535 / 2,627
新世代
誉編 撤退
しおりを挟む
二発目が避けられた時、エレクシアは予測射撃に切り替えた。嶽が避けると思われる方向に僅かに狙いをずらして撃つんだ。
だが嶽嶽の動きは不規則で、狙いを付けさせないためにわざとそうしてるのでは?とさえ思わせる。
そうこうしている間に照準合わせの為に使った一発を含む六発目を放ったら、電磁加速質量砲は、案の定、エラー表示を出して沈黙してしまった。砲身の冷却が追い付かず、かつ、バッテリーも尽きてしまったんだ。
バッテリーはすぐに充電できるが、加熱した砲身は歪みが生じてしまい、きちんと整備しないともう使えない状態だった。
なるほど戦闘でこんな風になられたら安心して使ってられないな。
なんて感心してる場合じゃない。
エレクシアは、地面に打ち付けたアンカーも回収せずに電磁加速質量砲だけを担いで戻り、ものすごい速さでケースにしまってキャリアに固定した。
俺はその間に、ドーベルマンDK-a拾号機と拾壱号機を、こちらに向かって突進してくる嶽への牽制として発進させる。
それをエレクシアがコントロールし、陽動に使うんだ。
今回は実弾を込めたショットガンを装備させていて、全速力で嶽に突っ込ませた。
ガンガンと銃声が響く中、俺とエレクシアはローバーに乗り込んで、一目散に撤退する。
<最終防衛ライン>まで。
「俺だ! 嶽の迎撃に失敗した! 次の作戦に移る!」
一斉通信で、メイフェアとイレーネとセシリアと光達に告げる。
<次の作戦>。
それは、エレクシアとメイフェアとイレーネが連携して、肉弾戦で嶽を迎撃するという、およそ作戦とも言えないものだ。
図らずも、フィクション的に面白い展開になってしまった。こうなって欲しくないから狙撃にしたというのに……!
拾号機と拾壱号機は、ある程度の距離を取りつつ、ショットガンで嶽を迎え撃った。その様子が、上空に待機させた母艦ドローンのカメラに捉えられ、タブレットに映し出される。
だが、サイゾウくらいまでなら数発で倒せる筈のショットガンがまったく通じない。
母艦ドローンが拾う音には、ガン! ギン! という金属音が混じっていた。嶽の表皮の下にできた、タングステン並みの強度を持つ鱗の層がショットガンの銃弾を弾いている音だった。
しかし、幸いにも、嶽は拾号機と拾壱号機に気を取られ、すぐにはこちらに向かってこなかった。
そして俺は、その様子を見て気付いたことがあった。
「これは……」
とは言え、今はそれについて深く考えている暇はない。とにかく最終防衛ラインまで下がって迎撃準備を整えなければ……!
だが嶽嶽の動きは不規則で、狙いを付けさせないためにわざとそうしてるのでは?とさえ思わせる。
そうこうしている間に照準合わせの為に使った一発を含む六発目を放ったら、電磁加速質量砲は、案の定、エラー表示を出して沈黙してしまった。砲身の冷却が追い付かず、かつ、バッテリーも尽きてしまったんだ。
バッテリーはすぐに充電できるが、加熱した砲身は歪みが生じてしまい、きちんと整備しないともう使えない状態だった。
なるほど戦闘でこんな風になられたら安心して使ってられないな。
なんて感心してる場合じゃない。
エレクシアは、地面に打ち付けたアンカーも回収せずに電磁加速質量砲だけを担いで戻り、ものすごい速さでケースにしまってキャリアに固定した。
俺はその間に、ドーベルマンDK-a拾号機と拾壱号機を、こちらに向かって突進してくる嶽への牽制として発進させる。
それをエレクシアがコントロールし、陽動に使うんだ。
今回は実弾を込めたショットガンを装備させていて、全速力で嶽に突っ込ませた。
ガンガンと銃声が響く中、俺とエレクシアはローバーに乗り込んで、一目散に撤退する。
<最終防衛ライン>まで。
「俺だ! 嶽の迎撃に失敗した! 次の作戦に移る!」
一斉通信で、メイフェアとイレーネとセシリアと光達に告げる。
<次の作戦>。
それは、エレクシアとメイフェアとイレーネが連携して、肉弾戦で嶽を迎撃するという、およそ作戦とも言えないものだ。
図らずも、フィクション的に面白い展開になってしまった。こうなって欲しくないから狙撃にしたというのに……!
拾号機と拾壱号機は、ある程度の距離を取りつつ、ショットガンで嶽を迎え撃った。その様子が、上空に待機させた母艦ドローンのカメラに捉えられ、タブレットに映し出される。
だが、サイゾウくらいまでなら数発で倒せる筈のショットガンがまったく通じない。
母艦ドローンが拾う音には、ガン! ギン! という金属音が混じっていた。嶽の表皮の下にできた、タングステン並みの強度を持つ鱗の層がショットガンの銃弾を弾いている音だった。
しかし、幸いにも、嶽は拾号機と拾壱号機に気を取られ、すぐにはこちらに向かってこなかった。
そして俺は、その様子を見て気付いたことがあった。
「これは……」
とは言え、今はそれについて深く考えている暇はない。とにかく最終防衛ラインまで下がって迎撃準備を整えなければ……!
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク
普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。
だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。
洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。
------
この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる