24 / 149
スゲー! うちの子スゲー!!
しおりを挟む
今回は、美智果が小さかった頃の話をしようと思う。
これはまあ、殆どの親が一度は通る道かもしれないけど、僕もあの子のことを『天才か!?』と思ってた時期があった。
今でも成績は、体育と音楽を除いて<よくできる>が殆ど。テストで百点を取るのは普通。だけどそこは、実は僕も同じだった。小学校まではテストで百点を取るのなんて別に珍しくもなかった。だから今はもう、『天才か!?』とまでは思ってない。塾で中三レベルの勉強してたって、その程度なら同じ塾に通ってる他の子らもやってることだから。
ただ、美智果がまだ四歳くらいの頃に、通わせてた認可外保育園で難読漢字をいくつも読んでみせたり世界中の国旗を覚えたりした時には『天才か!?』とは思ったなあ。
保育園での発表会みたいなのがあった時に、ぱっと見せられた国旗を見て、
「セントクリストファー・ネイビス!」
って一発で答える美智果に、
『どこの国だよ!? 聞いたこともねーよ!!』
って思わず心の中でツッコミながら『スゲー! うちの子スゲー!!』って思ったりしたもんだよな。でも子供ってそういうものらしいんだよね。脳が発達する時に上手く興味を持たせてあげるとびっくりするくらいどんどん吸収するらしい。
妻はその辺りに詳しくて、楽しく勉強をさせてあげられてた。だから小学校に上がる頃にはもう、英語も始めてたし算数は分数の計算辺りまで進んでたから、勉強で困ったことはまったくなかった。
だからって妻は美智果にお受験とかさせるつもりはなかったらしい。学力自体はずっと公立でついていけなくならない程度を身に付けてもらえれば充分だって思ってたらしかった。勉強してる様子もすごく楽しそうな感じで遊んでるみたいだったし、勉強が嫌いだった僕には到底できないことだったから、無理さえさせなえれば口出しするつもりもなかった。
妻がそうやって美智果に『勉強は楽しいものだ』って教えてくれたから、僕はそういう、勉強との向き合い方みたいな部分でも困ったことは殆どなかった。
ホント、すごい女性だったな。いわゆる<教育ママ>って呼ばれる人は多いかも知れないけど、彼女の場合は学力を伸ばすことが目的じゃなくて勉強を楽しめるようにするっていうのが違ってた気がする。
そんな妻が亡くなって僕には妻がやってたようなことをできる能力がないからこの先どうなるか分からない。ただ、今通ってる塾では楽しく勉強できるそうだから、あんまり心配しなくていいのかなって思ってたりもする。
でもそれも、妻が勉強の楽しさをこの子に教えてくれたからなんだなって、今でも感謝してるんだ
これはまあ、殆どの親が一度は通る道かもしれないけど、僕もあの子のことを『天才か!?』と思ってた時期があった。
今でも成績は、体育と音楽を除いて<よくできる>が殆ど。テストで百点を取るのは普通。だけどそこは、実は僕も同じだった。小学校まではテストで百点を取るのなんて別に珍しくもなかった。だから今はもう、『天才か!?』とまでは思ってない。塾で中三レベルの勉強してたって、その程度なら同じ塾に通ってる他の子らもやってることだから。
ただ、美智果がまだ四歳くらいの頃に、通わせてた認可外保育園で難読漢字をいくつも読んでみせたり世界中の国旗を覚えたりした時には『天才か!?』とは思ったなあ。
保育園での発表会みたいなのがあった時に、ぱっと見せられた国旗を見て、
「セントクリストファー・ネイビス!」
って一発で答える美智果に、
『どこの国だよ!? 聞いたこともねーよ!!』
って思わず心の中でツッコミながら『スゲー! うちの子スゲー!!』って思ったりしたもんだよな。でも子供ってそういうものらしいんだよね。脳が発達する時に上手く興味を持たせてあげるとびっくりするくらいどんどん吸収するらしい。
妻はその辺りに詳しくて、楽しく勉強をさせてあげられてた。だから小学校に上がる頃にはもう、英語も始めてたし算数は分数の計算辺りまで進んでたから、勉強で困ったことはまったくなかった。
だからって妻は美智果にお受験とかさせるつもりはなかったらしい。学力自体はずっと公立でついていけなくならない程度を身に付けてもらえれば充分だって思ってたらしかった。勉強してる様子もすごく楽しそうな感じで遊んでるみたいだったし、勉強が嫌いだった僕には到底できないことだったから、無理さえさせなえれば口出しするつもりもなかった。
妻がそうやって美智果に『勉強は楽しいものだ』って教えてくれたから、僕はそういう、勉強との向き合い方みたいな部分でも困ったことは殆どなかった。
ホント、すごい女性だったな。いわゆる<教育ママ>って呼ばれる人は多いかも知れないけど、彼女の場合は学力を伸ばすことが目的じゃなくて勉強を楽しめるようにするっていうのが違ってた気がする。
そんな妻が亡くなって僕には妻がやってたようなことをできる能力がないからこの先どうなるか分からない。ただ、今通ってる塾では楽しく勉強できるそうだから、あんまり心配しなくていいのかなって思ってたりもする。
でもそれも、妻が勉強の楽しさをこの子に教えてくれたからなんだなって、今でも感謝してるんだ
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
九尾の狐、監禁しました
八神響
ライト文芸
男はとある妖怪を探していた。
その妖怪の存在が男の人生を大きく変えたからだ。
妖怪を見つけて初めに言う言葉はもう決めてある。
そして大学4回生になる前の春休み、とうとう男は目当ての妖怪と出会う。
元陰陽師の大学生、大黒真が九尾の狐、ハクを監禁して(一方的に)愛を深めていく話。
100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて
ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。
便箋小町
藤 光一
ライト文芸
この世には、俄かには信じ難いものも存在している。
妖怪、悪魔、都市伝説・・・。
それらを総じて、人々は“オカルト”と呼んでいるが、
そう呼ばない者達も居る。
時に、便箋小町という店を知っているだろうか。
今で云うところの運び屋であるのだが、ただの配達業者ではない。
高校卒業後、十九歳になった垂イサムは、
この便箋小町に入社して3ヶ月になる新入社員。
ただの人間である彼は、飛川コマチ率いるこの店で
俄かには信じ難い不思議な物語の道を歩む事となる。
【本編完結】繚乱ロンド
由宇ノ木
ライト文芸
番外編更新日 11/19 『夫の疑問、妻の確信3』
本編は完結。番外編を不定期で更新。
11/15
*『夫の疑問、妻の確信2』
11/11
*『夫の疑問、妻の確信 1 』
10/12
*『いつもあなたの幸せを。』
9/14
*『伝統行事』
8/24
*『ひとりがたり~人生を振り返る~』
お盆期間限定番外編 8月11日~8月16日まで
*『日常のひとこま』は公開終了しました。
7月31日
*『恋心』・・・本編の171、180、188話にチラッと出てきた京司朗の自室に礼夏が現れたときの話です。
6/18
*『ある時代の出来事』
6/8
*女の子は『かわいい』を見せびらかしたい。全1頁。
*光と影 全1頁。
-本編大まかなあらすじ-
*青木みふゆは23歳。両親も妹も失ってしまったみふゆは一人暮らしで、花屋の堀内花壇の支店と本店に勤めている。花の仕事は好きで楽しいが、本店勤務時は事務を任されている二つ年上の林香苗に妬まれ嫌がらせを受けている。嫌がらせは徐々に増え、辟易しているみふゆは転職も思案中。
林香苗は堀内花壇社長の愛人でありながら、店のお得意様の、裏社会組織も持つといわれる惣領家の当主・惣領貴之がみふゆを気に入ってかわいがっているのを妬んでいるのだ。
そして、惣領貴之の懐刀とされる若頭・仙道京司朗も海外から帰国。みふゆが貴之に取り入ろうとしているのではないかと、京司朗から疑いをかけられる。
みふゆは自分の微妙な立場に悩みつつも、惣領貴之との親交を深め養女となるが、ある日予知をきっかけに高熱を出し年齢を退行させてゆくことになる。みふゆの心は子供に戻っていってしまう。
令和5年11/11更新内容(最終回)
*199. (2)
*200. ロンド~踊る命~ -17- (1)~(6)
*エピローグ ロンド~廻る命~
本編最終回です。200話の一部を199.(2)にしたため、199.(2)から最終話シリーズになりました。
※この物語はフィクションです。実在する団体・企業・人物とはなんら関係ありません。架空の町が舞台です。
現在の関連作品
『邪眼の娘』更新 令和6年1/7
『月光に咲く花』(ショートショート)
以上2作品はみふゆの母親・水無瀬礼夏(青木礼夏)の物語。
『恋人はメリーさん』(主人公は京司朗の後輩・東雲結)
『繚乱ロンド』の元になった2作品
『花物語』に入っている『カサブランカ・ダディ(全五話)』『花冠はタンポポで(ショートショート)』
日当たりの良い借家には、花の精が憑いていました⁉︎
山碕田鶴
ライト文芸
大学生になった河西一郎が入居したボロ借家は、日当たり良好、広い庭、縁側が魅力だが、なぜか庭には黒衣のおかっぱ美少女と作業着姿の爽やかお兄さんたちが居ついていた。彼らを花の精だと説明する大家の孫、二宮誠。銀髪長身で綿毛タンポポのような超絶美形の青年は、花の精が現れた経緯を知っているようだが……。
(表紙絵/山碕田鶴)
人生前のめり♪
ナンシー
ライト文芸
僕は陸上自衛官。
背中に羽を背負った音楽隊に憧れて入隊したのだけれど、当分空きがないと言われ続けた。
空きを待ちながら「取れる資格は取っておけ!」というありがたい上官の方針に従った。
もちろん、命令は絶対。
まあ、本当にありがたいお話で、逆らう気はなかったし♪
そして…気づいたら…胸にたくさんの記章を付けて、現在に至る。
どうしてこうなった。
(…このフレーズ、一度使ってみたかったのです)
そんな『僕』と仲間達の、前向き以上前のめり気味な日常。
ゆっくり不定期更新。
タイトルと内容には、微妙なリンクとズレがあります。
なお、実際の団体とは全く関係ありません。登場人物や場所等も同様です。
基本的に1話読み切り、長さもマチマチ…短編集のような感じです。
異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」
マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。
目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。
近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。
さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。
新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。
※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。
※R15の章には☆マークを入れてます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる