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新世代

翔編 アクシーズ

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新暦〇〇三〇年九月二十七日。



しょうは、タカ人間アクシーズであるようの娘である。

外見こそは今でもまるでローティーンのようにも見えるが、実際にはもうれっきとした<おばちゃん>だ。

とは言え、彼女らに人間の感覚を当てはめても意味がないし、彼女はように似てとても美しい。

レモン色の羽毛に覆われた体。頭を飾るオレンジ色のトサカのような羽毛も立派で、一目で彼女だと分かる。

地球の<鳥>は雄の方が派手な姿をしているものが多いらしいが、アクシーズは、外見上の違いはそれほどなくて、雌雄の区別が少々付けにくい。空を飛ぶ(実際にはただの滑空だが)ために邪魔になるからだろう、乳房も良く見ると辛うじて分かる程度にしか大きくならないしな。

そんなしょうには、たいというパートナーがいて、たいとの間にりょうという息子がいる。

そう達の群れに新たに加わったライオン人間レオンりょうと名前がかぶってしまったが、まあいいだろう。

何しろ人数が多いんだよ!

しかも孫の名前だろ? そう言えば会社勤めしていた頃の同僚の一人が、

「祖母さんが何度言っても俺と兄貴の名前を間違えるんだ。しかも、二人の名前をミックスしてな」

と言ってたことがある。

同僚の名前が燐昌りんしょう。同僚の兄貴の名前が天音てんねってんだが、いっつも『りんね』『てんしょう』と呼ぶそうだ。

って、ちょっと違うか。

まあそれは余談として、とにかくそうつけてしまったものは仕方ない。ライオン人間レオンりょうの方はそれこそ血も繋がってないし。

と言うわけで、ここからは、しょうと、しょうの弟のすいの話を中心に進めていきたいと思う。

また脱線することはあるかもしれないものの、それも、ま、いつものってことで一つよろしく。



改めて説明するが、ようの子は三人いる。しょうすいあかりだ。

生まれた順番はしょうあかりすいの順だが、知ってのとおりあかりの見た目は完全に人間のそれだったこともあってようは自分の子として認識できなかったらしく、育ててはもらえなかった。なのであかりは、エレクシアやセシリアの助けも借りながらシモーヌの子として育てられた。

あかり自身はそのことを気にしておらず、

「私にはママとお母さんがいるんだよ♡」

と嬉しそうに話す。今は、シモーヌのことを『ママ』。ようのことを『お母さん』と呼んでいる。ちなみに呼び方は割と気分次第で変わるらしくて、時々混乱させられることもある。

でも、シモーヌのこともようのこともちゃんと好きだ。

いくら外見が人間のそれといってもさすがにタカ人間アクシーズの血を引くだけあって戦いとなると凶暴な面も見せつつも、あかりは優しい子に育ってくれてる。

なお、実年齢で二十二歳となったあかりだが、十歳の頃には肉体的にすでに十分大人だったものの、子供はまだまだみたいだな。ひかりのパートナーであるじゅんを共有するつもりみたいなことを言ってたものの、実際にはその気配もない。じゅんが相手だとそういう気分になれないようだ。



なんてこともありつつも、俺達の<群れ>はおおむね平穏だな。

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