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大家族
逼迫(まずいまずいまずいまずい…!)
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自動小銃を滅多やたらに放ちながら、俺はまとまらない思考の中で何とか家族全員が助かる方法を考えた。考えているつもりだった。実際にはとりとめのない雑念のようなものがただ頭の中を駆け巡るだけで、実効性のあるものなど何一つ思い浮かばなかったんだけどな。
とその時、「ギャアッ!」と俺の背後で吼えるものがいた。思わず振り返ると、そこには歯を剥き出して鬼のような形相になった密がいた。その手には、一匹のボクサー竜が握られていた。
くそっ! 家の中にまで入り込まれたのか!?
そう思った俺の目の前で、密が、捕えたボクサー竜の首を、まるで雑巾を絞るように捩じった。「ギッッ!」っという断末魔と共に、首を捩じられてそいつが絶命する。
しかも他にも入り込んでいたボクサー竜に、焔と新が飛び付いて動きを止め、彩と凛が首に噛み付いてとどめを差す。すごいな、もうそこまでできるんだ…!
更には大人しそうな光でさえ、母親の密と同じようにボクサー竜を捕えて首を捩じ切って殺していた。身体能力そのものは引けを取らないからだ。そして、生きる為ならば、人間のような躊躇もしない。見た目こそ人間そのものでも、彼女もやっぱりここで生きる者の一人なんだと思わされる。
はは……結局、俺が一番足手まといなんじゃないか……
などと思っていた俺の耳に、「ガアッ!」という咆哮が届いた。外からだ。それに振り返った俺の視線の先に、密林の中でボクサー竜を薙ぎ払う人影が見えた。
「來!?」
來だった。來がボクサー竜を口に咥え両手に掴みながら密林を飛び出してきて、力と悠の傍へと駆け寄ってきた。そこに飛び掛かろうとしたボクサー竜を、太い尻尾の一撃で叩き落としながら。
まさか、応援に来てくれたのか…?
いくらなんでもこの状況を察知して河から来てくれた訳じゃないだろう。たまたま近くまで来たかなにかして遭遇した感じかも知れない。だが、立派なワニ人間として成長したその姿がたまらなく頼もしく見えた。
しかもその時、
「錬是様! メイフェアXN12Aが私とのリンクを要請してきています! 許可いたしますか?」
とセシリアが叫ぶ。
それは、メイトギアも含めたロボットに与えられた機能だった。複数のロボットをリンクによって結び、本体となるロボットの<子機>のように操作して有機的に連動させるというものだった。それにより、本来は戦闘力を持たないセシリアも、メイフェアXN12Aの一部として一時的に戦闘力を持つことができるのだった。
とその時、「ギャアッ!」と俺の背後で吼えるものがいた。思わず振り返ると、そこには歯を剥き出して鬼のような形相になった密がいた。その手には、一匹のボクサー竜が握られていた。
くそっ! 家の中にまで入り込まれたのか!?
そう思った俺の目の前で、密が、捕えたボクサー竜の首を、まるで雑巾を絞るように捩じった。「ギッッ!」っという断末魔と共に、首を捩じられてそいつが絶命する。
しかも他にも入り込んでいたボクサー竜に、焔と新が飛び付いて動きを止め、彩と凛が首に噛み付いてとどめを差す。すごいな、もうそこまでできるんだ…!
更には大人しそうな光でさえ、母親の密と同じようにボクサー竜を捕えて首を捩じ切って殺していた。身体能力そのものは引けを取らないからだ。そして、生きる為ならば、人間のような躊躇もしない。見た目こそ人間そのものでも、彼女もやっぱりここで生きる者の一人なんだと思わされる。
はは……結局、俺が一番足手まといなんじゃないか……
などと思っていた俺の耳に、「ガアッ!」という咆哮が届いた。外からだ。それに振り返った俺の視線の先に、密林の中でボクサー竜を薙ぎ払う人影が見えた。
「來!?」
來だった。來がボクサー竜を口に咥え両手に掴みながら密林を飛び出してきて、力と悠の傍へと駆け寄ってきた。そこに飛び掛かろうとしたボクサー竜を、太い尻尾の一撃で叩き落としながら。
まさか、応援に来てくれたのか…?
いくらなんでもこの状況を察知して河から来てくれた訳じゃないだろう。たまたま近くまで来たかなにかして遭遇した感じかも知れない。だが、立派なワニ人間として成長したその姿がたまらなく頼もしく見えた。
しかもその時、
「錬是様! メイフェアXN12Aが私とのリンクを要請してきています! 許可いたしますか?」
とセシリアが叫ぶ。
それは、メイトギアも含めたロボットに与えられた機能だった。複数のロボットをリンクによって結び、本体となるロボットの<子機>のように操作して有機的に連動させるというものだった。それにより、本来は戦闘力を持たないセシリアも、メイフェアXN12Aの一部として一時的に戦闘力を持つことができるのだった。
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