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第三世代
晴編 冷酷なハンター
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晴は、明と角の第二子で、鋭の弟である。
と言っても、歳は親子ほど離れてるが。
明と角の夫婦仲そのものは良好なものの、マンティアンは生物としてあまりに強すぎるからか、やや子供ができにくい傾向にあるようだ。次々ポンポンと生まれると、ほぼ天敵と呼べるものがいないくらい強すぎるせいで数が増えすぎてしまうからかもしれない。
しかも、マンティアンの中でも例外的とはいえ、龍然のような規格外な個体も生まれたりするくらいだから、今くらいで丁度いいんだろう。
晴は、兄である鋭と違って、<角>もなく、外見上もごく平凡、と言うか平均的なマンティアンだった。性格もおとなしめだった鋭や、明の弟で叔父に当たる丈に比べても間違いなく父親の角寄りで、冷酷な<ハンター>としての片鱗をすでに見せ始めている。
その所為か、まだ体が十分大きくないこともあって本気で挑みかかるわけではないものの、パパニアンを狙おうとする様子も見えた。
だから、実は、誉達や環達にとっても危険な存在になる可能性が高い。
環達はまあレオンやパルディアの血を引いてることで、勝てないまでもそう簡単にはやられないだろうが、パパニアンは、成体でも若いマンティアンに狩られてしまうことがある。
俺としては子や孫同士で殺し合うことは避けてほしいと思いつつ、もうすでにそれが通らないくらいの段階に来ていることは分かっていた。
だから、万が一の事態についても、覚悟はしている。
覚悟した上で、できれば勘弁してほしいなと思ってるのも正直なところだ。
しかし、そんな俺の想いは、完全に野生として生きている晴には届かない。
新暦〇〇三十二年十月七日。
そして遂に、事は起こってしまった。
環の子の一人が、晴に狙われてしまったんだ。
そこは、明の縄張りの外かつ俺達の<早期警戒網>の外で、ドローンはあくまで異常がないかどうかを数日おきに見回っている程度にしか配されていない。本当にたまたま、映像が捉えられたんだ。
晴の姿が捉えられたことで、光莉号のAIが特に注意して監視していると、間の悪いことに、環の子が。体は晴よりも大きいもののまだ若く、正面切ってぶつかり合えば、晴の方が強い可能性が高い相手だった。晴もそれが分かっているのだろう。腕試しとばかりに挑みかかったのかもしれない。
「ぎゃっ!?」
不意の襲撃ではあったものの、さすがに相手もパルディアとして生きているだけあって、いきなりやられてしまうようなことはなかった。
見事な反応を見せ、晴のカマの一撃を弾いてみせる。
それは、完全に<命のやり取り>だった。
ここで生きていく限り、避けようのない、な。
と言っても、歳は親子ほど離れてるが。
明と角の夫婦仲そのものは良好なものの、マンティアンは生物としてあまりに強すぎるからか、やや子供ができにくい傾向にあるようだ。次々ポンポンと生まれると、ほぼ天敵と呼べるものがいないくらい強すぎるせいで数が増えすぎてしまうからかもしれない。
しかも、マンティアンの中でも例外的とはいえ、龍然のような規格外な個体も生まれたりするくらいだから、今くらいで丁度いいんだろう。
晴は、兄である鋭と違って、<角>もなく、外見上もごく平凡、と言うか平均的なマンティアンだった。性格もおとなしめだった鋭や、明の弟で叔父に当たる丈に比べても間違いなく父親の角寄りで、冷酷な<ハンター>としての片鱗をすでに見せ始めている。
その所為か、まだ体が十分大きくないこともあって本気で挑みかかるわけではないものの、パパニアンを狙おうとする様子も見えた。
だから、実は、誉達や環達にとっても危険な存在になる可能性が高い。
環達はまあレオンやパルディアの血を引いてることで、勝てないまでもそう簡単にはやられないだろうが、パパニアンは、成体でも若いマンティアンに狩られてしまうことがある。
俺としては子や孫同士で殺し合うことは避けてほしいと思いつつ、もうすでにそれが通らないくらいの段階に来ていることは分かっていた。
だから、万が一の事態についても、覚悟はしている。
覚悟した上で、できれば勘弁してほしいなと思ってるのも正直なところだ。
しかし、そんな俺の想いは、完全に野生として生きている晴には届かない。
新暦〇〇三十二年十月七日。
そして遂に、事は起こってしまった。
環の子の一人が、晴に狙われてしまったんだ。
そこは、明の縄張りの外かつ俺達の<早期警戒網>の外で、ドローンはあくまで異常がないかどうかを数日おきに見回っている程度にしか配されていない。本当にたまたま、映像が捉えられたんだ。
晴の姿が捉えられたことで、光莉号のAIが特に注意して監視していると、間の悪いことに、環の子が。体は晴よりも大きいもののまだ若く、正面切ってぶつかり合えば、晴の方が強い可能性が高い相手だった。晴もそれが分かっているのだろう。腕試しとばかりに挑みかかったのかもしれない。
「ぎゃっ!?」
不意の襲撃ではあったものの、さすがに相手もパルディアとして生きているだけあって、いきなりやられてしまうようなことはなかった。
見事な反応を見せ、晴のカマの一撃を弾いてみせる。
それは、完全に<命のやり取り>だった。
ここで生きていく限り、避けようのない、な。
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