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攻防
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自分よりも一回り以上大きいジャックが自分目掛けて突撃してきても恐れることなくジョーカーは奔った。その姿は、やはりラーテル竜のそれと同じだっただろう。
そして頭を下げたジャックに対して頭突きに応じると見えた瞬間に体をひねり、横から頭突きをお見舞いする。
が、ジャックもそれは予測していたようだ。ジョーカーと同じく横からの頭突きに切り替える。
ガツンッッ!!
衝撃音が空気を震わせ、ジョーカーとジャックの頭が共に弾かれる。これだけの体格差がありつつ互角だったのは、正気のジャックは自身の体が壊れないように無意識のうちに加減していたのに対して、ジョーカーは一切それがなかったからかもしれない。実際この時、ジョーカーの頭蓋はすでにヒビが入っていたのだ。肉体の頑健さも、一回り以上大きなジャックが上回っていたということか。
けれど、ジョーカーもまったく怯む様子がなかった。一瞬で体勢を立て直し、ジャックの前足に食らい付こうとする。彼の戦闘力をまず削ぐことを狙ったのだろう。が、そのジョーカーの横っ面にガツン!と衝撃が。
肘だった。ジャックの前足、いや、この場合は<腕>と言った方が適切なのかもしれないがその肘が叩き込まれたのだ。
オオカミ竜の前足は、人間のそれと変わらない程度には器用に動くのだが、どうしても力の点では顎や後脚には及ばないため、攻撃に使われることはあまりなかった。なのにジャックは、クイーンの目を潰した上に脳にまで達するダメージを負わせたように、積極的に攻撃にも使うのだ。
それを思い付く知能があったのである。
もちろん、普通のオオカミ竜も前足を攻撃に使うこともあるものの、どうしても他に手段がない時に仕方なく的なそれでもあり、そんな前足を使えなくするのは、ある意味、心理的に追い詰めるためでもあったのだろうか。
なのにジャックはそんなジョーカーの狙いを上回り、その前足で攻撃を繰り出したのだ。
さらに、反対側の前足で、手で、ジョーカーの目を狙ってきた。クイーンに対してのそれと同じように、目に爪を突き立てようとして。
さりとてそれはジョーカーも頭を振って躱す。ジャックの爪は、ジョーカーの上顎の肉を切り裂いただけにとどまった。
その前足に食らい付こうとしたジョーカーをジャックも躱し、上からジョーカーの首を狙って食らい付こうとする。
これをジョーカーは頭を下げて躱し、前へと体を跳ねさせる。今度は尻尾を狙うようだ。
それもまた、ジャックは身を翻して躱したのだった。
そして頭を下げたジャックに対して頭突きに応じると見えた瞬間に体をひねり、横から頭突きをお見舞いする。
が、ジャックもそれは予測していたようだ。ジョーカーと同じく横からの頭突きに切り替える。
ガツンッッ!!
衝撃音が空気を震わせ、ジョーカーとジャックの頭が共に弾かれる。これだけの体格差がありつつ互角だったのは、正気のジャックは自身の体が壊れないように無意識のうちに加減していたのに対して、ジョーカーは一切それがなかったからかもしれない。実際この時、ジョーカーの頭蓋はすでにヒビが入っていたのだ。肉体の頑健さも、一回り以上大きなジャックが上回っていたということか。
けれど、ジョーカーもまったく怯む様子がなかった。一瞬で体勢を立て直し、ジャックの前足に食らい付こうとする。彼の戦闘力をまず削ぐことを狙ったのだろう。が、そのジョーカーの横っ面にガツン!と衝撃が。
肘だった。ジャックの前足、いや、この場合は<腕>と言った方が適切なのかもしれないがその肘が叩き込まれたのだ。
オオカミ竜の前足は、人間のそれと変わらない程度には器用に動くのだが、どうしても力の点では顎や後脚には及ばないため、攻撃に使われることはあまりなかった。なのにジャックは、クイーンの目を潰した上に脳にまで達するダメージを負わせたように、積極的に攻撃にも使うのだ。
それを思い付く知能があったのである。
もちろん、普通のオオカミ竜も前足を攻撃に使うこともあるものの、どうしても他に手段がない時に仕方なく的なそれでもあり、そんな前足を使えなくするのは、ある意味、心理的に追い詰めるためでもあったのだろうか。
なのにジャックはそんなジョーカーの狙いを上回り、その前足で攻撃を繰り出したのだ。
さらに、反対側の前足で、手で、ジョーカーの目を狙ってきた。クイーンに対してのそれと同じように、目に爪を突き立てようとして。
さりとてそれはジョーカーも頭を振って躱す。ジャックの爪は、ジョーカーの上顎の肉を切り裂いただけにとどまった。
その前足に食らい付こうとしたジョーカーをジャックも躱し、上からジョーカーの首を狙って食らい付こうとする。
これをジョーカーは頭を下げて躱し、前へと体を跳ねさせる。今度は尻尾を狙うようだ。
それもまた、ジャックは身を翻して躱したのだった。
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