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新世代
來編 願望と想い
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シモーヌやビアンカや久利生は、
<地球人だったオリジナルのコピー>
ではあるものの、やっぱり、<地球人>じゃないだろう。
<透明な体>もそうだが、ビアンカにいたってはアラニーズと俺が呼んでる形質を持つ存在だ。それによって精神に少なくない影響を与え、メンタリティが変化してることも、事実だと思う。
その一番が、
『誰もコーネリアス号に関する権利を主張してこない』
ことだ。地球人類とは確実に異なる肉体を持つことで、
『自分達は地球人類ではない=コーネリアス号に対して権利を有しない』
と考えてるのが分かる。
まあこの辺りは、惑星探査チームに選抜されるほどの人材だから自分を厳しく律することができるというのもあるだろうし、シモーヌやビアンカや久利生が元々、合理的にものを考えることができる人間だったという個人的な資質もあるのかもしれない。
加えて、遭難から二千二百年以上経過しているという事実がある以上、法律的な観点から見ても権利が消滅してると解釈するのが自然だ。
が、前にも言ったが、人間というのはそう簡単に割り切ってしまえる生き物じゃない。もし、<透明な体>じゃなくて、完全にオリジナルと寸分違わぬ姿で再現されていたら、同じように割り切れていただろうか?というのは考えてしまうんだよ。
だから、シモーヌやビアンカや久利生は、<肉体の変質>によってメンタリティそのものが変化してる可能性が高いと思うんだ。
もう、
<地球人類のメンタリティ>
じゃなくなってる可能性が高い。
それが、人間関係、特に、<異性が絡む人間関係>に影響を与えていくのかどうか、正直、興味がないわけじゃない。
特にビアンカの場合、アラニーズになってしまっている以上、久利生との間に子供はできないと考えられる。もちろん、子供を作ることが生きる目的じゃないにしても、<コーネリアス号乗員、ビアンカ・ラッセ>は、久利生と結婚して普通に彼の子供を生みたいと願っていたそうだ。
これは、
『久利生の子供を自分が生みたい』
という願望であると同時に、
『久利生の子供を生んであげたい』
という想いでもある。
そうなると、今のビアンカは、結婚はまあできるとしても、『久利生との子供を生む』という望みは叶わないかもしれない。
『久利生の子供を生んであげたい』
という想いは叶えられないということだ。
その点、俺と鷹との間で子供ができるくらいだから、久利生と灯の間でなら子供ができる可能性はずっと高いだろう。透明な体を持っていても子供を生すことができるのは、悠が証明してくれてる。そして、悠の子である來も当をはじめとして何人も子供を生んだことで生物としてまったく問題ないことが証明されてる。
こういうことを総合的に勘案すると、ビアンカと灯が久利生を<共有>することは、むしろ合理的であると言えなくもない気がするんだ。
<地球人だったオリジナルのコピー>
ではあるものの、やっぱり、<地球人>じゃないだろう。
<透明な体>もそうだが、ビアンカにいたってはアラニーズと俺が呼んでる形質を持つ存在だ。それによって精神に少なくない影響を与え、メンタリティが変化してることも、事実だと思う。
その一番が、
『誰もコーネリアス号に関する権利を主張してこない』
ことだ。地球人類とは確実に異なる肉体を持つことで、
『自分達は地球人類ではない=コーネリアス号に対して権利を有しない』
と考えてるのが分かる。
まあこの辺りは、惑星探査チームに選抜されるほどの人材だから自分を厳しく律することができるというのもあるだろうし、シモーヌやビアンカや久利生が元々、合理的にものを考えることができる人間だったという個人的な資質もあるのかもしれない。
加えて、遭難から二千二百年以上経過しているという事実がある以上、法律的な観点から見ても権利が消滅してると解釈するのが自然だ。
が、前にも言ったが、人間というのはそう簡単に割り切ってしまえる生き物じゃない。もし、<透明な体>じゃなくて、完全にオリジナルと寸分違わぬ姿で再現されていたら、同じように割り切れていただろうか?というのは考えてしまうんだよ。
だから、シモーヌやビアンカや久利生は、<肉体の変質>によってメンタリティそのものが変化してる可能性が高いと思うんだ。
もう、
<地球人類のメンタリティ>
じゃなくなってる可能性が高い。
それが、人間関係、特に、<異性が絡む人間関係>に影響を与えていくのかどうか、正直、興味がないわけじゃない。
特にビアンカの場合、アラニーズになってしまっている以上、久利生との間に子供はできないと考えられる。もちろん、子供を作ることが生きる目的じゃないにしても、<コーネリアス号乗員、ビアンカ・ラッセ>は、久利生と結婚して普通に彼の子供を生みたいと願っていたそうだ。
これは、
『久利生の子供を自分が生みたい』
という願望であると同時に、
『久利生の子供を生んであげたい』
という想いでもある。
そうなると、今のビアンカは、結婚はまあできるとしても、『久利生との子供を生む』という望みは叶わないかもしれない。
『久利生の子供を生んであげたい』
という想いは叶えられないということだ。
その点、俺と鷹との間で子供ができるくらいだから、久利生と灯の間でなら子供ができる可能性はずっと高いだろう。透明な体を持っていても子供を生すことができるのは、悠が証明してくれてる。そして、悠の子である來も当をはじめとして何人も子供を生んだことで生物としてまったく問題ないことが証明されてる。
こういうことを総合的に勘案すると、ビアンカと灯が久利生を<共有>することは、むしろ合理的であると言えなくもない気がするんだ。
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