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第三世代

アリニドラニ村編 役目

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新暦〇〇三十三年一月二十四日。



ここらで少し、アリニドラニ村について改めて詳細に触れていくことにしよう。

孫達のことも大事ではあるものの、割と、皆、おおむね平穏だから、思ったほど突っ込んだ話になりそうじゃなかったこともあって、先に、な。

で、前にも触れたがアリニドラニ村では<高炉>も完成し、鉄の試作が始まっている。

電気は今のところ十分にあるから<電気炉>でも別に良かったんだが、電気がもし失われた場合に備えてな。

高炉の場合だと空気をガンガン送り込まないといけないわけで、それについてはサーキュレータで代用することもできたところを、敢えて<ふいご>を使って再現することにした。

地球でもかつて<たたら製鉄>という方式で使われていたという足踏み式のふいごを作ったんだ。それをドラニが踏んで高炉に空気を送り込む。

この辺り、ロボットだけあってまったく疲れないから問題なくいけたな。

効率だけで言うならサーキュレータを使うべきなんだろうが、

<電気がなくても鉄が作れる技術の継承>

っていうコンセプトを重視した。

今後も十分な電気が確保できるなら必要ないことだとしてもやっぱりその辺りも考慮には入れたいと思う。

余裕もあるし、ある種の<お遊び>としてもいけるんじゃないかな。

加えて、アリニドラニ村の重要な役目。

ここしばらく現れてないからついつい忘れがちだが、<がく>に次ぐ強敵がもし現れた場合に、そしてそれが人間の気配に引かれるものであった場合に、誘き寄せて敢えて引きつけておくっていう重要な役目がある。

だからなおさら人間の気配をさせておく必要があるんだ。

がくは、ドーベルマンDK-aのじゅう号機と拾壱じゅういち号機をやけに気にしてて、おかげで侵攻を遅らせることができた。それをヒントに<ダミー>としていくつか村を作っておくというアイデアが基になって、アリゼドラゼ村とアリニドラニ村を作ったという経緯もある。

これについても、今なお準備は進めてる。特に今は、あかり達の<ビクキアテグ村>を守るために、周囲半径十キロの範囲にドーベルマンMPMを配し、テントを立ててさらに<畑>も作り、いかにもそこに人間が暮らしているような気配を生じさせることを進めてる。

で、そのどれかが襲われたらさらにフライトユニットを装着したドーベルマンMPMを増援に送り込み、翻弄しつつ釘付けに、って感じだな。

きょうみずちがく

という風に、倒す度に強敵化していく可能性が出てきた以上、いくらこちらに強力な武器があるからといって安易に倒していくのはむしろ自分達の首を絞めることにもなりかねない。幸い、がく以降はこの周囲では現れていないものの、離れた場所に現れている可能性もある。

できる備えは行っていきたいからな。

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