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大家族

解剖(凶の秘密に迫れるか…?)

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新暦〇〇〇七年六月二十九日。



きょうが引き連れていたボクサー竜ボクサーを駆除するべきかどうかを判断する前に、彼らについて改めて調べることにした。

まずは、きょうそのものについてからだ。

ふく達に食べられたりしないうちに死体を取り敢えず回収しておいたんだが、さっそく解剖からということにしよう。

エレクシアが家の外側に、補修用としてあらかじめ用意してあった材料を使って小さな部屋を三十分で作り上げ、そこを手術室とした。キャンプ用の折り畳みのテーブルを手術台としてきょうの死体を置いてすぐさまエレクシアと手分けしてナイフで解剖を始める。

俺は別に生物学者でも何でもないが、食材としての動物達を解体とかしてるうちになんか慣れてしまったんだよな。

で、一通りバラしてみたが、それを見たエレクシアの第一声が、

「脳が、ボクサー竜ボクサーにしては大きすぎますね。そして、人間の脳の特徴と類似する部分がみられます。大脳皮質が他のボクサー竜ボクサーに比べて非常に発達しています」

だった。

メイトギアである彼女には、緊急時の救命措置もできるように医学的なデータもある程度は備えられてる。その中で人間の脳についてのデータに照らし合わせた上での意見らしい。

俺も詳しくはないが、確かに他の普通のボクサー竜ボクサーとは明らかに違うという印象はあった。とは言え、脳まで透明なもんだからどうにも違和感が。そもそもこんな透明な脳でちゃんと機能してるというのがよく分からない。

次に、分析機にかけてみて、以前に調べたボクサー竜ボクサーとで遺伝子に違いがあるのかを調べてみた。

ら、出たよ。あからさまなくらいの違いが。と言うか、こいつ、見た目こそはボクサー竜ボクサーだが、やっぱりキメラだった。しかも恐らく、グンタイアリモドキ(仮)と人間の。

そう、きょうは確かに、ボクサー竜ボクサーとグンタイアリモドキ(仮)と人間のキメラだったのだ。非常に乱暴に説明すると、ボクサー竜ボクサー七割、グンタイアリモドキ(仮)二割、人間一割といった感じか。

そしてさらに、きょうが率いていたボクサー竜ボクサーも、人間の比率はきょうの十分の一以下だったが同じくキメラだった。つまり、あいつらはボクサー竜ボクサーの姿はしていても実際には全く別種の生き物だったということになる。

「いや…だとしたらおかしいぞ……? ここまで遺伝子が異なるきょうがどうやって子をしたんだ……?」

俺は、自分が気付いてしまったそれに、背筋が凍るのを感じていた。

「そうだ。こいつらがグンタイアリのような性質を持った生き物なら、本当のボスと言うか<群れの頂点>はきょうじゃない……?」

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