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新世代

翔編 再挑戦

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楼羅ろうらが死んだことをすぐには納得できなかったしょうだが、時間をかけることでやっと得心がいったのかもしれない。

『この子はもう動かない』

と……

エレクシアの手によって回収された楼羅ろうらの遺体は、そのまま、庭の墓地に埋葬することになった。花で埋もれた俺達家族の墓地にな。

それによって俺も何とか踏ん切りが付けられた気がする。

「ろうら、しんじゃったの?」

楼羅ろうらの墓に参ってる俺に、まどかがきょとんとした表情で訊いてくる。

「ああ…そうだな。死んじゃったんだ……」

「ふ~ん……」

明らかに実感のない返事をしながらも、まどかは、咲いていた花の一つを摘んで、楼羅ろうらの墓に供えてくれた。

俺達の真似をしているだけなのは分かってる。でも、こうやって死者を悼む習慣が受け継がれていくんだろうなっていうのが分かる光景だった気がする。

瞬間、込み上げてくるものがあった。

それが、俺がまだ、家族の死を悲しむことができる人間なんだってことを教えてくれる。

シモーヌもビアンカも涙ぐんでた。

ひかりあかりは、俺達とは異なるメンタリティを持ってるからか、泣いたりまではしなかった。それでも、悲しんでくれてるのは分かる。

葬儀とも言えない葬儀が終わると、まどかひなたうららと一緒に楽しそうに遊んでた。

でも、それでいい。俺達と同じようにしてもらう必要は別にない。これは、<俺達>のメンタリティなんだ。ここに生まれ育つ<この惑星ほしの人間>のそれは俺達と違っててもむしろ当然だと思う。

それに、ひかりあかりの様子から見ても分かる通り、まどかひなたはまだ幼いからよく分かってないというのもあるだろうしな。









新暦〇〇三十一年八月二十五日。



今回の楼羅ろうらの死は、俺に改めて現実を突きつけてきた。

『すべての子を守ることはできない』

という、な。

もし、この集落内でのことなら、もっと早く対処ができて楼羅ろうらは助かったもしれない。

だが、俺の孫達、曾孫達、そしてさらにその先の子孫すべてをここに住まわせることもできない。

もうすでに、俺の手が届かない子達が出てきているんだ……

だから、どこかで線を引かなければいけないんだ……



そして、俺とは別に、あれから一ケ月が経ったのもあってか、楼羅ろうらのことについて吹っ切れたらしいしょうは、またたいと睦み合っていた。次の子を作るためだ。

これもまた摂理。

余計な口出しはしない。

加えて、しょうのことをここまで想ってくれるたいには感謝だよ。あいつの存在がしょうを支えてるというのもある気がする。

でも、だからといってりょうが他の雌のところに足しげく通ってることも責めるつもりはないぞ。どっちもアクシーズの生態として『アリ』なんだからな。

そうして、鈴良れいらとは違う雌にも、妊娠の兆候が見られるようになった。するとその雌からも追われて、いよいよりょうは居場所がなくなってしまったようだ。

<仮の巣>で大人しくしている様子が見える。

りょうのそれに縄張りを接してる他のアクシーズの雌には、現在、フリーのはいないようだし。

その所為か、何となくりょうが不貞腐れているように見えるな。

が、こればっかりはなあ。

どうしようもないさ。りょう

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