238 / 2,554
子供達
交代制(せっかく人手も増えたことだし)
しおりを挟む
新暦〇〇〇九年四月三日。
「それでは行ってきます」
また今日も、灯を俺に預けてシモーヌは、セシリア、メイフェア、イレーネと共にコーネリアス号に向かう。
それを見送った後、宇宙船に籠ろうとする俺に鷹がぴったりとすり寄ってきた。はいはい、お相手しなさいってことですな。
灯を寝かしつけてから鷹の相手をさせてもらう。それにしても最近ますます色気が増したというか、求め方が濃密になった気がするなあ。<女ざかり>ってことなのかねえ。
などと俺が鷹とイチャイチャしてる間、エレクシアは誉の警護の為に密林に入っている。
ところで今回、実はもう一台のローバーも持って帰ることを決めていた。と言うのも、せっかくイレーネが来たので、コーネリアス号に帰るのは交代でということになったんだ。と言うか、単純にイレーネがいるからというだけじゃなく、実は、何度もメンテナンスを受けてる間に、彼女の機能がわずかに回復してきたんだ。それによって、コーネリアス号のドローンとリンクが行えるようになった。
それは、ドローンを目や耳として使うことができるというだけじゃない。それ以上に大きな意味を持つのが、ドローンが備えるAIの余剰部分を利用することで<思考>が行えるようになったという点。<記憶>についても、ドローンを外部記憶媒体にできて、これまでよりもずっといろいろなことが覚えられるようになる。
それでも、本来の性能と比べればまったく話にならない程度のものなので、今のイレーネには誉の警護までは任せられないものの、以前も言ったとおり戦闘モードについては特に問題ないことが確認できてるので、エレクシアが誉の警護に出てる間はイレーネが家の周辺の警護を行い、その間に、メイフェアとシモーヌがコーネリアス号に帰るという形になる。
そして、セシリアとイレーネがまた別の日に帰るという訳だ。
これは、コーネリアス号に週に二回、メイフェアとイレーネが交代で訪れて走や凱らの警護も行ってもらうという意味合いもある。
ヒト蛇の接近を警戒してのことだな。
「どうだ? ヒト蛇の方は」
満足した鷹がまどろんでる間に、俺はタブレットでシモーヌと連絡を取っていた。
「今日のところは近付いてくる気配はないようですね。ただ、念の為、セシリアとイレーネをこちらに残して、警戒することにします。明日の様子を見て、セシリアとイレーネにも帰ってもらいますけど」
シモーヌの判断に俺も異論はない。セシリアがいない分の家事は俺とエレクシアと光とシモーヌで分担すればいい。
メイフェアのメンテナンスを終えて、植物プラントで野菜の収穫を終えて、シモーヌとメイフェアは一足先にこちらに帰る。その間もヒト蛇の様子を確認し、今すぐコーネリアス号の方に近付いてくる訳じゃないことを確認した。
しかも幸いにも、やや離れるような動きをしたんだ。ソーラーバッテリーで動作する母艦ドローンは、ここで製造したバッテリーの性能がアレなこともあって夜間は動けないから、そこから射出されたマイクロドローンでヒト蛇を追う。夜が明けて母艦ドローンが動けるようになればそちらで監視して、マイクロドローンは充電の為に母艦に帰る。
そうやって監視を続けるという訳だ。
なお、コーネリアス号に残ったセシリアとイレーネについては、その間、メンテナンスを受けるのはもちろん、工作室で様々な物品を作ってもらう。こまごまとしたいろいろが必要だからな。
子供らがすぐ壊す窓枠とかな。
「それでは行ってきます」
また今日も、灯を俺に預けてシモーヌは、セシリア、メイフェア、イレーネと共にコーネリアス号に向かう。
それを見送った後、宇宙船に籠ろうとする俺に鷹がぴったりとすり寄ってきた。はいはい、お相手しなさいってことですな。
灯を寝かしつけてから鷹の相手をさせてもらう。それにしても最近ますます色気が増したというか、求め方が濃密になった気がするなあ。<女ざかり>ってことなのかねえ。
などと俺が鷹とイチャイチャしてる間、エレクシアは誉の警護の為に密林に入っている。
ところで今回、実はもう一台のローバーも持って帰ることを決めていた。と言うのも、せっかくイレーネが来たので、コーネリアス号に帰るのは交代でということになったんだ。と言うか、単純にイレーネがいるからというだけじゃなく、実は、何度もメンテナンスを受けてる間に、彼女の機能がわずかに回復してきたんだ。それによって、コーネリアス号のドローンとリンクが行えるようになった。
それは、ドローンを目や耳として使うことができるというだけじゃない。それ以上に大きな意味を持つのが、ドローンが備えるAIの余剰部分を利用することで<思考>が行えるようになったという点。<記憶>についても、ドローンを外部記憶媒体にできて、これまでよりもずっといろいろなことが覚えられるようになる。
それでも、本来の性能と比べればまったく話にならない程度のものなので、今のイレーネには誉の警護までは任せられないものの、以前も言ったとおり戦闘モードについては特に問題ないことが確認できてるので、エレクシアが誉の警護に出てる間はイレーネが家の周辺の警護を行い、その間に、メイフェアとシモーヌがコーネリアス号に帰るという形になる。
そして、セシリアとイレーネがまた別の日に帰るという訳だ。
これは、コーネリアス号に週に二回、メイフェアとイレーネが交代で訪れて走や凱らの警護も行ってもらうという意味合いもある。
ヒト蛇の接近を警戒してのことだな。
「どうだ? ヒト蛇の方は」
満足した鷹がまどろんでる間に、俺はタブレットでシモーヌと連絡を取っていた。
「今日のところは近付いてくる気配はないようですね。ただ、念の為、セシリアとイレーネをこちらに残して、警戒することにします。明日の様子を見て、セシリアとイレーネにも帰ってもらいますけど」
シモーヌの判断に俺も異論はない。セシリアがいない分の家事は俺とエレクシアと光とシモーヌで分担すればいい。
メイフェアのメンテナンスを終えて、植物プラントで野菜の収穫を終えて、シモーヌとメイフェアは一足先にこちらに帰る。その間もヒト蛇の様子を確認し、今すぐコーネリアス号の方に近付いてくる訳じゃないことを確認した。
しかも幸いにも、やや離れるような動きをしたんだ。ソーラーバッテリーで動作する母艦ドローンは、ここで製造したバッテリーの性能がアレなこともあって夜間は動けないから、そこから射出されたマイクロドローンでヒト蛇を追う。夜が明けて母艦ドローンが動けるようになればそちらで監視して、マイクロドローンは充電の為に母艦に帰る。
そうやって監視を続けるという訳だ。
なお、コーネリアス号に残ったセシリアとイレーネについては、その間、メンテナンスを受けるのはもちろん、工作室で様々な物品を作ってもらう。こまごまとしたいろいろが必要だからな。
子供らがすぐ壊す窓枠とかな。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる