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第三世代

鋭編 いずれまた

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恐らく決して表に出せないであろう<闇>を抱えつつも、俺は、今では決して地球人のことを、

『愚かでどうしようもない存在』

だとは思わないようにしている。

いや、『思えない』と言った方がいいな。

地球人がただ愚かなだけな生き物なら、俺は家族を愛せていないし、妹の光莉ひかりのことも最後まで見捨てないでいられなかったと思う。

前にも言ったと思うが、あの子は、光莉ひかりは、自分が恐ろしい病に冒されていることに気付きながらも、

『殺して』

とも、

『死なせて』

とも、言わなかった。

途中からはもう人間としての意識を無くしてたからというのもあるとしても、あの子は俺に、

<妹殺し>

の業を負わせたくなかったんだろうなっていう気がしてるんだ。

もちろん俺はあの子じゃないからそれがただの俺の妄想に過ぎないかもしれないのは分かってる。ただ、光莉ひかりが『殺して』とも『死なせて』とも言わなかったのも事実だ。

だから、あの子が小さい頃から一緒に暮らして見てきた俺にとっては、そう考えた方が納得できるんだ。

そして俺は今、最後の瞬間まで、どんなに不様でも醜くても諦めることなく生きようと思えてる。

同時に、俺の子供達や孫達がどう生きるかについても、あるがままを受け止めたいと自分に言い聞かせてる。

えいれいについてもそうだ。

地球人と同じ姿を持つれいなら、たぶん、同じ姿の相手を選んだ方が特に問題なく生きられる気がするのも事実。

でも、それはあくまで<地球人の感覚>。きっと<朋群ほうむ人の感覚>とは違う。

同じ地球人でも、あんな病気を患ってさえ生きることを諦めなかった、俺のことを気遣い続けてくれた、俺から見れば気高さすら感じる光莉ひかりの気持ちを、どうしても理解できない者も少なくないに違いない。だとしたら、朋群ほうむ人が地球人とまったく違った感性を持ってても何も不思議はないよ。

幸せになれるかどうかはまた別問題として、えいれいのことはこのまま見守っていこうと思う。



と、なんかまとめに入っちゃったよ。

だって他に触れることないんだよ。

てなわけで、えいのことについては取り敢えずここまでにしておこう。いずれれいが大きくなってくればまたきっと事態も動くだろう。その時に、れいのこととして触れようか。



で、また、あかり達の近況なんだが、そっちも順調そのもので。

久利生くりうも実に有能でなあ。あかりやビアンカをしっかりと受け止めてくれて協力して集落を運営してくれてる。食料の確保も確実に行ってる。

さらにきたる未来みらいのことも確実に守ってくれてるんだ。

最初に襲撃してきたのとはまた別のオオカミ竜オオカミの群れが接近してきてもドーベルマンMPMで早々に対処して、近付かせなかった。

オオカミ竜オオカミの動きを読んで、先手先手で対処するから、戦闘にならない。

まさに、

『戦わずして勝つ』

とはこのことかもしれないな。

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