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新世代

翔編 守りたい家族

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俺がそんなことを考えているのは、結局、りょうを危険に曝す形でしか対処できなかった俺自身が許せなくて精神的に落ち着かなかったからだ。俺は、暇を持て余してる時もそうだが、ストレスを感じてる時ほどあれこれ考えてしまうタイプの人間だからな。

そうして自分の脳をフル回転させることでストレスを緩和させようとしてるのかもしれない。

しかしそんなところを、シモーヌは見抜いていた。

「あまり自分を責めないで、連是れんぜ。あの場合はあなたが判断しなければ私がドラゼに命じてた。あなたの判断は間違っていない」

りょうが眠るカプセルの横で座っていた俺の肩に手を乗せて、シモーヌが語りかけてくれた。

その気遣いが染みる。

「……ありがとう……」

俺は彼女の手に触れながら礼を言っていた。こうして自分を労わってくれる人の存在がたまらなく嬉しいというのを改めて実感してた。

ずっとカプセルに張り付いていても仕方ないので外に出ると、ひかりあかりとビアンカがいた。

「お父さん。私達はお父さんを尊敬してるよ。お父さんが私達のお父さんで良かったと思ってる」

「そうだよ。私もお姉ちゃんと同じだよ。お父さんが決めたことならそれでいいと思う。どんな結果になってもね。だからさ、もし、私達が同じようなことになった時には躊躇わずに撃ってくれていいよ」

ひかりあかりの言葉に、胸がギュっとなる。さらには、ビアンカも、

「私は皆さんの仲間になってまだ少ししか経ってないですけど、連是れんぜさんは立派にやってると思います。私達軍人でも、あの状況なら撃ちます。増援を待てっていては間に合いませんでした。だとすれば少しでも可能性がある方を選びます」

と言ってくれた。

だからつくづく思うんだ。この<群れ>は俺が守ってるんじゃない。家族みんなで守ってくれてるんだ。家族の支えがなけりゃ、俺はここまでやってられなかったと思う。『俺が守ってやってるんだ』なんて思い上がれないよ。

だからこそ俺も守りたいと思える。

家族っていうのはそういうことなんだろうな。

皆で力を合わせて守るんだ。そして、守りたいと思える家族であることが大事なんだって。加えて、『守りたい家族と思える』ためには、お互いが支え合う気持ちが大事なんだとも思ったよ。

俺が家族を気遣うから家族も俺を気遣ってくれる。以前にも言った気がするが、やっぱりそういうことなんだろうな。

俺は家族を自分に従わせて支配したいわけじゃない。お互いに家族の一員として敬ってるし、労いたいと思ってる。それが返ってきてるだけなんだって実感する。

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