こおりのほしのねむりひめ(ほのぼのばーじょん)

京衛武百十

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プロフィール

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「今日はよろしく頼む」

ある日、いつものように仕事に出ようと準備をしていたひめと浅葱あさぎの家に、六人の子供達が現れた。

と言うのも、砕氷さいひとしての仕事を学ぶ為に実際に作業をしているところを見るという、いわば<社会見学>のようなことが学舎でのカリキュラムの一環として行われているのである。

今回はその対象としてひめが選ばれたということだ。

ひめ自身は砕氷さいひとしての仕事は始めたばかりでも、彼女に師事したいという希望者が殺到していた。その為、彼女の仕事の邪魔にならずに学べる者をということで選抜が行われ、この六人が選ばれたということだった。

始閣しかく、十二歳、男。学舎の六学年生。卒業を間近に控え、実地研修の総仕上げとして今回の実習に臨んでいる。

九縁くぶち、十一歳、女。始閣しかくの妹。学舎の五学年生。兄と同じく砕氷さいひを目指している。

宗臣ときおみ、十二歳。男。学舎の六学年生。始閣しかくと共に砕氷さいひを目指し研修中。

蓮杖れんじょう、十二歳。男。学舎の六学年生。始閣しかく宗臣ときおみと共に砕氷砕氷さいひを目指し研修中。

角泉かくせん、十二歳。女。学舎の六学年生。始閣しかく宗臣ときおみ蓮杖れんじょうと共に砕氷さいひを目指し研修中。

釈侍しゃくじ、十一歳。女。角泉かくせんの妹。学舎の五学年生。姉と同じく砕氷さいひを目指している。

なお、始閣しかくのフードには暗い赤の線が入っているが、これは体に流れている血の色を表してるそうだ。自分が生きているというアピールとして赤い色をモチーフに使う者は多い。

九縁くぶちのフードには濃い橙色のギザギザが入っていた。これは鼓動を意味するらしい。同じく命を表している。

宗臣ときおみのフードには<びしゃん>を図案化した記号が記されていた。代々、砕氷さいひの家系であることかららしい。

蓮杖れんじょうのフードには懐炉鹿かいろじかを図案化した記号が記されていた。彼の父親がの猟師であることからつけたものだった。

角泉かくせんのフードにはリボンのような赤い飾りがついていた。由来は本人どころか家族でさえ知らないが、彼女の家に代々伝わるものだそうだ。

釈侍しゃくじのフードには、姉の蓮杖れんじょうのそれに比べややピンクがかった色合いのリボンのような飾りがついていた。

皆、物心がつく以前から玩具代わりに<びしゃん>を振るい、凍った土に穴を掘ることを遊びとして育った者達だった。

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