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体の発育と本人の認識のズレ
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山下沙奈は、一年生相当ということで在学している。そして他の一年生と同じように、ようやく五時間目の授業まで出られるようになっていた。と言ってももちろん実際にはにこやか学級(=特別支援学級)にいるので、内容までは他の一年生と同じではない。彼女は今、新しく数字を学んでいるところだった。しかし、平仮名とカタカナについてもまだ完全に理解は出来ていないので、それと並行してである。
体育ももちろん行う。彼女はそれほど運動神経が良い訳ではないが、跳び箱やかけっこ、縄跳びなども普通に出来るようになっていた。鉄棒も、逆上がりが出来るまでになっていたりもする。発育の遅れはあっても体は高学年相当の十二歳なのだから出来て当たり前と思われるかも知れないものの、これまで全くそういうこともやってこなかったのだから、これでも格段の進歩なのだ。
そうだ、体と言えば、彼女の体は第二次性徴が進んでいることも事実である。乳房と言うにはまだまだでも明らかに胸が膨らみ始め、下腹部にも産毛と言うには明らかに濃く長い発毛が見られるようになった。栄養状態が改善されたことも影響してるのだろう。急速に発育が進んでいるようだ。
もっとも、第二次性徴が始まったことで藍繪汐治の守備範囲から外れ飽きられたのだが、まあそれはむしろ幸運だったと言っていいかも知れない。
しかし、体の発育については、丹上真朱里の方が一歩も二歩も進んでいた。服を着ていてもそれが分かるくらいに胸も膨らみ、ジュニア向けとはいえスポーツブラではない普通のブラジャーを着けていたりするのだった。
ただ、本人はそういう自分の体の変化が十分に理解出来ていないらしく、きちんと指示してあげないと平気で男子の前でも服を脱ぎ始めたりしてしまうところがあった。また、そういう部分では山下沙奈もまるで頓着がないので、真朱里に対して注意するどころか同じように服を脱ぎ始めたりしてしまう始末である。しかもまだブラはしていない。
その辺りでも、にこやか学級担当の教員達は神経を使わなければいけなかった。当然、それは伊藤玲那も同じであり、真朱里を受け持っている教員がうっかり更衣室への移動の指示を忘れて教室から出てしまい、それに気付いていなかった別の教員が、
「はい、次は体育です。体操服に着替えてグラウンドに移動します」
と低学年相当の生徒らに向けてそう声を掛けたのを自分への指示と理解した真朱里がその場で服を脱ぎ始め、それを見た山下沙奈も服を脱ぎ始めてしまったのに気付いて慌てて、
「丹上さんと山下さんは更衣室で着替えてくださいね」
と声を掛けることもあったのだった。
体育ももちろん行う。彼女はそれほど運動神経が良い訳ではないが、跳び箱やかけっこ、縄跳びなども普通に出来るようになっていた。鉄棒も、逆上がりが出来るまでになっていたりもする。発育の遅れはあっても体は高学年相当の十二歳なのだから出来て当たり前と思われるかも知れないものの、これまで全くそういうこともやってこなかったのだから、これでも格段の進歩なのだ。
そうだ、体と言えば、彼女の体は第二次性徴が進んでいることも事実である。乳房と言うにはまだまだでも明らかに胸が膨らみ始め、下腹部にも産毛と言うには明らかに濃く長い発毛が見られるようになった。栄養状態が改善されたことも影響してるのだろう。急速に発育が進んでいるようだ。
もっとも、第二次性徴が始まったことで藍繪汐治の守備範囲から外れ飽きられたのだが、まあそれはむしろ幸運だったと言っていいかも知れない。
しかし、体の発育については、丹上真朱里の方が一歩も二歩も進んでいた。服を着ていてもそれが分かるくらいに胸も膨らみ、ジュニア向けとはいえスポーツブラではない普通のブラジャーを着けていたりするのだった。
ただ、本人はそういう自分の体の変化が十分に理解出来ていないらしく、きちんと指示してあげないと平気で男子の前でも服を脱ぎ始めたりしてしまうところがあった。また、そういう部分では山下沙奈もまるで頓着がないので、真朱里に対して注意するどころか同じように服を脱ぎ始めたりしてしまう始末である。しかもまだブラはしていない。
その辺りでも、にこやか学級担当の教員達は神経を使わなければいけなかった。当然、それは伊藤玲那も同じであり、真朱里を受け持っている教員がうっかり更衣室への移動の指示を忘れて教室から出てしまい、それに気付いていなかった別の教員が、
「はい、次は体育です。体操服に着替えてグラウンドに移動します」
と低学年相当の生徒らに向けてそう声を掛けたのを自分への指示と理解した真朱里がその場で服を脱ぎ始め、それを見た山下沙奈も服を脱ぎ始めてしまったのに気付いて慌てて、
「丹上さんと山下さんは更衣室で着替えてくださいね」
と声を掛けることもあったのだった。
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