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新世代
翔編 一か八か
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「私が連是様の警護に当たります。なのでエレクシアは先行し凌様の援護を」
俺とエレクシアがローバーに乗り込もうとした時、イレーネがそう提案してきた。
「では、そのように。よろしいですか? マスター」
さすがにロボットは判断が早い。俺もつい咄嗟に、
「それで頼む…! 戦闘モード! 凌を守ってくれ!!」
と応えていた。
俺の命令を確認した瞬間、エレクシアの姿が見えなくなる。
バッテリー切れの心配なく全力稼動ができるエレクシアを先行させる方が、間に合う可能性は高くなる。それでも障害物の多い密林の中ではおそらく十分以上は掛かるだろう。それまで凌が持ち堪えてくれるか、撤退してくれれば……!
俺としてはもう祈るしかない。
「光! 灯! ビアンカ! セシリア! 家の守りは頼む!」
イレーネの運転で走り出したローバーの窓から身を乗り出して、俺は、異変を察して家から出てきた光達に向かって叫んだ。
「任せて!」
灯が叫んで、ビアンカは敬礼してくれている。光も真っ直ぐに俺を見詰めてくれてた。そこに強い意志を感じる。
家は任せておいて大丈夫だ。だから凌のことだけに集中する。
タブレットで状況を見ると、凌はまだ戦っていた。マンティアン相手にこれだけ粘れるだけでもすごいと思う。
しかし、銃で援護しようにも、ドローンで援護しようにも、かえって凌の邪魔になる可能性も高い。
「くそ……っ!」
つい悪態を吐いてしまう。じれったくて変になりそうだ。
まだ一分も経っていないのに、
『エレクシアはまだか……!』
なんてことも考えてしまう。
どんなに覚悟をしているつもりでも、いざとなれば人間なんてこんなもんだ。
でも、自分の孫がこんな形で死ぬところなんて見たくないからな。
だが、どう足掻いても駄目な時というのはある。
まさに今がそれだった。
「凌っっ!!」
俺が睨みつけていたタブレットの画面の中で、マンティアンが凌の足をがっちりとカマで捕らえた。トゲが肉に食い込み、何をどうやっても外れないのが分かってしまう。
「ぎーっ!!」
切り裂かれるような凌の悲鳴。
だから俺は命じてた。
「ドラゼ! 撃てっ!! 撃てえっっ!!」
エレクシアは間に合わない。ならば、もう、一か八かだ。
俺の命令に、ドラゼは躊躇うことなく応えた。マンティアン目掛けて自動小銃を放つ。
凌に当たるかも知れないのは分かっていても、俺には他に思い付かなかった。
パパパパパッ!!
と連続した銃声がタブレット越しに響き、マンティアンに命中するのが見えた。
だが、それと同時に、
「ガヒッッ!!」
マンティアンのそれじゃない悲鳴。
マンティアンも怯んでいるのが分かるが、しかし放たれた弾丸のうちの数発が凌の体を貫いたのも分かってしまったのだった。
俺とエレクシアがローバーに乗り込もうとした時、イレーネがそう提案してきた。
「では、そのように。よろしいですか? マスター」
さすがにロボットは判断が早い。俺もつい咄嗟に、
「それで頼む…! 戦闘モード! 凌を守ってくれ!!」
と応えていた。
俺の命令を確認した瞬間、エレクシアの姿が見えなくなる。
バッテリー切れの心配なく全力稼動ができるエレクシアを先行させる方が、間に合う可能性は高くなる。それでも障害物の多い密林の中ではおそらく十分以上は掛かるだろう。それまで凌が持ち堪えてくれるか、撤退してくれれば……!
俺としてはもう祈るしかない。
「光! 灯! ビアンカ! セシリア! 家の守りは頼む!」
イレーネの運転で走り出したローバーの窓から身を乗り出して、俺は、異変を察して家から出てきた光達に向かって叫んだ。
「任せて!」
灯が叫んで、ビアンカは敬礼してくれている。光も真っ直ぐに俺を見詰めてくれてた。そこに強い意志を感じる。
家は任せておいて大丈夫だ。だから凌のことだけに集中する。
タブレットで状況を見ると、凌はまだ戦っていた。マンティアン相手にこれだけ粘れるだけでもすごいと思う。
しかし、銃で援護しようにも、ドローンで援護しようにも、かえって凌の邪魔になる可能性も高い。
「くそ……っ!」
つい悪態を吐いてしまう。じれったくて変になりそうだ。
まだ一分も経っていないのに、
『エレクシアはまだか……!』
なんてことも考えてしまう。
どんなに覚悟をしているつもりでも、いざとなれば人間なんてこんなもんだ。
でも、自分の孫がこんな形で死ぬところなんて見たくないからな。
だが、どう足掻いても駄目な時というのはある。
まさに今がそれだった。
「凌っっ!!」
俺が睨みつけていたタブレットの画面の中で、マンティアンが凌の足をがっちりとカマで捕らえた。トゲが肉に食い込み、何をどうやっても外れないのが分かってしまう。
「ぎーっ!!」
切り裂かれるような凌の悲鳴。
だから俺は命じてた。
「ドラゼ! 撃てっ!! 撃てえっっ!!」
エレクシアは間に合わない。ならば、もう、一か八かだ。
俺の命令に、ドラゼは躊躇うことなく応えた。マンティアン目掛けて自動小銃を放つ。
凌に当たるかも知れないのは分かっていても、俺には他に思い付かなかった。
パパパパパッ!!
と連続した銃声がタブレット越しに響き、マンティアンに命中するのが見えた。
だが、それと同時に、
「ガヒッッ!!」
マンティアンのそれじゃない悲鳴。
マンティアンも怯んでいるのが分かるが、しかし放たれた弾丸のうちの数発が凌の体を貫いたのも分かってしまったのだった。
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