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大家族
來(子供達の頼れるお姉ちゃん…?)
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新暦〇〇〇三年九月二十九日
來は、力と悠の子供なので、誉達とは直接は兄弟姉妹じゃない。ただ、力と悠が俺達の仲間だという認識があるらしく、それを受けて來も俺達の仲間であるという認識はあるらしかった。
誉達よりは一年ほど先に生まれたことで姉のような立場にあり、実際、來自身も姉のように振る舞っている。
が、いかんせん、水生生物である彼女と陸生生物である誉達ではそもそも行動範囲で重なる部分が小さく、池の周辺で遊んでる時に一緒になるくらいだったが。
その一方で、子供達の中では大人しく行動が落ち着いてて、池の周りで一人で遊ぶことも多い光とはけっこう一緒に遊んでることがある。だいたいは池の泥をこねて何かの形を作ったり山にして穴を掘ったりという感じなのだが、興が乗ってくると來が光を池の中に連れ込んで遊ぼうとするので、特に目が離せない。
光自身、池には基本的に入ろうとはしない。なので池に連れ込もうとする來に抵抗してるところを俺やエレクシアやセシリアが助ける形になる。それでも、池に入ること以外では遊んでもらえるのが嬉しいらしく、兄弟姉妹の中で一番一緒にいることが多いと思う。
しかも、ホースで噴水みたいにしてやると、それは光だけじゃなく誉や走達も一緒になって遊んでくれる。
なお、悠については完全に力や來と同じ種族として振る舞い、あの不定形生物に戻るような気配すらなかった。相変わらず仲も良く、人間じゃないからその辺も気にしないのか娘の前でも平気でいたしてる時がある。來の方も特に気にしてる様子もない。両親の仲がいいのが分かって安心してるのだろうか。
あと、悠の基になった不定形生物のことだが、あの時にそれが変化したと思しき悠そっくりの透明な個体が、プローブのカメラに捉えられたことがあった。そちらも同じ仲間にまぎれて普通に暮らしてるらしく、子供までいるのが確認できた。
厳密にはあの時の個体かどうかは判然としないものの、他にも悠と同じ姿をした透明なのがいるということだけははっきりしたので、今後も調査を続けたいと思う。
まあ、当分、それをまとめるのは難しそうだけどな。
だがそれは別に焦る必要もないだろう。今はただ、このハーレムを満喫すればいいだけだと思う。
と言うか、それしかできないが。
子供達がさらに大きくなるにしたがってまたいろいろ大変なことも出てくるかもしれないものの、それはそれで楽しんでしまえばいいって気もする。
なお、現時点でできる範囲のことでは、悠についても事あるごとに細胞片などを分析に掛けてるものの、これまでに得られた以上のことは分からない。出産の時の胎盤の欠片もセシリアが回収してくれて分析に掛けたが、やっぱりただの胎盤だった。
しかし、面白いことに、胎盤の一部は透明じゃなかった。特に臍の緒から先は普通なんだ。
セシリアによると、
「概要としては、<基底脱落膜>までが透明で、<絨毛膜絨毛>からが通常のそれとなっていたようです。あくまでカメラに捉えられた映像による解析ではあるので、詳しく調べるには胎盤そのものが欲しいところでしたが、大部分は悠が食べてしまいましたので」
とのことだった。
正直、専門用語を並べられても俺にはチンプンカンプンではある。
來は、力と悠の子供なので、誉達とは直接は兄弟姉妹じゃない。ただ、力と悠が俺達の仲間だという認識があるらしく、それを受けて來も俺達の仲間であるという認識はあるらしかった。
誉達よりは一年ほど先に生まれたことで姉のような立場にあり、実際、來自身も姉のように振る舞っている。
が、いかんせん、水生生物である彼女と陸生生物である誉達ではそもそも行動範囲で重なる部分が小さく、池の周辺で遊んでる時に一緒になるくらいだったが。
その一方で、子供達の中では大人しく行動が落ち着いてて、池の周りで一人で遊ぶことも多い光とはけっこう一緒に遊んでることがある。だいたいは池の泥をこねて何かの形を作ったり山にして穴を掘ったりという感じなのだが、興が乗ってくると來が光を池の中に連れ込んで遊ぼうとするので、特に目が離せない。
光自身、池には基本的に入ろうとはしない。なので池に連れ込もうとする來に抵抗してるところを俺やエレクシアやセシリアが助ける形になる。それでも、池に入ること以外では遊んでもらえるのが嬉しいらしく、兄弟姉妹の中で一番一緒にいることが多いと思う。
しかも、ホースで噴水みたいにしてやると、それは光だけじゃなく誉や走達も一緒になって遊んでくれる。
なお、悠については完全に力や來と同じ種族として振る舞い、あの不定形生物に戻るような気配すらなかった。相変わらず仲も良く、人間じゃないからその辺も気にしないのか娘の前でも平気でいたしてる時がある。來の方も特に気にしてる様子もない。両親の仲がいいのが分かって安心してるのだろうか。
あと、悠の基になった不定形生物のことだが、あの時にそれが変化したと思しき悠そっくりの透明な個体が、プローブのカメラに捉えられたことがあった。そちらも同じ仲間にまぎれて普通に暮らしてるらしく、子供までいるのが確認できた。
厳密にはあの時の個体かどうかは判然としないものの、他にも悠と同じ姿をした透明なのがいるということだけははっきりしたので、今後も調査を続けたいと思う。
まあ、当分、それをまとめるのは難しそうだけどな。
だがそれは別に焦る必要もないだろう。今はただ、このハーレムを満喫すればいいだけだと思う。
と言うか、それしかできないが。
子供達がさらに大きくなるにしたがってまたいろいろ大変なことも出てくるかもしれないものの、それはそれで楽しんでしまえばいいって気もする。
なお、現時点でできる範囲のことでは、悠についても事あるごとに細胞片などを分析に掛けてるものの、これまでに得られた以上のことは分からない。出産の時の胎盤の欠片もセシリアが回収してくれて分析に掛けたが、やっぱりただの胎盤だった。
しかし、面白いことに、胎盤の一部は透明じゃなかった。特に臍の緒から先は普通なんだ。
セシリアによると、
「概要としては、<基底脱落膜>までが透明で、<絨毛膜絨毛>からが通常のそれとなっていたようです。あくまでカメラに捉えられた映像による解析ではあるので、詳しく調べるには胎盤そのものが欲しいところでしたが、大部分は悠が食べてしまいましたので」
とのことだった。
正直、専門用語を並べられても俺にはチンプンカンプンではある。
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