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大家族
所在不明(まさかこんなことになってるとは…)
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この惑星に生息するグンタイアリによく似た昆虫を俺はグンタイアリモドキと仮称してるんだが、その生態も見た目もほぼグンタイアリそのものである。ただ、遺伝子を解析すると完全にアリとは別種の昆虫なので、似たような環境、似たような進化を遂げた別種の生き物がよく似た姿になるという現象の一つなんだろうな。
で、生態もグンタイアリに似てるということは、群れの頂点は<女王>だということだ。
解剖の結果、凶は雄だということが改めて確認できた。つまり、あの群れのボスと言うか頂点は、凶ではないという可能性が高いということでもある。あいつはただの<前線の指揮官>でしかないのかもしれない。
ということは、何千匹ものボクサー竜(に似た動物)を生み出した<女王>的な奴が存在する可能性がある訳だ。
これまでそんな奴の存在が確認できなかったことと、凶が悠と同じく透明な体をしていたということから、凶とその女王(?)はここ数年内にあの不定形生物が変化して生まれたキメラ(<グンタイ竜>と仮称する)であり、そいつらが番ってあの群れを作ったというのが俺の仮説だった。
「その仮定で大きく矛盾は生じていないと考えます」
と、エレクシアも同意してくれた。
となればやはり、放っておけば再度の襲撃が考えられるということか……
こんなことが何度もあっては必ず防ぎきれるとは限らない。奴らだってさらに知恵を付けてくる可能性もある。ましてやあんなのが大量発生したら、先にも言った通りこの辺りの動物は狩り尽くされて大変なことになる可能性がある。
現にもう既に、メイフェアXN12Aからそれを窺わせる報告が届いていた。誉が迎え入れられた群れと縄張りを接していたボノボ人間の群れの所在が確認できないのだ。
そこで俺は、メイフェアXN12Aに頼んでみた。
「誉の警護の合間で構わないから、その所在不明になった群れの捜索をしてもらえないだろうか?」
「分かりました。誉様がお休み中に、半径五百メートルを限度に捜索してみます」
との返事をもらい、取り敢えずは次の報告待ちとなった。
だが、その報告は思っていた以上に早かった。しかも、最悪の内容で。
「こちらは私が捉えた映像です。おそらく群れの殆どがここにいるものと思われます」
襲撃から四日後の深夜。メイフェアXN12Aから届いた映像を見た俺は、その光景に眉をしかめずにはいられなかった。
少なく見積もっても二十体以上の、人間によく似た動物が何者かによって食い散らかされてほぼ白骨化した死体が散乱していたのだから。
で、生態もグンタイアリに似てるということは、群れの頂点は<女王>だということだ。
解剖の結果、凶は雄だということが改めて確認できた。つまり、あの群れのボスと言うか頂点は、凶ではないという可能性が高いということでもある。あいつはただの<前線の指揮官>でしかないのかもしれない。
ということは、何千匹ものボクサー竜(に似た動物)を生み出した<女王>的な奴が存在する可能性がある訳だ。
これまでそんな奴の存在が確認できなかったことと、凶が悠と同じく透明な体をしていたということから、凶とその女王(?)はここ数年内にあの不定形生物が変化して生まれたキメラ(<グンタイ竜>と仮称する)であり、そいつらが番ってあの群れを作ったというのが俺の仮説だった。
「その仮定で大きく矛盾は生じていないと考えます」
と、エレクシアも同意してくれた。
となればやはり、放っておけば再度の襲撃が考えられるということか……
こんなことが何度もあっては必ず防ぎきれるとは限らない。奴らだってさらに知恵を付けてくる可能性もある。ましてやあんなのが大量発生したら、先にも言った通りこの辺りの動物は狩り尽くされて大変なことになる可能性がある。
現にもう既に、メイフェアXN12Aからそれを窺わせる報告が届いていた。誉が迎え入れられた群れと縄張りを接していたボノボ人間の群れの所在が確認できないのだ。
そこで俺は、メイフェアXN12Aに頼んでみた。
「誉の警護の合間で構わないから、その所在不明になった群れの捜索をしてもらえないだろうか?」
「分かりました。誉様がお休み中に、半径五百メートルを限度に捜索してみます」
との返事をもらい、取り敢えずは次の報告待ちとなった。
だが、その報告は思っていた以上に早かった。しかも、最悪の内容で。
「こちらは私が捉えた映像です。おそらく群れの殆どがここにいるものと思われます」
襲撃から四日後の深夜。メイフェアXN12Aから届いた映像を見た俺は、その光景に眉をしかめずにはいられなかった。
少なく見積もっても二十体以上の、人間によく似た動物が何者かによって食い散らかされてほぼ白骨化した死体が散乱していたのだから。
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