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私、アイドルとか興味ない
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家や友達の前でははっちゃけてる私だけど、実は学校では割とおとなしくしてた。特に、クラスでは<リンちゃん>って子に目を付けられてて、なるべく目立たないようにしてたんだ。
<リンちゃん>は、アイドル好きの女の子だった。それこそ、名前を出したら百人中九十九人が知ってそうな男性アイドルグループの大ファンだった。
彼女とは五年生の時にもクラスが一緒で、その頃、今以上に自分の推しのアイドルグループの布教活動に余念がなくてしつこく勧めてくる彼女に対して言っちゃったんだ。
「私、アイドルとか興味ない」
って、そしたら彼女、キレちゃって。
「はあ!? 彼らの良さが分からないとか、頭おかしいんじゃないの!? あんたそれでも人間!?」
とかなんとか罵られちゃって。
その時、担任の先生が飛んできて、
「杓埜さん、『頭おかしい』とか『それでも人間?』とか、そういう言い方は好ましくありませんよ」
とお説教してくれたからモロに罵ってくることはなくなったけど、ネチネチとイヤミとか言ってくるようになって、私はすっかり彼女のことが苦手になってしまった。って言うか、彼女だけじゃなくて、よっしーやマリーみたいにアニメとかマンガとかゲームとかが好きな子意外とは話をするのも怖くなっちゃったかな。
あ、『杓埜さん』っていうのはリンちゃんの名字ね。
リンちゃんにそんな風に言われて嫌な気分で家に帰ったら、パパが私に訊いてきた。
「何かあったのか…?」
って。
パパは、私が何も言わなくても顔を見るだけでだいたい分かるみたい。『親なんて子供の気持ちぜんぜん分かろうとしないよね~』みたいなことを言ってる子もいるけど、パパは違うよ。私が落ち込んでたりしたら気付いてくれるよ。
だからリンちゃんのことも正直に話した。
「そうか、大変だったな」
パパはそう言って私をぎゅっとしてくれた上で言った。
「美智果。お父さんは美智果がアイドルに興味ないこと知ってるし、美智果がアイドルをディスろうとしてるわけじゃないことも知ってるけど、好きな人の前では言い方を気を付けた方がよかったかもしれないな。
もちろん言い方もあるにしても、自分の好きなものを目の前で興味ないって言われるのは、あまり気分のいいものじゃないだろうからね。今度からは気を付けた方がいいかも」
ってね。
もし、パパが私の気持ちとか分かってくれてなくてそれでそんなこと言われたら『どうしてリンちゃんの味方するの!?』って思ってしまってたかもしれないけど、パパはちゃんと私の味方だって分かるから、私も、
「うん…」
って言えたんだよね。
<リンちゃん>は、アイドル好きの女の子だった。それこそ、名前を出したら百人中九十九人が知ってそうな男性アイドルグループの大ファンだった。
彼女とは五年生の時にもクラスが一緒で、その頃、今以上に自分の推しのアイドルグループの布教活動に余念がなくてしつこく勧めてくる彼女に対して言っちゃったんだ。
「私、アイドルとか興味ない」
って、そしたら彼女、キレちゃって。
「はあ!? 彼らの良さが分からないとか、頭おかしいんじゃないの!? あんたそれでも人間!?」
とかなんとか罵られちゃって。
その時、担任の先生が飛んできて、
「杓埜さん、『頭おかしい』とか『それでも人間?』とか、そういう言い方は好ましくありませんよ」
とお説教してくれたからモロに罵ってくることはなくなったけど、ネチネチとイヤミとか言ってくるようになって、私はすっかり彼女のことが苦手になってしまった。って言うか、彼女だけじゃなくて、よっしーやマリーみたいにアニメとかマンガとかゲームとかが好きな子意外とは話をするのも怖くなっちゃったかな。
あ、『杓埜さん』っていうのはリンちゃんの名字ね。
リンちゃんにそんな風に言われて嫌な気分で家に帰ったら、パパが私に訊いてきた。
「何かあったのか…?」
って。
パパは、私が何も言わなくても顔を見るだけでだいたい分かるみたい。『親なんて子供の気持ちぜんぜん分かろうとしないよね~』みたいなことを言ってる子もいるけど、パパは違うよ。私が落ち込んでたりしたら気付いてくれるよ。
だからリンちゃんのことも正直に話した。
「そうか、大変だったな」
パパはそう言って私をぎゅっとしてくれた上で言った。
「美智果。お父さんは美智果がアイドルに興味ないこと知ってるし、美智果がアイドルをディスろうとしてるわけじゃないことも知ってるけど、好きな人の前では言い方を気を付けた方がよかったかもしれないな。
もちろん言い方もあるにしても、自分の好きなものを目の前で興味ないって言われるのは、あまり気分のいいものじゃないだろうからね。今度からは気を付けた方がいいかも」
ってね。
もし、パパが私の気持ちとか分かってくれてなくてそれでそんなこと言われたら『どうしてリンちゃんの味方するの!?』って思ってしまってたかもしれないけど、パパはちゃんと私の味方だって分かるから、私も、
「うん…」
って言えたんだよね。
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