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新世代
明編 肝心なこと
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新暦〇〇二八年九月十四日。
明の<夫>である角は、近似種であるクワガタ人間の形質を残したマンティアンである。
<クワガタ人間>は、やや茶色がかった黒い体色で、頭にクワガタのアゴにも見える大きな二本の<角>を持つことからそう呼んでるんだが、はっきり言って角と体色、そしてマンティアンの最大の特徴である両手のそれに比べると鎌状になった部分が非常に小さいということで<別の種>と見做してるものの、遺伝子的にはほとんど差異のない、精々、人間の髪や皮膚の色が違う、基本的なプロポーションが違う程度の違いでしかなかった。
だから、おそらく、子供もできるだろう。実際、ルカニディアの特徴である<角>の名残と思われる小さな角状の突起が残っていた角との間に子供ができたわけで。
しかもその子供である鋭の角は、父親のものよりもさらに<角らしい角>になっている。
まあそれでも、ルカニディアのに比べれば可愛いものだが。
と、それはさて置いて、明がその力を認めているが故に伴侶となった角も、もちろん非常に強い。かつ、マンティアンとしての性質もそのまま残してるので、パパニアンにも容赦なく襲い掛かる。
とは言え、誉達は、ボスである誉が明と一緒に育ったからか、その性質や特徴をよく理解しているらしく上手く躱す上に、メイフェアの守りもあって、少なくとも誉がボスになってから角に狩られた者はいない。
その所為だろうか。最近、角は誉の群れを狙わなくなった気がする。
もちろんそれが希望的観測に過ぎない可能性もあるので油断はできないものの、俺にとっては親類同士での殺し合いの危険性が減ってくれるのならそれについては大歓迎だ。
そもそも、動いている獲物しか食べなくて、完全に動かなくなればどんなに食べられるところが残っていても捨ててしまうんだから、なにも無理してパパニアンを狙う必要もないんじゃないかという気がしてしまうんだよな。
実際、パパニアンを襲わない明や鋭も問題なく生きていけてるわけで。
ただ、万が一、獲物になるのがパパニアンしかいなかったとした場合、どうなるのかという心配はある。
が、それも結局、そういう状況になった時に改めて考えるしかないんだろうけどな。
考えすぎてしまうのは俺の性分だが、それだけじゃダメなのも分かってる。考えすぎていざという時に動けないんじゃ意味がないし、得意の<考えること>についても、嶽の一件でも分かった通り、肝心なことについては考えが至らないこともあるのも事実ではある。
明の<夫>である角は、近似種であるクワガタ人間の形質を残したマンティアンである。
<クワガタ人間>は、やや茶色がかった黒い体色で、頭にクワガタのアゴにも見える大きな二本の<角>を持つことからそう呼んでるんだが、はっきり言って角と体色、そしてマンティアンの最大の特徴である両手のそれに比べると鎌状になった部分が非常に小さいということで<別の種>と見做してるものの、遺伝子的にはほとんど差異のない、精々、人間の髪や皮膚の色が違う、基本的なプロポーションが違う程度の違いでしかなかった。
だから、おそらく、子供もできるだろう。実際、ルカニディアの特徴である<角>の名残と思われる小さな角状の突起が残っていた角との間に子供ができたわけで。
しかもその子供である鋭の角は、父親のものよりもさらに<角らしい角>になっている。
まあそれでも、ルカニディアのに比べれば可愛いものだが。
と、それはさて置いて、明がその力を認めているが故に伴侶となった角も、もちろん非常に強い。かつ、マンティアンとしての性質もそのまま残してるので、パパニアンにも容赦なく襲い掛かる。
とは言え、誉達は、ボスである誉が明と一緒に育ったからか、その性質や特徴をよく理解しているらしく上手く躱す上に、メイフェアの守りもあって、少なくとも誉がボスになってから角に狩られた者はいない。
その所為だろうか。最近、角は誉の群れを狙わなくなった気がする。
もちろんそれが希望的観測に過ぎない可能性もあるので油断はできないものの、俺にとっては親類同士での殺し合いの危険性が減ってくれるのならそれについては大歓迎だ。
そもそも、動いている獲物しか食べなくて、完全に動かなくなればどんなに食べられるところが残っていても捨ててしまうんだから、なにも無理してパパニアンを狙う必要もないんじゃないかという気がしてしまうんだよな。
実際、パパニアンを襲わない明や鋭も問題なく生きていけてるわけで。
ただ、万が一、獲物になるのがパパニアンしかいなかったとした場合、どうなるのかという心配はある。
が、それも結局、そういう状況になった時に改めて考えるしかないんだろうけどな。
考えすぎてしまうのは俺の性分だが、それだけじゃダメなのも分かってる。考えすぎていざという時に動けないんじゃ意味がないし、得意の<考えること>についても、嶽の一件でも分かった通り、肝心なことについては考えが至らないこともあるのも事実ではある。
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