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子供達
交代制(せっかく人手も増えたことだし)
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新暦〇〇〇九年四月三日。
「それでは行ってきます」
また今日も、灯を俺に預けてシモーヌは、セシリア、メイフェア、イレーネと共にコーネリアス号に向かう。
それを見送った後、宇宙船に籠ろうとする俺に鷹がぴったりとすり寄ってきた。はいはい、お相手しなさいってことですな。
灯を寝かしつけてから鷹の相手をさせてもらう。それにしても最近ますます色気が増したというか、求め方が濃密になった気がするなあ。<女ざかり>ってことなのかねえ。
などと俺が鷹とイチャイチャしてる間、エレクシアは誉の警護の為に密林に入っている。
ところで今回、実はもう一台のローバーも持って帰ることを決めていた。と言うのも、せっかくイレーネが来たので、コーネリアス号に帰るのは交代でということになったんだ。と言うか、単純にイレーネがいるからというだけじゃなく、実は、何度もメンテナンスを受けてる間に、彼女の機能がわずかに回復してきたんだ。それによって、コーネリアス号のドローンとリンクが行えるようになった。
それは、ドローンを目や耳として使うことができるというだけじゃない。それ以上に大きな意味を持つのが、ドローンが備えるAIの余剰部分を利用することで<思考>が行えるようになったという点。<記憶>についても、ドローンを外部記憶媒体にできて、これまでよりもずっといろいろなことが覚えられるようになる。
それでも、本来の性能と比べればまったく話にならない程度のものなので、今のイレーネには誉の警護までは任せられないものの、以前も言ったとおり戦闘モードについては特に問題ないことが確認できてるので、エレクシアが誉の警護に出てる間はイレーネが家の周辺の警護を行い、その間に、メイフェアとシモーヌがコーネリアス号に帰るという形になる。
そして、セシリアとイレーネがまた別の日に帰るという訳だ。
これは、コーネリアス号に週に二回、メイフェアとイレーネが交代で訪れて走や凱らの警護も行ってもらうという意味合いもある。
ヒト蛇の接近を警戒してのことだな。
「どうだ? ヒト蛇の方は」
満足した鷹がまどろんでる間に、俺はタブレットでシモーヌと連絡を取っていた。
「今日のところは近付いてくる気配はないようですね。ただ、念の為、セシリアとイレーネをこちらに残して、警戒することにします。明日の様子を見て、セシリアとイレーネにも帰ってもらいますけど」
シモーヌの判断に俺も異論はない。セシリアがいない分の家事は俺とエレクシアと光とシモーヌで分担すればいい。
メイフェアのメンテナンスを終えて、植物プラントで野菜の収穫を終えて、シモーヌとメイフェアは一足先にこちらに帰る。その間もヒト蛇の様子を確認し、今すぐコーネリアス号の方に近付いてくる訳じゃないことを確認した。
しかも幸いにも、やや離れるような動きをしたんだ。ソーラーバッテリーで動作する母艦ドローンは、ここで製造したバッテリーの性能がアレなこともあって夜間は動けないから、そこから射出されたマイクロドローンでヒト蛇を追う。夜が明けて母艦ドローンが動けるようになればそちらで監視して、マイクロドローンは充電の為に母艦に帰る。
そうやって監視を続けるという訳だ。
なお、コーネリアス号に残ったセシリアとイレーネについては、その間、メンテナンスを受けるのはもちろん、工作室で様々な物品を作ってもらう。こまごまとしたいろいろが必要だからな。
子供らがすぐ壊す窓枠とかな。
「それでは行ってきます」
また今日も、灯を俺に預けてシモーヌは、セシリア、メイフェア、イレーネと共にコーネリアス号に向かう。
それを見送った後、宇宙船に籠ろうとする俺に鷹がぴったりとすり寄ってきた。はいはい、お相手しなさいってことですな。
灯を寝かしつけてから鷹の相手をさせてもらう。それにしても最近ますます色気が増したというか、求め方が濃密になった気がするなあ。<女ざかり>ってことなのかねえ。
などと俺が鷹とイチャイチャしてる間、エレクシアは誉の警護の為に密林に入っている。
ところで今回、実はもう一台のローバーも持って帰ることを決めていた。と言うのも、せっかくイレーネが来たので、コーネリアス号に帰るのは交代でということになったんだ。と言うか、単純にイレーネがいるからというだけじゃなく、実は、何度もメンテナンスを受けてる間に、彼女の機能がわずかに回復してきたんだ。それによって、コーネリアス号のドローンとリンクが行えるようになった。
それは、ドローンを目や耳として使うことができるというだけじゃない。それ以上に大きな意味を持つのが、ドローンが備えるAIの余剰部分を利用することで<思考>が行えるようになったという点。<記憶>についても、ドローンを外部記憶媒体にできて、これまでよりもずっといろいろなことが覚えられるようになる。
それでも、本来の性能と比べればまったく話にならない程度のものなので、今のイレーネには誉の警護までは任せられないものの、以前も言ったとおり戦闘モードについては特に問題ないことが確認できてるので、エレクシアが誉の警護に出てる間はイレーネが家の周辺の警護を行い、その間に、メイフェアとシモーヌがコーネリアス号に帰るという形になる。
そして、セシリアとイレーネがまた別の日に帰るという訳だ。
これは、コーネリアス号に週に二回、メイフェアとイレーネが交代で訪れて走や凱らの警護も行ってもらうという意味合いもある。
ヒト蛇の接近を警戒してのことだな。
「どうだ? ヒト蛇の方は」
満足した鷹がまどろんでる間に、俺はタブレットでシモーヌと連絡を取っていた。
「今日のところは近付いてくる気配はないようですね。ただ、念の為、セシリアとイレーネをこちらに残して、警戒することにします。明日の様子を見て、セシリアとイレーネにも帰ってもらいますけど」
シモーヌの判断に俺も異論はない。セシリアがいない分の家事は俺とエレクシアと光とシモーヌで分担すればいい。
メイフェアのメンテナンスを終えて、植物プラントで野菜の収穫を終えて、シモーヌとメイフェアは一足先にこちらに帰る。その間もヒト蛇の様子を確認し、今すぐコーネリアス号の方に近付いてくる訳じゃないことを確認した。
しかも幸いにも、やや離れるような動きをしたんだ。ソーラーバッテリーで動作する母艦ドローンは、ここで製造したバッテリーの性能がアレなこともあって夜間は動けないから、そこから射出されたマイクロドローンでヒト蛇を追う。夜が明けて母艦ドローンが動けるようになればそちらで監視して、マイクロドローンは充電の為に母艦に帰る。
そうやって監視を続けるという訳だ。
なお、コーネリアス号に残ったセシリアとイレーネについては、その間、メンテナンスを受けるのはもちろん、工作室で様々な物品を作ってもらう。こまごまとしたいろいろが必要だからな。
子供らがすぐ壊す窓枠とかな。
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