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第三世代

鋭編 馴れ合わない

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外見上は、人間、と言うか地球人のそれをしつつも、遺伝子的には純粋なマンティアンであるれいにとっては、本能的に同じマンティアンであるえいが気になってしまうのかもしれない。

それが、単に自分の身近にいるマンティアンだからなのか、それともえい自身になにか惹かれるものがあるのかは、俺はれいじゃないから分からない。

ここに人間の社会ができる可能性は高まりつつ、こうして本来の種族の異性に惹かれてしまうこともあるんだろうなというのは感じた。

だがそれも当人達の問題だ。俺は基本的に干渉しない。

ようにしている。

そうは言いつつついついということもあるのも俺という人間ではあるものの、なるべくはな。

で、えいれいのこともただ見守る。

が、感情表現に乏しく<気持ち>というものが分かりにくいマンティアンだけに、れいはただえいのことを見てるだけだし、えいも自分を見詰めてるれいのことをじっと見詰め返したりしてるだけだ。

笑顔を向けたり挨拶したり、何か親しくなろうとしてリアクションしたり、そういうのがほとんど見られない。

また、マンティアンにとっての<魅力>は、どうしても<強さ>という面があり、しかし同時に、力に差がありすぎると、共食いもする種族だけあって、アプローチを掛けた相手に食われてしまうこともある。

しかしその点では、えいはマンティアンとしての習性が欠けてる部分もあった。

『パパニアンは襲わない』

ボクサー竜ボクサーも襲わない場合がある』

『主な獲物はトカゲや鳥などの小動物』

『他のマンティアンと戦うことにも積極的じゃない』

という、とにかくマンティアンとしてはかなり異質な存在だ。

それでいて、『動くものを襲う』という習性そのものは完全には失われておらず、だからイレーネがいる時はイレーネが、彼女が調査などでいない時にはエレクシアが、万が一のことがないように見守ってくれている。

でもなあ、れいも本能的にそういうことは察してるのか、ちょろちょろ動いたりはしない。えいの様子を窺う時もただじっと見ているだけだ。だからえいもつい襲い掛かったりせずに済んでいるのかもしれない。

俺達は、基本的にそういう部分で相手の習性などを理解した上で距離感を考えるようにしている。あまり馴れ合わないのもそれだ。

じゅんまどかひなたも、本能的に察するのかえいしんにはあまり近付こうとしない。えいしんも仲間だと思ってくれてるのは分かるんだが、動いてるものにはつい手が出てしまうことのあるマンティアンやレオンに無防備に近付くのは事故のもとだからな。

ほまれ達が子供の頃にもそれでちょくちょく流血沙汰になってたりしたよ。お互いに子供同士だったからただの怪我で済んだものの、成体おとなと子供じゃな。

エレクシア達がいるとはいえ、いざという時には止めてくれるとはいえ、やっぱり気を付けるに越したことはないわけで。

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