601 / 2,566
新世代
明編 子供に与える影響
しおりを挟む
ここに<人間社会>を作るとすれば、考えなければいけないことはそれこそ山ほどある。
<地球>に築かれた人間の世界で起こった様々な問題について、な。
延々と思考することは苦にならない俺だからこそ、考えたい。
正直俺も、人間社会にいた頃には政治家とかに対して散々好き勝手言ってきたクチだ。
『どうしてそこで決められないんだ! この無能が!』
とかな。妹のことがあったから余計に歯痒く感じてたこというのもある。
ただ、いざ自分がこうして、決断し責任を負わなきゃいけない立場になると、なるほど簡単には決められない時もあるよなっていうのが実感できてくる。
今はまだ俺の家族しかいないし、家族にだけ責任を負えばいいから、
『家族のためだったら決断できる! 責任も負える!』
とは思えるものの、全く見ず知らずの他人に対しても同じようにできるかと言われたら、正直、俺には無理だ。そんな大変な立場には就きたくないと思ってしまう。
だから今では、政治家とかに対しても、
『よくそんな大変な仕事やってられるな……』
って感じで同情的な気分にはなる。AIに頼りたくなる気持ちも理解できる気がする。
なるほど、経験してみないと分からないことというのは多いよ。
子供を育てるということについてもそうだ。責任を負わなくていい立場から見てる時と、自分が責任を負わなくちゃいけない立場で見てる時はまったく違う。
なにより、実際に子供達(特に光と灯)のことを見てると、子供達が単なる<動物>じゃないことが実感できた。
ものすごく、本当にものすごくしっかりと、親である俺の様子を観察してるのが分かるんだ。
それはそうか。子供達は自分が生きていく為に必要な情報を周囲から得るしかないんだからな。特に、親から。
親の振る舞いを真似ることで、子供は人間としての生き方を学んでいくんだよ。
誉達のように元の種族としての形質が強く出てる方は、俺が敢えて<人間らしさ>ってものに拘らずに、母親の方からそれぞれの種族としての在り方を学んでもらうようにしてたが、光や灯については姿からして<人間>なので、密や鷹が我が子として認識できずに、ほとんど関わろうとしなかった。
そうなると、当然、俺とエレクシアとで育てることになる訳で、光や灯も俺やエレクシアの振る舞いを注視することになる。灯の場合はさらにシモーヌからもだが。
本当に、親である俺の振る舞いを真っ直ぐに見てたんだ。だから、親の価値観とかの多くを子供も学び取ってしまう。
しかも怖いことに、親が、普段、人前では見せないようにしてる<裏の顔>も、子供はよく見てるんだ。
『親が他人をどんな風に見てるか』
なんていうこともな。
他人を見下し、嘲り、蔑ろにするような振る舞いを子供の前で見せると、子供も『そういうもの』として学習してしまう。
他人の存在を疎かにするような振る舞いを子供の前で見せてると、子供も無意識のうちに他人を疎かにするんだよ。
それを考えるとゾッとする。
エレクシア達メイトギアはその辺りのノウハウを、数千年分蓄えてきているから、決して子供達の前で人間を疎かにするようなことはしない。ロボットだから元々できないというのもあるが、子供に与える影響という点からもそんなことはしないんだ。
エレクシアは前のオーナーが辛辣な対応をするようにカスタマイズしてたものの、それはあくまで表面上のことでしかなく、本当に蔑ろにしてるわけじゃないんだよな。
<地球>に築かれた人間の世界で起こった様々な問題について、な。
延々と思考することは苦にならない俺だからこそ、考えたい。
正直俺も、人間社会にいた頃には政治家とかに対して散々好き勝手言ってきたクチだ。
『どうしてそこで決められないんだ! この無能が!』
とかな。妹のことがあったから余計に歯痒く感じてたこというのもある。
ただ、いざ自分がこうして、決断し責任を負わなきゃいけない立場になると、なるほど簡単には決められない時もあるよなっていうのが実感できてくる。
今はまだ俺の家族しかいないし、家族にだけ責任を負えばいいから、
『家族のためだったら決断できる! 責任も負える!』
とは思えるものの、全く見ず知らずの他人に対しても同じようにできるかと言われたら、正直、俺には無理だ。そんな大変な立場には就きたくないと思ってしまう。
だから今では、政治家とかに対しても、
『よくそんな大変な仕事やってられるな……』
って感じで同情的な気分にはなる。AIに頼りたくなる気持ちも理解できる気がする。
なるほど、経験してみないと分からないことというのは多いよ。
子供を育てるということについてもそうだ。責任を負わなくていい立場から見てる時と、自分が責任を負わなくちゃいけない立場で見てる時はまったく違う。
なにより、実際に子供達(特に光と灯)のことを見てると、子供達が単なる<動物>じゃないことが実感できた。
ものすごく、本当にものすごくしっかりと、親である俺の様子を観察してるのが分かるんだ。
それはそうか。子供達は自分が生きていく為に必要な情報を周囲から得るしかないんだからな。特に、親から。
親の振る舞いを真似ることで、子供は人間としての生き方を学んでいくんだよ。
誉達のように元の種族としての形質が強く出てる方は、俺が敢えて<人間らしさ>ってものに拘らずに、母親の方からそれぞれの種族としての在り方を学んでもらうようにしてたが、光や灯については姿からして<人間>なので、密や鷹が我が子として認識できずに、ほとんど関わろうとしなかった。
そうなると、当然、俺とエレクシアとで育てることになる訳で、光や灯も俺やエレクシアの振る舞いを注視することになる。灯の場合はさらにシモーヌからもだが。
本当に、親である俺の振る舞いを真っ直ぐに見てたんだ。だから、親の価値観とかの多くを子供も学び取ってしまう。
しかも怖いことに、親が、普段、人前では見せないようにしてる<裏の顔>も、子供はよく見てるんだ。
『親が他人をどんな風に見てるか』
なんていうこともな。
他人を見下し、嘲り、蔑ろにするような振る舞いを子供の前で見せると、子供も『そういうもの』として学習してしまう。
他人の存在を疎かにするような振る舞いを子供の前で見せてると、子供も無意識のうちに他人を疎かにするんだよ。
それを考えるとゾッとする。
エレクシア達メイトギアはその辺りのノウハウを、数千年分蓄えてきているから、決して子供達の前で人間を疎かにするようなことはしない。ロボットだから元々できないというのもあるが、子供に与える影響という点からもそんなことはしないんだ。
エレクシアは前のオーナーが辛辣な対応をするようにカスタマイズしてたものの、それはあくまで表面上のことでしかなく、本当に蔑ろにしてるわけじゃないんだよな。
0
お気に入りに追加
176
あなたにおすすめの小説
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
エロゲーの悪役に転生した俺、なぜか正ヒロインに溺愛されてしまった件。そのヒロインがヤンデレストーカー化したんだが⁉
菊池 快晴
ファンタジー
入学式当日、学園の表札を見た瞬間、前世の記憶を取り戻した藤堂充《とうどうみつる》。
自分が好きだったゲームの中に転生していたことに気づくが、それも自身は超がつくほどの悪役だった。
さらに主人公とヒロインが初めて出会うイベントも無自覚に壊してしまう。
その後、破滅を回避しようと奮闘するが、その結果、ヒロインから溺愛されてしまうことに。
更にはモブ、先生、妹、校長先生!?
ヤンデレ正ヒロインストーカー、不良ヤンキーギャル、限界女子オタク、個性あるキャラクターが登場。
これは悪役としてゲーム世界に転生した俺が、前世の知識と経験を生かして破滅の運命を回避し、幸せな青春を送る為に奮闘する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる