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第三世代
保編 資質の問題
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『女に守られてるとか、情けない』
みたいな話について、現実問題として戦闘力が皆無の男が、自分より強い女性がいるのにその前に出て戦って、何とかなるか? それでカッコよく活躍できるとか、どんな<ご都合主義>だよ。
力があるのにコソコソしてるなら確かに格好悪いだろう。だが、明らかに弱いのが前に出たらそれこそ足手まといどころか仲間を危険に曝すことだってあるんじゃないのか?
俺だって、格好良く敵をやっつけたいっていう願望がないわけじゃないが、現実はそう甘くないんだよな。
でも、轟や昴には、戦う力がある。
そしてちゃんとその力を活かして前に出て戦ってる。
俺はそんな二人は立派だと思うよ。
だいたい、ライオンの群れなんかだと、狩りなどは雌の役目であって、雄は普段はただただぐうたらしてるだけじゃないか。それを、
『女に守られてるとか、情けない』
とか言うのか? そんなもの、ただの傲慢じゃないのか?
それ以前に、そんな大きな口を叩く奴自身が実際に女を守って戦えるのやら。
いや、そもそも、ここの<女>と言うか<雌>達は、ただただ雄に守られてるだけの存在じゃないからな。クロコディアやマンティアン、ボクサー竜、オオカミ竜、ヒト蜘蛛辺りはそれこそ雄と雌とで言うほど力の差はないし、下手すると雌の方が強かったりするし。
なるほど人間の場合は、男女で身体能力に有意な差はあるのかもしれない。しかしそれは<人間という種>の中だけの話であって、人間以外の種や、フィクションの中の<人外>にまで当てはまるわけないじゃないか。それをわきまえてない人間の戯言だな。
が、パパニアンにおいても、肉体的な強さについては雄の方が優位というのは確かにある。だから雄が前面に出て戦う種族だ。
臆病に見える順でさえ、光や和や陽を守ろうとする。
でもまあ、実際には、強力な武器を自在に使いこなす光の方が、明らかに強い。しかも、パパニアンとして育ったことで知能の面でも不利な順では、それも含めた<総合的な戦闘力>ではやっぱり光には敵わない。
でも俺は、それを情けないとは思わない。単に<資質>の問題だからだ。何より、かつて光を守ろうとしてボクサー竜に挑み重傷を負ったこともある順は立派な<漢>だよ。
ただ、その一方で、身の程をわきまえてなかったというのもまた事実。光に任せておけば問題なかったところを無謀なことをして光に心配を掛けたことについては、ややマイナス評価でもある。
けどなあ、それをきっかけにして光が順との関係を進めることができたっていうのも事実なんだ。
そういう意味でも、物事っていうのは一面だけじゃ判断できないと俺は思うね。
みたいな話について、現実問題として戦闘力が皆無の男が、自分より強い女性がいるのにその前に出て戦って、何とかなるか? それでカッコよく活躍できるとか、どんな<ご都合主義>だよ。
力があるのにコソコソしてるなら確かに格好悪いだろう。だが、明らかに弱いのが前に出たらそれこそ足手まといどころか仲間を危険に曝すことだってあるんじゃないのか?
俺だって、格好良く敵をやっつけたいっていう願望がないわけじゃないが、現実はそう甘くないんだよな。
でも、轟や昴には、戦う力がある。
そしてちゃんとその力を活かして前に出て戦ってる。
俺はそんな二人は立派だと思うよ。
だいたい、ライオンの群れなんかだと、狩りなどは雌の役目であって、雄は普段はただただぐうたらしてるだけじゃないか。それを、
『女に守られてるとか、情けない』
とか言うのか? そんなもの、ただの傲慢じゃないのか?
それ以前に、そんな大きな口を叩く奴自身が実際に女を守って戦えるのやら。
いや、そもそも、ここの<女>と言うか<雌>達は、ただただ雄に守られてるだけの存在じゃないからな。クロコディアやマンティアン、ボクサー竜、オオカミ竜、ヒト蜘蛛辺りはそれこそ雄と雌とで言うほど力の差はないし、下手すると雌の方が強かったりするし。
なるほど人間の場合は、男女で身体能力に有意な差はあるのかもしれない。しかしそれは<人間という種>の中だけの話であって、人間以外の種や、フィクションの中の<人外>にまで当てはまるわけないじゃないか。それをわきまえてない人間の戯言だな。
が、パパニアンにおいても、肉体的な強さについては雄の方が優位というのは確かにある。だから雄が前面に出て戦う種族だ。
臆病に見える順でさえ、光や和や陽を守ろうとする。
でもまあ、実際には、強力な武器を自在に使いこなす光の方が、明らかに強い。しかも、パパニアンとして育ったことで知能の面でも不利な順では、それも含めた<総合的な戦闘力>ではやっぱり光には敵わない。
でも俺は、それを情けないとは思わない。単に<資質>の問題だからだ。何より、かつて光を守ろうとしてボクサー竜に挑み重傷を負ったこともある順は立派な<漢>だよ。
ただ、その一方で、身の程をわきまえてなかったというのもまた事実。光に任せておけば問題なかったところを無謀なことをして光に心配を掛けたことについては、ややマイナス評価でもある。
けどなあ、それをきっかけにして光が順との関係を進めることができたっていうのも事実なんだ。
そういう意味でも、物事っていうのは一面だけじゃ判断できないと俺は思うね。
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