後だからか体が<血>を欲しているらしく、次々と魚を捕えては貪っていった。

ちなみに、ラケシスを生んだ時、<後産>で出てきた胎盤とかも、彼女はしっかりと食べてしまったそうだ。人間(地球人)にはいささかグロテスクにも見えるそれも、クロコディアとしての彼女には、

『美味そう』

に見えたんだとか。

これについても、俺達には理解できない感覚だが、だからといって<忌まわしいもの>と捉えるのも違うと俺は思う。自分に理解できないからとただ嫌悪し排除しようとするだけじゃ、必要のない諍いを生むだけだ。

<個人の生理的嫌悪感が原因の殺し合い>

とか、本当に必要なものだと思うか? 生理的嫌悪感を覚えてる当人にとってはそれだけのものだとしても、そこまででもない人間からしたらそんなくだらないトラブルに巻き込まれるとか、傍迷惑以外の何ものでもないぞ。

とは言え、生理的嫌悪感というのは実はなかなか無視できないものでもあるから、やはり<住み分け>というのが重要になるだろうな。

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