154 / 2,387
シモーヌ
お手伝い(光がますます人間化している…)
しおりを挟む
新暦〇〇〇七年七月十七日。
凶の襲撃から三週間。その間にも俺やエレクシアはグンタイ竜の対処とかいろいろあったものの、他の家族にとっては与り知らぬところでの話だったので、まあ平穏にやってたと思う。
特に光については、明が毎日のように家の近くまで来てたから絵本を読んであげたりしつつ、最近は、セシリアに家事を教わり始めたらしい。
俺は別に彼女にそんなことをさせようと思ってなかったのに、セシリアのしていることに興味を持って、真似したがったそうなのだ。
人間の親ならここで『二度手間になるから』とか言ってやらせなかったりするかも知れないが、メイトギアはそんなことはない。もちろん事故とかには気を付けるものの、子供がやりたいと言ってくる分には敢えてやらせるんだよな。明らかに危険な場合を除けば。
食事の用意や洗濯もそうだった。
食事については、割と皆勝手に食べてくるんだが、少なくとも俺と光の分はセシリアが用意してくれるから、光自身がそれをやってみたくなったようだ。
しかも洗濯まで。
コーネリアス号から持ってきた調理用具を設置して作った家のキッチンで、セシリアに教わりながら食材の用意をしたり、同じくコーネリアス号から持ってきた洗濯機の使い方も教わって、器用に洗濯をしたりと、普通の人間の女の子って感じだった。
ちなみに、現在の衣類に使われてる繊維は、高性能な防汚コーティングが施されているので、基本的には水洗いだけでほぼ完全に汚れが落ちる。これは食器類も同じだ。昔は当たり前のように毎回、洗剤とかを使って衣服や食器を洗ってたらしいが、それが環境汚染の原因にもなってたらしいのが俺達にはよく分からない。服や食器を綺麗にする為に環境を汚染するというのは、本末転倒もいいところじゃないんだろうか。
あと、闇雲に殺菌殺菌で、実際には有益な菌まで死滅させてかえって環境を悪くしたりなんてこともあったとか。
それでいて何故か天然素材を信奉し、天然素材は人工素材よりも優れていると信じられてもいたんだと。実際、人工素材自体の品質がその頃はまだまだ十分じゃなかったり、有害なものもあったりしてそれで不信感が広まったんだろうな。
まあそういう失敗を繰り返しながら少しずつ進歩してきたのが人間だから、あまり馬鹿にするのも違うにしても、今の人間の感覚からすると奇異には映るよな。
今では天然素材をありがたがるのは、ごく一部の宗教家くらいのものか。自身が信じる教義に合わせる為に。
もっとも俺も、コーネリアス号に残されていた様々な資材の恩恵があってこそそんなことを言ってられるのいうのもあるのか。
でなきゃ今ごろ、有り合わせの材料で作った服とか着てたかもしれないからなあ。
と、セシリアと一緒に洗濯物を干している光の姿を見ながら思ったりもしたのだった。
凶の襲撃から三週間。その間にも俺やエレクシアはグンタイ竜の対処とかいろいろあったものの、他の家族にとっては与り知らぬところでの話だったので、まあ平穏にやってたと思う。
特に光については、明が毎日のように家の近くまで来てたから絵本を読んであげたりしつつ、最近は、セシリアに家事を教わり始めたらしい。
俺は別に彼女にそんなことをさせようと思ってなかったのに、セシリアのしていることに興味を持って、真似したがったそうなのだ。
人間の親ならここで『二度手間になるから』とか言ってやらせなかったりするかも知れないが、メイトギアはそんなことはない。もちろん事故とかには気を付けるものの、子供がやりたいと言ってくる分には敢えてやらせるんだよな。明らかに危険な場合を除けば。
食事の用意や洗濯もそうだった。
食事については、割と皆勝手に食べてくるんだが、少なくとも俺と光の分はセシリアが用意してくれるから、光自身がそれをやってみたくなったようだ。
しかも洗濯まで。
コーネリアス号から持ってきた調理用具を設置して作った家のキッチンで、セシリアに教わりながら食材の用意をしたり、同じくコーネリアス号から持ってきた洗濯機の使い方も教わって、器用に洗濯をしたりと、普通の人間の女の子って感じだった。
ちなみに、現在の衣類に使われてる繊維は、高性能な防汚コーティングが施されているので、基本的には水洗いだけでほぼ完全に汚れが落ちる。これは食器類も同じだ。昔は当たり前のように毎回、洗剤とかを使って衣服や食器を洗ってたらしいが、それが環境汚染の原因にもなってたらしいのが俺達にはよく分からない。服や食器を綺麗にする為に環境を汚染するというのは、本末転倒もいいところじゃないんだろうか。
あと、闇雲に殺菌殺菌で、実際には有益な菌まで死滅させてかえって環境を悪くしたりなんてこともあったとか。
それでいて何故か天然素材を信奉し、天然素材は人工素材よりも優れていると信じられてもいたんだと。実際、人工素材自体の品質がその頃はまだまだ十分じゃなかったり、有害なものもあったりしてそれで不信感が広まったんだろうな。
まあそういう失敗を繰り返しながら少しずつ進歩してきたのが人間だから、あまり馬鹿にするのも違うにしても、今の人間の感覚からすると奇異には映るよな。
今では天然素材をありがたがるのは、ごく一部の宗教家くらいのものか。自身が信じる教義に合わせる為に。
もっとも俺も、コーネリアス号に残されていた様々な資材の恩恵があってこそそんなことを言ってられるのいうのもあるのか。
でなきゃ今ごろ、有り合わせの材料で作った服とか着てたかもしれないからなあ。
と、セシリアと一緒に洗濯物を干している光の姿を見ながら思ったりもしたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
163
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる