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シモーヌ
悲鳴だと!?(間違いなく人間の…?)
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『あの声は、秋嶋シモーヌのものに間違いありません!』
メイフェアがそう口走った時、俺は正直言って、彼女が壊れたのかという考えが頭をよぎってしまっていた。
秋嶋シモーヌの姿を模した女王の件があったからな。あの時のメイフェアの姿は、今でも頭に焼き付いてる。グンタイ竜の返り血を浴びて、顔についたそれが涙のように滴っていた彼女の姿を。
あれは、人間なら正気を失っててもおかしくない状況だったと思う。メイフェアはロボットだからそうならなかったというだけかもしれない。
それほどのものだった気がするんだ。だからまた『あの声は、秋嶋シモーヌのものに間違いありません!』なんて言い出すとか、とうとう……
だが、俺のそんな推測は、彼女が記録した音声データが再生された時に吹っ飛んだ。
「きゃーっっ!!」と言うか、むしろ「ぎゃーっっっ!!!」だな。本気で命の危険を感じてる女性の悲鳴に間違いなかった。密達ボノボ人間のそれとも何か違うと俺も感じた。確かに人間の悲鳴にも聞こえたんだ。
しかし、<人間の悲鳴>だと?
それが秋嶋シモーヌのそれかどうかは別にしても、俺以外に人間がいたとでも言うのか?
まあ可能性として一番高いのは、やっぱりボノボ人間辺りの悲鳴で、それがたまたま人間のそれにそっくりだったというケースだ。彼女らは、肉体的に見ると一番人間に近い。だから声だって人間のそれに近くて当然なんだ。
そういう意味では、他の種族だって人間そっくりの声を出せる可能性はある。鷹達タカ人間だって、口や喉の造りは、鋭い牙と頑丈な顎を除けば人間と殆ど変わらないことも分かってる。ただまあ、彼女達の叫び声は、どっちかと言うと「ギーッッ!」って感じのずっと高いそれだけどな。
なんてことを考えている時、再びメイフェアが捉えた音声に、俺は唖然とするしかなかった。
「助けて…! 助けてぇっっ!!」
と、声の主は間違いなく人間の言葉でそう言った。必死で助けを求める女性の声だった。
数瞬の間をおいてハッと我に返り、俺も叫んでいた。
「メイフェア! 助けろ!! エレクシア、メイフェアのバックアップ!! 非常対応モード!」
そう命令しつつ、宇宙船に閉じこもる用意をする。俺がそうしないとエレクシアは行ってくれないからな。
「承知しました」と応えつつポシェット型の救急セットとハーネスを身に着け、更に俺がちゃんと用意をしているのを見届けた上で非常対応モード(事実上の戦闘モード)に切り替わり、弾丸のように雷雨の密林へとエレクシアは駆け込んでいったのだった。
メイフェアがそう口走った時、俺は正直言って、彼女が壊れたのかという考えが頭をよぎってしまっていた。
秋嶋シモーヌの姿を模した女王の件があったからな。あの時のメイフェアの姿は、今でも頭に焼き付いてる。グンタイ竜の返り血を浴びて、顔についたそれが涙のように滴っていた彼女の姿を。
あれは、人間なら正気を失っててもおかしくない状況だったと思う。メイフェアはロボットだからそうならなかったというだけかもしれない。
それほどのものだった気がするんだ。だからまた『あの声は、秋嶋シモーヌのものに間違いありません!』なんて言い出すとか、とうとう……
だが、俺のそんな推測は、彼女が記録した音声データが再生された時に吹っ飛んだ。
「きゃーっっ!!」と言うか、むしろ「ぎゃーっっっ!!!」だな。本気で命の危険を感じてる女性の悲鳴に間違いなかった。密達ボノボ人間のそれとも何か違うと俺も感じた。確かに人間の悲鳴にも聞こえたんだ。
しかし、<人間の悲鳴>だと?
それが秋嶋シモーヌのそれかどうかは別にしても、俺以外に人間がいたとでも言うのか?
まあ可能性として一番高いのは、やっぱりボノボ人間辺りの悲鳴で、それがたまたま人間のそれにそっくりだったというケースだ。彼女らは、肉体的に見ると一番人間に近い。だから声だって人間のそれに近くて当然なんだ。
そういう意味では、他の種族だって人間そっくりの声を出せる可能性はある。鷹達タカ人間だって、口や喉の造りは、鋭い牙と頑丈な顎を除けば人間と殆ど変わらないことも分かってる。ただまあ、彼女達の叫び声は、どっちかと言うと「ギーッッ!」って感じのずっと高いそれだけどな。
なんてことを考えている時、再びメイフェアが捉えた音声に、俺は唖然とするしかなかった。
「助けて…! 助けてぇっっ!!」
と、声の主は間違いなく人間の言葉でそう言った。必死で助けを求める女性の声だった。
数瞬の間をおいてハッと我に返り、俺も叫んでいた。
「メイフェア! 助けろ!! エレクシア、メイフェアのバックアップ!! 非常対応モード!」
そう命令しつつ、宇宙船に閉じこもる用意をする。俺がそうしないとエレクシアは行ってくれないからな。
「承知しました」と応えつつポシェット型の救急セットとハーネスを身に着け、更に俺がちゃんと用意をしているのを見届けた上で非常対応モード(事実上の戦闘モード)に切り替わり、弾丸のように雷雨の密林へとエレクシアは駆け込んでいったのだった。
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