605 / 2,554
新世代
明編 魅力的な雄
しおりを挟む
新暦〇〇二九年四月二十日。
現在、俺が一人身を貫いている、と言うか一人身でいられてるのは、他の種族とはなるべく距離を取って不干渉の立場をとってるからだと思う。密、刃、伏、鷹の事例でも分かる通り、非常に強力な攻撃手段を持ち、かつこの台地ではおそらく無敵の存在であるエレクシアを従えている俺は、実はかなり<魅力的な雄>なんだろう。
まあそうだよな。俺と一緒に暮らすことで非常に高度な<安全>を得られるし、餌の心配も要らなくなるし、子供を育てるにはこれ以上ない環境が手に入るわけで。
問題は、彼女らからしたら<畸形>とも言えるこの見た目をどう捉えるかということだが、それこそ人間とは似ても似つかない動物が人間相手に恋をしたりって事例もあると聞くし、中にはそういう個体もいるというわけか。
パパニアンの麗は新が好きで、クロコディアの悠やその娘の來が俺に惹かれなかったところを見ると、必ずしも惚れられるわけじゃないしな。
しかしその一方で、密が光を、鷹が灯を我が子として認識できなかったりして、人間らしい外見というのが彼女らにとってまったく問題ないというわけでもないんだろう。やっぱりそれなりにハードルは高いと思われる。
だが同時に、順がパパニアンとして生き延びられたことを考えると、例外というものはいつでもどこでも存在しうるとも言えるんだろうな。
密、刃、伏、鷹に俺がパートナーとして認められたのも結局はその<例外>ということなんだろうし。
となれば、あまり関わらないようにするだけで、一方的に見染められてしまう可能性はぐっと減るわけだ。
正直、俺自身の子供はもういいかな。何しろ、誉、光、焔、新、明、丈、走、凱、深、彩、凛、翔、灯、彗の十四人だぞ? 冷静に考えたら十四人の子持ちって、さすがに多いよ。
実際、健康寿命が二百年を超えて、<結婚適齢期>と呼ばれる期間が百五十年以上あって、女性が問題なく妊娠出産できる期間も同じくらいあってっていう今の人間社会でも、十四人というのはなかなかいない。
とは言え、多い人はもっと多かったりするそうだけどな。本当かどうかは知らないが、ある資産家に至っては、実の子供が百人以上いるとも聞いたことがある。しかも認知した人数だけでそれだから、認知してないのを含めるとさらに増えるらしいんだとか。
なんて言うか、遺産の配分を巡って何が起こるか考えるだけで怖いな。子供だけじゃなく、その子供達の母親もあれこれ主張してきそうだし。
その点、俺の子供達は相続する資産自体ないから平和なものだ。
現在、俺が一人身を貫いている、と言うか一人身でいられてるのは、他の種族とはなるべく距離を取って不干渉の立場をとってるからだと思う。密、刃、伏、鷹の事例でも分かる通り、非常に強力な攻撃手段を持ち、かつこの台地ではおそらく無敵の存在であるエレクシアを従えている俺は、実はかなり<魅力的な雄>なんだろう。
まあそうだよな。俺と一緒に暮らすことで非常に高度な<安全>を得られるし、餌の心配も要らなくなるし、子供を育てるにはこれ以上ない環境が手に入るわけで。
問題は、彼女らからしたら<畸形>とも言えるこの見た目をどう捉えるかということだが、それこそ人間とは似ても似つかない動物が人間相手に恋をしたりって事例もあると聞くし、中にはそういう個体もいるというわけか。
パパニアンの麗は新が好きで、クロコディアの悠やその娘の來が俺に惹かれなかったところを見ると、必ずしも惚れられるわけじゃないしな。
しかしその一方で、密が光を、鷹が灯を我が子として認識できなかったりして、人間らしい外見というのが彼女らにとってまったく問題ないというわけでもないんだろう。やっぱりそれなりにハードルは高いと思われる。
だが同時に、順がパパニアンとして生き延びられたことを考えると、例外というものはいつでもどこでも存在しうるとも言えるんだろうな。
密、刃、伏、鷹に俺がパートナーとして認められたのも結局はその<例外>ということなんだろうし。
となれば、あまり関わらないようにするだけで、一方的に見染められてしまう可能性はぐっと減るわけだ。
正直、俺自身の子供はもういいかな。何しろ、誉、光、焔、新、明、丈、走、凱、深、彩、凛、翔、灯、彗の十四人だぞ? 冷静に考えたら十四人の子持ちって、さすがに多いよ。
実際、健康寿命が二百年を超えて、<結婚適齢期>と呼ばれる期間が百五十年以上あって、女性が問題なく妊娠出産できる期間も同じくらいあってっていう今の人間社会でも、十四人というのはなかなかいない。
とは言え、多い人はもっと多かったりするそうだけどな。本当かどうかは知らないが、ある資産家に至っては、実の子供が百人以上いるとも聞いたことがある。しかも認知した人数だけでそれだから、認知してないのを含めるとさらに増えるらしいんだとか。
なんて言うか、遺産の配分を巡って何が起こるか考えるだけで怖いな。子供だけじゃなく、その子供達の母親もあれこれ主張してきそうだし。
その点、俺の子供達は相続する資産自体ないから平和なものだ。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる