377 / 2,554
幸せ
本当に強さ順にって(感じもするな)
しおりを挟む
などと、新と凛のことで何気に気を揉んでる最中にも、また別の、小さな、しかし俺にとっては気になる変化があった。
鷹のことだ。
タカ人間は人間の形態を残しつつ翼を持つという無理な形質を持つ所為か、体は小柄で成体になっても一見すると子供のようにも見えてしまうくらいに幼い印象がある。だから刃のようなカマキリ人間とは別の形で年齢が分かりにくいんだが、遺伝子解析をすれば、当然、それもかなり正確に分かる。と言うか、データが蓄積されたことで分かるようになってきた。
で、鷹についてなんだが、彼女は実は俺と付き合いだした時にはもう立派な大人だったらしい。
つまり、あれからそれなりの年月が経った今では、彼女は『老いてきてる』んだ。その所為か、最近、俺といちゃついていても最後まで求めなくなっていた。そういう部分が減衰してきてたんだろうな。
以前のような気性の激しい部分も鳴りを潜めている気もする。狩りに出る回数も減り、ローバーのルーフキャリアに作った自分の<巣>で一人ぼんやりと空を眺めてる姿が目立つようになっていた。
それは、刃の晩節を思い起こさせるには十分なものだったと思う。
「鷹……お前もなのか……?」
シモーヌが凛を連れて里帰りして、本来ならイレーネがいない時には調査は休みになる筈のチームBも、新しいドーベルマンDK-a拾号機の性能評価の為にすぐ近所ではあるが出ていることで家が静かでそれだけ集中しやすかったから改めて気付いたんだと思う。
以前にも言ったが、彼女達の様子にあまり触れてこなかったのは、いつもと変わらない毎日を送れてたことでその必要がなかったからだ。これは、密や伏も同様である。彼女らとの関係は今も良好で、これといったトラブルもない。機嫌が悪い時に牙を剥いて睨まれたりするのも、それ自体が日常の光景だった。だからその程度じゃ触れる理由もない。
それが、今までと違ってきたからこそ触れることになったという訳だ。
鷹と一緒にいられる時間も、もうそれほど長くないということか……
なんだか、本当に強さ順にって感じもするな。
もっとも、それ自体、たまたまというだけだとは思うが。
鷹の娘であり灯の姉である翔は今も元気で、三人目の子を育ててる最中だ。翔の第一子である凌も巣立ち、元気にしている。
また、鷹の息子である彗も巣立って、パートナーはまだだが元気にしてる。
しっかりと鷹の命は受け継がれていってる。
そういう意味では、もう、役目を終えたということでもあるんだろうな……
鷹のことだ。
タカ人間は人間の形態を残しつつ翼を持つという無理な形質を持つ所為か、体は小柄で成体になっても一見すると子供のようにも見えてしまうくらいに幼い印象がある。だから刃のようなカマキリ人間とは別の形で年齢が分かりにくいんだが、遺伝子解析をすれば、当然、それもかなり正確に分かる。と言うか、データが蓄積されたことで分かるようになってきた。
で、鷹についてなんだが、彼女は実は俺と付き合いだした時にはもう立派な大人だったらしい。
つまり、あれからそれなりの年月が経った今では、彼女は『老いてきてる』んだ。その所為か、最近、俺といちゃついていても最後まで求めなくなっていた。そういう部分が減衰してきてたんだろうな。
以前のような気性の激しい部分も鳴りを潜めている気もする。狩りに出る回数も減り、ローバーのルーフキャリアに作った自分の<巣>で一人ぼんやりと空を眺めてる姿が目立つようになっていた。
それは、刃の晩節を思い起こさせるには十分なものだったと思う。
「鷹……お前もなのか……?」
シモーヌが凛を連れて里帰りして、本来ならイレーネがいない時には調査は休みになる筈のチームBも、新しいドーベルマンDK-a拾号機の性能評価の為にすぐ近所ではあるが出ていることで家が静かでそれだけ集中しやすかったから改めて気付いたんだと思う。
以前にも言ったが、彼女達の様子にあまり触れてこなかったのは、いつもと変わらない毎日を送れてたことでその必要がなかったからだ。これは、密や伏も同様である。彼女らとの関係は今も良好で、これといったトラブルもない。機嫌が悪い時に牙を剥いて睨まれたりするのも、それ自体が日常の光景だった。だからその程度じゃ触れる理由もない。
それが、今までと違ってきたからこそ触れることになったという訳だ。
鷹と一緒にいられる時間も、もうそれほど長くないということか……
なんだか、本当に強さ順にって感じもするな。
もっとも、それ自体、たまたまというだけだとは思うが。
鷹の娘であり灯の姉である翔は今も元気で、三人目の子を育ててる最中だ。翔の第一子である凌も巣立ち、元気にしている。
また、鷹の息子である彗も巣立って、パートナーはまだだが元気にしてる。
しっかりと鷹の命は受け継がれていってる。
そういう意味では、もう、役目を終えたということでもあるんだろうな……
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる