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シモーヌ

再度確認(彼女は本当に…?)

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映像がメイフェアのカメラに切り替わると、密林に入ってすぐのところでほまれの姿が確認できた。メイフェアの後を追ってきてくれていたのだろう。だから彼女も、秋嶋あきしまシモーヌのところに駆けつけられたのだ。後の状況はエレクシアと随時連絡を取り合うことで確認できるし、まずはほまれの下に戻ったということか。この辺りはさすがに冷静だな。

そして、雨がやみ雷鳴が遠のく中、透明な秋嶋シモーヌを背負ったエレクシアが密林の中から出てきて、俺も宇宙船から出てそれを迎えた。

が、その前に、セシリアがさっとシーツを持って現れ、秋嶋シモーヌの体を包む。まあ、彼女は全裸だったからな。当然の対応だろう。



こうしてエレクシアに保護されて俺達のところに来た秋嶋シモーヌだったが、正直、状況は芳しくなかった。水中でワニ人間ワニに襲われたらしく、左腕は肘から先がちぎれかけていて、体のあちこちの肉が食いちぎられていた。

おそらく、さっきの落雷が河に落ちたんだろう。それでたまたまそこにいた不定形生物が彼女に変化し、それを獲物と思ったワニ人間ワニに襲われたということだろうな。

さりとて、ここに着いた時には鎮痛鎮静剤が効いていたからかほぼ意識を失っていて、話を聞くどころか挨拶すらできないままで、治療カプセルに入ってもらった。本音を言えば、不定形生物が基になった透明な体を持つ彼女に果たしてどの程度の効果があるのかは未知数だったものの、どうやら今のところは順調に回復しているようだ。ちぎれかけていた腕も再生の兆しが見える。まあ、多少の傷は残るかもだが。

あくまで見た目が透明なだけで、遺伝子などを調べても俺の宇宙船に備え付けられたレベルの分析器じゃ区別がつかないからな。まあそのまま使えるということか。

などということはさて置いて、エレクシアのカメラ映像を受信して治療カプセル内の秋嶋シモーヌを見ている筈のメイフェアに尋ねてみる。

「どうだメイフェア。本当に彼女に間違いないのか?」

するとタブレットからメイフェアの返事が届く。

「はい、体が透明であることを除けば、外見上は九九・九八パーセントの特徴が一致します。秋嶋シモーヌに間違いありません」

「…そうか……何と言うか、とにかく今回は助けられたってことだな。よくやったよ、メイフェア」

「ありがとうございます!」

はしゃいでるような声色のメイフェアに思わず苦笑いを浮かべながらも、俺も何だか安心していた。グンタイ竜グンタイの女王の時のようなのは二度とごめんだからな。

メイフェアのあんな姿は、俺としても二度と見たくない。

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