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ストレス
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日記を書いてる吉佐倉さんの頭の中でも、様々な感情や思考が、取り留めなく渦巻いてるのが僕には分かってしまった。
それと同時に、あれこれ考えすぎることもしないように心掛けてるのも伝わってくる。
でないと、結局僕を死なせてしまったこと。自分達の所為でこんなとんでもないことになってしまったこと。その自責の念で頭がおかしくなりそうだって思ってるんだ。
吉佐倉さんは、自分達が動き回ったことでこんな風になってしまったとは、まったく口にしようとしなかった。頭の中ではいつでもそれに対する罪悪感が渦巻いているのに。
それを口にしてしまうと、エレーンさんがショックを受けてしまうと考えてるようだ。
そしてそれは、当たってる。高校生のエレーンさんにはもう、なぜこうなってしまったのかが分かっているんだ。そして吉佐倉さんと同じように罪悪感に苛まれてる。
誰に謝ればいいのかも分からない状況で。
だから敢えてそのことを口にしなかった吉佐倉さんの判断は正しかったんだろうな。
アリーネさんには構わないようにしたのも、彼女は軍人だから、たとえ時間はかかっても自分でちゃんとできる、立ち直れるっていうのを信じてるからだ。
そうして、とにかく今の生活を淡々と続けることだけを意識してる。
いっそ死んだ方が楽だと考えてしまいそうになるのを、必死で無視してるのが僕には見えてしまう。
「ダメか……」
僕が拾ってきたラジオ付きCDプレイヤーに、同じく僕が拾ってきた電池を入れてラジオを付けてみた吉佐倉さんが落胆した声で呟く。
みほちゃんは、エレーンさんやシェリーちゃんと一緒に地面に絵を描いて遊んでた。エレーンさんがアニメのキャラクターを上手に描いてみせたんだ。それでみほちゃんも負けじといろいろ絵を描いてみせてた。エレーンさんのそれに比べるとずっと拙いけど、アニメのキャラクターらしかった。シェリーちゃんもそれを真似してる。
みほちゃんの前では特に落ち込んだ様子を見せないようにしてた吉佐倉さんだけど、ラジオの放送が全く入らないことで、救助が来る気配すらないことと併せて、不安を掻き立てられてるのが僕には分かってしまう。
加えて、吉佐倉さんは、僕のことは今でも警戒してた。信用することなんてできない。ただ、必要なものを持ってきてくれるから利用しようと思うようにしてるんだ。
だけど……
だけど同時に、彼女の中にある疑念が生まれ始めてきてるのも感じられた。
『まさか…あの黒い怪物って……』
それに合わせるみたいにして、吉佐倉さんの姿は日に日にやつれていったのだった。
それと同時に、あれこれ考えすぎることもしないように心掛けてるのも伝わってくる。
でないと、結局僕を死なせてしまったこと。自分達の所為でこんなとんでもないことになってしまったこと。その自責の念で頭がおかしくなりそうだって思ってるんだ。
吉佐倉さんは、自分達が動き回ったことでこんな風になってしまったとは、まったく口にしようとしなかった。頭の中ではいつでもそれに対する罪悪感が渦巻いているのに。
それを口にしてしまうと、エレーンさんがショックを受けてしまうと考えてるようだ。
そしてそれは、当たってる。高校生のエレーンさんにはもう、なぜこうなってしまったのかが分かっているんだ。そして吉佐倉さんと同じように罪悪感に苛まれてる。
誰に謝ればいいのかも分からない状況で。
だから敢えてそのことを口にしなかった吉佐倉さんの判断は正しかったんだろうな。
アリーネさんには構わないようにしたのも、彼女は軍人だから、たとえ時間はかかっても自分でちゃんとできる、立ち直れるっていうのを信じてるからだ。
そうして、とにかく今の生活を淡々と続けることだけを意識してる。
いっそ死んだ方が楽だと考えてしまいそうになるのを、必死で無視してるのが僕には見えてしまう。
「ダメか……」
僕が拾ってきたラジオ付きCDプレイヤーに、同じく僕が拾ってきた電池を入れてラジオを付けてみた吉佐倉さんが落胆した声で呟く。
みほちゃんは、エレーンさんやシェリーちゃんと一緒に地面に絵を描いて遊んでた。エレーンさんがアニメのキャラクターを上手に描いてみせたんだ。それでみほちゃんも負けじといろいろ絵を描いてみせてた。エレーンさんのそれに比べるとずっと拙いけど、アニメのキャラクターらしかった。シェリーちゃんもそれを真似してる。
みほちゃんの前では特に落ち込んだ様子を見せないようにしてた吉佐倉さんだけど、ラジオの放送が全く入らないことで、救助が来る気配すらないことと併せて、不安を掻き立てられてるのが僕には分かってしまう。
加えて、吉佐倉さんは、僕のことは今でも警戒してた。信用することなんてできない。ただ、必要なものを持ってきてくれるから利用しようと思うようにしてるんだ。
だけど……
だけど同時に、彼女の中にある疑念が生まれ始めてきてるのも感じられた。
『まさか…あの黒い怪物って……』
それに合わせるみたいにして、吉佐倉さんの姿は日に日にやつれていったのだった。
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