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彼女の成長
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自分の股間から垂れ下がる細い紐を、彼女は不思議そうに見詰めていた。そんな彼女に彼は言う。
「夜に風呂に入った後で取り出すが、それまではこのままにしておくように。いいね」
静かに落ち着いた口調でそう言われ、彼女は素直に頷いていた。特に逆らう必要も感じていなかった。
風呂やプールが好きな彼女に対しては、タンポンの使用はむしろ合理的であったかも知れない。月経だからと我慢させるには彼女はまだ幼過ぎた。
せっかく風呂に入ったので彼女はそのまままた風呂で遊んだ。彼は仕事に戻り作業を再開する。
一時間ほどして彼女は風呂から上がってきた。服は着てなかったが、体は濡れていなかった。自分で拭くことを覚えたのだ。それでも髪はあまりしっかりと拭けてないので、彼が再度拭いてやる。それにも彼女はされるがままになっていた。表情が変わらないから分かりにくいが、機嫌はいいようだ。
その後はまた彼女は絵を描き始めた。彼が気付かなかったその絵は、裸の女の子の股間が真っ赤に染まった絵だった。どうやら自分に起こった事を絵に描いているらしい。その証拠に次の絵は、やはり裸の女の子の股間から紐が垂れ下がってる絵だったのだ。
それに誰かが気付いてもし彼女がこれまで描いてきた絵を確認してみたら、実は彼女自身が見聞きしたもの経験したものを描いたものだということに気付いただろう。学校で描いてるものはそれこそ教室の中にあるものや教科書に載っていた写真などを真似て描いたものだったのでただの模写としか思えなかっただろうが、本当はそれだけではなかったのである。彼女の知能は順調に発達していたということだ。自分の経験を絵に描ける程度には。
おそらく、本人が喋ろうと思えばそれなりの会話も出来たのだろう。ただ彼女がそれを必要としなかっただけなのだ。だから今後、彼女が必要と感じたなら、当たり前のように会話をし始める可能性もある。何をどうすれば彼女がそう思うのかは分からないが。
だが、神河内良久も伊藤玲那も焦ってはいない。成り行きに任せることが一番だとどちらも感じているからだ。現状でも十分に上手くいっていると言っていい。他人を自分の思うままに操ることが正しいと思っている人間には理解出来ないだろうが、それは思い上がりである。
元より彼女の境遇は普通ではなかった。周囲が彼女に普通を提供してこなかったにも拘わらずその彼女に<普通>を要求するのは筋違いなのだ。
彼女が普通に近い環境を取り戻したのはほんの一年とちょっと前。ある意味では彼女は、一歳の赤ん坊にも等しいのだから。
「夜に風呂に入った後で取り出すが、それまではこのままにしておくように。いいね」
静かに落ち着いた口調でそう言われ、彼女は素直に頷いていた。特に逆らう必要も感じていなかった。
風呂やプールが好きな彼女に対しては、タンポンの使用はむしろ合理的であったかも知れない。月経だからと我慢させるには彼女はまだ幼過ぎた。
せっかく風呂に入ったので彼女はそのまままた風呂で遊んだ。彼は仕事に戻り作業を再開する。
一時間ほどして彼女は風呂から上がってきた。服は着てなかったが、体は濡れていなかった。自分で拭くことを覚えたのだ。それでも髪はあまりしっかりと拭けてないので、彼が再度拭いてやる。それにも彼女はされるがままになっていた。表情が変わらないから分かりにくいが、機嫌はいいようだ。
その後はまた彼女は絵を描き始めた。彼が気付かなかったその絵は、裸の女の子の股間が真っ赤に染まった絵だった。どうやら自分に起こった事を絵に描いているらしい。その証拠に次の絵は、やはり裸の女の子の股間から紐が垂れ下がってる絵だったのだ。
それに誰かが気付いてもし彼女がこれまで描いてきた絵を確認してみたら、実は彼女自身が見聞きしたもの経験したものを描いたものだということに気付いただろう。学校で描いてるものはそれこそ教室の中にあるものや教科書に載っていた写真などを真似て描いたものだったのでただの模写としか思えなかっただろうが、本当はそれだけではなかったのである。彼女の知能は順調に発達していたということだ。自分の経験を絵に描ける程度には。
おそらく、本人が喋ろうと思えばそれなりの会話も出来たのだろう。ただ彼女がそれを必要としなかっただけなのだ。だから今後、彼女が必要と感じたなら、当たり前のように会話をし始める可能性もある。何をどうすれば彼女がそう思うのかは分からないが。
だが、神河内良久も伊藤玲那も焦ってはいない。成り行きに任せることが一番だとどちらも感じているからだ。現状でも十分に上手くいっていると言っていい。他人を自分の思うままに操ることが正しいと思っている人間には理解出来ないだろうが、それは思い上がりである。
元より彼女の境遇は普通ではなかった。周囲が彼女に普通を提供してこなかったにも拘わらずその彼女に<普通>を要求するのは筋違いなのだ。
彼女が普通に近い環境を取り戻したのはほんの一年とちょっと前。ある意味では彼女は、一歳の赤ん坊にも等しいのだから。
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