464 / 2,387
新世代
誉編 碧 その1
しおりを挟む
新暦〇〇二七年五月十日。
誉の第一夫人の蒼は、三代前のボスの娘である。
そして、誉が俺の下から巣立って合流した時から最も仲の良いパパニアンでもある。
と言うか、むしろ彼女がいたからその群れに合流することを選んだと言った方がいいのかもしれない。
なにしろ、まだ俺の下にいた頃からちょくちょく遊んでいたらしいし。
誉が当時のボスに気に入られたというのもあったんだろうが、群れに加わる以前から既にほぼカップルとして成立していたとも見られている。
しかし、誉を気に入っていたのは静もそうであり、嫉妬から彼女は蒼にもきつく当たったようだ。
彼女が蒼を追い掛け回す姿が、メイフェアによって映像として記録されているんだ。
だがそんな蒼のことももちろん、蒼にきつく当たった静のことも、誉は親しくした。彼女が自分に優しくしてくれたというのもあったんだろうが、静が辛い境遇にあったことを悟っていたというのもあったらしい。
うむ。我が息子ながら何という器の大きさか。
もっとも、その余裕を持てたのも、メイフェアの存在があってこそという面も確かにあるんだろうな。
そう。立派な人間も、実は立派でいられるのを支えてくれた存在が人知れずいるということでもあるんだと思ったよ。
そして誉がボスになる直前には静も事実上、誉の<妻>になっていた。
まあ、蒼との間にはすでに保と翠が生まれていたし、命もそうだったようだが。
ちなみに、誉の<筆おろし>の相手は静が務めたらしいな。
<ボノボ人間>の名前の由来ともなった、仲間同士での濃密なスキンシップは蒼とも行ってたんだが、最後まで行ったのは静が先だったということか。
これも、パパニアンの間では普通のことらしい。経験豊富な雌が若い雄に手ほどきをするというのはな。そしてそれを若い雌も嫉妬したりはしない。そういうものだという認識があるからだ。
と言うか、ベテランの雌に見向きもされないような雄はそれこそモテないみたいだな。
実際、そういう形で全く雌に相手にしてもらえず、仕方なく雄同士で慰め合う姿も、数こそは少ないが目撃されている。
ただし、それとは別に、元々同性愛の個体も、全体の一パーセント程度ではあるものの確実にいて、同性同士のカップルも目撃されているんだ。
これも、理由はまだ判然としないが、<自然の摂理>らしい。
人間が認める認めないといくら騒ごうが、現にそういうものらしいから、俺は別にそれでいいと思ってる。
もっとも、俺自身は同性に言い寄られても、好きになれないと思えばきっぱりと断るけどな。
同性か異性かという以前に、好きになれない相手と付き合う必要はないからな。
誉の第一夫人の蒼は、三代前のボスの娘である。
そして、誉が俺の下から巣立って合流した時から最も仲の良いパパニアンでもある。
と言うか、むしろ彼女がいたからその群れに合流することを選んだと言った方がいいのかもしれない。
なにしろ、まだ俺の下にいた頃からちょくちょく遊んでいたらしいし。
誉が当時のボスに気に入られたというのもあったんだろうが、群れに加わる以前から既にほぼカップルとして成立していたとも見られている。
しかし、誉を気に入っていたのは静もそうであり、嫉妬から彼女は蒼にもきつく当たったようだ。
彼女が蒼を追い掛け回す姿が、メイフェアによって映像として記録されているんだ。
だがそんな蒼のことももちろん、蒼にきつく当たった静のことも、誉は親しくした。彼女が自分に優しくしてくれたというのもあったんだろうが、静が辛い境遇にあったことを悟っていたというのもあったらしい。
うむ。我が息子ながら何という器の大きさか。
もっとも、その余裕を持てたのも、メイフェアの存在があってこそという面も確かにあるんだろうな。
そう。立派な人間も、実は立派でいられるのを支えてくれた存在が人知れずいるということでもあるんだと思ったよ。
そして誉がボスになる直前には静も事実上、誉の<妻>になっていた。
まあ、蒼との間にはすでに保と翠が生まれていたし、命もそうだったようだが。
ちなみに、誉の<筆おろし>の相手は静が務めたらしいな。
<ボノボ人間>の名前の由来ともなった、仲間同士での濃密なスキンシップは蒼とも行ってたんだが、最後まで行ったのは静が先だったということか。
これも、パパニアンの間では普通のことらしい。経験豊富な雌が若い雄に手ほどきをするというのはな。そしてそれを若い雌も嫉妬したりはしない。そういうものだという認識があるからだ。
と言うか、ベテランの雌に見向きもされないような雄はそれこそモテないみたいだな。
実際、そういう形で全く雌に相手にしてもらえず、仕方なく雄同士で慰め合う姿も、数こそは少ないが目撃されている。
ただし、それとは別に、元々同性愛の個体も、全体の一パーセント程度ではあるものの確実にいて、同性同士のカップルも目撃されているんだ。
これも、理由はまだ判然としないが、<自然の摂理>らしい。
人間が認める認めないといくら騒ごうが、現にそういうものらしいから、俺は別にそれでいいと思ってる。
もっとも、俺自身は同性に言い寄られても、好きになれないと思えばきっぱりと断るけどな。
同性か異性かという以前に、好きになれない相手と付き合う必要はないからな。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
163
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる