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大家族

決断(生きるか死ぬかだからな)

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恐らく、そこを縄張りにしていたボノボ人間ボノボの群れであろうそれらの遺体の中には、明らかに子供の骨も含まれていた。雄も雌も大人も子供も関係なく殺されて貪り尽くされたんだ……

これが、きょうグンタイ竜グンタイの仕業なら、あの時、俺が感じた通り、やはり木の上は必ずしも安全じゃないということなんだろうな。あの時には樹上から襲い掛かるボノボ人間ボノボの群れに成す術なくやられてた感じだったから咄嗟には無理なのかもしれないが、何らかの準備をした上でなら樹上にいる動物でさえ襲えるということだろうと思われた。

だがこれは、明らかにマズい事態だ。なぜならば、奴らグンタイ竜グンタイが再び兵力を増強し体勢を立て直す為の<食料>として、この群れと縄張りを接していたほまれが今いる群れが襲われる可能性があるということなのだから。

いくらメイフェアXN12Aがほまれを守っていると言っても、ほまれ一人なら守り切れるだろうと言っても、群れが全滅したんじゃ意味がない。

「…駆除しよう……!」

俺は、奥歯をギリっと鳴らしながらそう言った。奴らが自然かどうかはもう関係ない。これは、<種>そのものの生き残りを懸けた生存競争なのだ。遠慮をしていては自分が死ぬ。自分の仲間達が殺される。そういう種類のものだった。人間同士の諍いとは違う。

「承知しました。ご命令とあらば、私も全力をもって当たらせていただきます」

俺の言葉を受けて、エレクシアは静かにそう応えた。気負うことなく、戸惑うことなく、ただ冷淡に。





新暦〇〇〇七年七月二日



決断してからの俺達の行動は早かった。ドローンをさらに増やして監視網を強化して奴らがまだここを再度包囲してないことを確認し、加えて中継器をこれまでの三倍奥まで設置し、それによってドローンを派遣。グンタイ竜グンタイの拠点の特定、及び、女王かそれに類する<何か>の所在確認を急いだ。

その間にも、ショットガン二丁と自動小銃一丁、及びナイフ(予備を含めて三本)と弾丸と爆薬を準備する。

駆除には、エレクシア一人で行ってもらうことにした。俺がついて行くとかえって足手まといになるからな。彼女が留守の間は俺は宇宙船に籠って安全を確保することになる。情けないが、それが一番確実なんだ。

中継器の設置(今回は急ぎなので雨曝しでも仕方ない)をしながら、俺はエレクシアに話し掛けた。

「お前なら大丈夫だとは思うが、無理はするなよ。対処しきれないと思ったらすぐさま撤退しろ。改めて対策を講じてから出直せばいい。今回のはあくまで<威力偵察>だ。今回だけで片を付ける必要はない」

「はい、承知しています。私はマスターを守る<盾>です。その役目を放棄することはありません」

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