200万秒の救世主

京衛武百十

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シェリー・バーグソンの涙 

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神様。私は何か悪いことをしたのでしょうか? その罰としてこんな目に遭ってるのでしょうか?

だとしたら懺悔します。だから私を元の暮らしに戻してください。パパとママのところに帰してください。

だけど、そんな私の祈りは届きません。

みんなが止まったまま、ずっと昼間というこの無茶苦茶な世界で、私は何をしたらいいんですか?

すごく怖かったけど、クォ=ヨ=ムイとかいうおばさんとアリーネとかいうおばさんは怖いけど、アヤノとエレーンとミホは優しくて少しホッとしました。

特にエレーンは、たくさんアニメの話をしてくれて、少しだけ怖くなくなりました。

なんか、レンジとかいうおじさんは病気らしくてしんどそうでした。クォ=ヨ=ムイは私に、

『お前はハーレムの一員になるんだ』

とか言って、レンジのところに私を連れてきたけど、レンジは、

「アヤノとエレーンとミホと一緒にいてくれたらいい」

って言ってるとエレーンが教えてくれました。実際、レンジは私達に何もしてきません。ハーレムっていうから何されるのかって心配だったけど、それも大丈夫でした。

レンジは、病気でしんどいのに怪物を退治するために頑張ってるって。

私は怪物退治の手伝いはできないけど、レンジの邪魔をしないように、レンジを困らしたりしないようにしようと決めました。そしたらそれだけ怪物退治も早く終わるはずだって、みんなで話し合って。

でも、怪物退治は順調らしいのに、レンジはどんどん辛そうになっていきました。病気が悪くなっていってるみたいで。

私は日本語分からないし、レンジは英語とか話せないからほとんどお話もしたことないけど、すごく可哀想って思いました。

「レンジが可哀想だよ。他の人がやっちゃダメなの?」

エレーンに訊くと、彼女は、

「レンジが怪物をやっつけるのが、レンジの病気を治してもらう条件なんだって。アリーネさんが倒していいのは百匹だったんだけど、もう終わっちゃって。あとはレンジがやらないと、病気を治してもらえないって」

と言いました。

それを聞いて私はとても辛かったです。

「そんな。レンジが可哀想だよ」

私がそう言っても、エレーンもアヤノも辛そうな顔するだけで。

アリーネは怖いから話しかけられないし。

車椅子に乗っててもまっすぐ座ってられないくらいしんどくなってるらしいレンジを見て、私は涙が出てきました。

『神様、レンジを助けてあげてください』

お話しできなくても、レンジが優しい人だっていうのは分かりました。私達に怪物退治をさせないようにって自分が引き受けたんだってエレーンも言ってました。

優しい人がそんな辛いのはおかしいです。神様。

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