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第三世代

メイガス編 ラケシス

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<ラケシス>

シモーヌが言うには、運命を司る女神の一柱で、

クロトが、運命の糸を紡ぎ、

ラケシスが、運命の糸の長さを計り、

そして、アトロポスが、運命の糸を切って決定付けるんだそうだ。

もっとも、メイガス自身はその辺りの話はそれほど気にしてなくて、先に生んだ子が<クロト>だったからそれにちなんで<ラケシス>としただけらしい。

ちなみに、その三女神自体は、アトロポスが長姉、ラケシスが次姉、クロトが妹であるという認識が一般的らしいが、元々は一柱だった女神が三柱に分けられたそうなので、まあ、創作における設定が辻褄合わせのために変更されるようなものらしいので、あまり気にしても意味がないとのこと。

なのでそれは脇に置いて、ラケシスに初乳を与えたメイガスは、治療カプセルに入り、体を癒した。

もっとも、母子共に健康だったけどな。

ただ、<ラケシス>と名付けられた赤ん坊は、実は、<雄>だったんだよな。

とは言えこれも、メイガス自身、分かっていて敢えてそう名付けたそうだが。

「ま、この世界の神様じゃないしね。気にするのもいないでしょ?」

とのことで。

なるほど、確かにそのとおりだ。

正直、ここじゃ、地球由来の伝承とかは、本当にどうでもいい。俺達が意図して伝えていかない限りは間違いなく失伝するだろう。気にするだけ無駄か。

そんなわけで、メイガスの子は、<ラケシス>に正式に決まることになるんだが、それはまた後の話だな。



それよりも今は、

「本当に驚かされたな……」

光莉ひかり号のメディカルルームで、俺とシモーヌ、さらにタブレットでビアンカと久利生くりうも参加して、顔を見合わせていた。

「確かに、可能性だけなら有り得ないわけじゃないのは分かってるつもりだったけど、正直、有意な数値になるとは考えていなかったから、頭から外してたっていうのはある……」

と、シモーヌ。

「僕も、シモーヌや僕、もしくはビアンカのような事例を想定していたよ」

久利生くりうも、少し困ったような複雑な表情だった。

「なんと言うか、ホント、なんでもありですね……」

ビアンカは、<パトロール>と称してコーネリアス号の外に出た状態で、参加してる。

だけどいずれにせよ、メイガスのことは、ありのままを受け入れようということで、俺達の認識は一致していた。

何度も言うように、ここは人間(地球人)の世界じゃない。ここにはここの生態系があり、どんな形であろうとここに生まれたものはここの住人なんだ。それを、地球人よそものの感覚で是非を決めていいわけがない。

だから、もし、このままメイガスが俺達と合流するならそれもよし。クロコディアの世界へと戻っていくならそれもよし。と、意見を取りまとめたのだった。

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