未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第三世代

メイガス編 複雑な状況

まあ、＜クロコディアとして生まれたメイガス＞については、シモーヌやビアンカや久利生くりうと同じように、彼女自身を受け入れるだけだ。

メイガス自身も、今の自分を受け入れてるからこそクロコディアとしての生を生きてるんだろうしな。

ただ、やはりルコアとのことが、細心の注意を要する部分になってくるだろう。

自分の子を＜クロト＞だと認識している時点で、このメイガスはルコアの存在についてはまったく認識していないわけで、まずは彼女にルコアのことを説明するところから始めるべきか。

名前は違っても、＜ディルア・ルバーンとの子＞を生した事実はあるんだから、その子のことは、この場では母親である彼女が一番理解している可能性が高い。となれば、メイガスの意見が、一番、参考になると思う。自分の子がどういう性格で現在の状況をどう受け止めているのかを予測できる素地を一番持っているのも母親である彼女だろうし。

問題は、

『＜ルコア＞と＜クロト＞がどれほど違っているのか？』

という点だな。性格から何からまったく違ってたとすれば、参考にならない可能性もあるわけで。

なんてことを俺達が考えていることを察したわけじゃないだろうが、

『クロトの名前はあんたが考えてくれたんじゃないか』

という自分の言葉に対するシモーヌの反応から、メイガスも何かを感じ取ってしまったようだ。さすがは、作成探査チームに選抜されるような人間だということか。

当然、洞察力も高い。

「ひょっとしたら、私がこの体になっただけじゃなくて、状況はもっと複雑だということか……？」

メイガスが探りを入れるようにして問い掛けてくる。

だからここは、

「もう変に隠し立てしても仕方ないな」

一旦、音声をミュートしてシモーヌに判断を仰ぐと、

「そうね」

と同意してくれた。黙って参加していた久利生くりうも無言で頷き、イヤホンで音声だけを聞いていたビアンカも、タブレットを使って、やはり無言で頷く。

少なくとも俺よりは＜メイガス・ドルセントという人物＞を知るシモーヌ達の判断に従い、

「ああ……本当は実際に顔を合せながら詳しい話をしたかったんだが、取り敢えず、概要だけでも伝えておこうと思う。

たぶん、あなたが思っている以上に荒唐無稽な話だ。にわかには信じられないだろうが、俺達が把握できている範囲の事実を、伝えることにする。

まず、現在は、細かいズレは計算しきれないから省くが、銀河暦で言うと三二八〇年前後だと思われる。つまり、あなたがコーネリアス号でこの惑星に不時着してからは、二千二百年以上の時間が経っているんだ」

「！？」

シモーヌやビアンカの時にも見た反応が、メイガスからも返ってきたのだった。